Canal



 アメリカの開拓史を語る上で、水運の果たした役割は非常に大きい。初期の頃は、イギリスによる大西洋に面した東海岸でのプランテーションの建設であり、その後、フランスによる五大湖・ミシシッピ川の遡行による開拓である。もしも、このミシシッピ川沿いの開拓が無ければ、アメリカの開拓はもっと遅れていたであろう。そして、このミシシッピ川と五大湖の物流を交流させるのに大きな役割を果たしたのが、我々の住んでいるオハイオ州である。そして、代表的な運河が、『Ohio Erie Canal』、だったのである。我々の住んでいるClevelandはこの運河無くしては、発展はありえなかったであろう。

 オハイオ州は、全米50州の中で7番目に人口が多く、大統領選挙でも重視される、農業・工業のバランスのとれた豊かな州であるが、その理由の一つに、オハイオの立地条件・水運にも恵まれていることにもあるのかもしれない。



A Miami & Erie B Ohio & Erie
C Milan D Mahoning (Pennsylvania & Ohio)
E Sandy & Beaver F Nimishellen & Sandy
G Walhonding H Muskingum River Improvement
J Granville Feeder K Hocking Valley (Lancaster) Lateral
L Columbus Feeder M Cincinnati & Whitewater
N Warren County O Sidney Feedeer
P Grand Reservoir (St. Marys) R Wabash & Erie

 オハイオ州の南部の境界線は、全てオハイオ川であるが、北のエリー湖から、南のオハイオ川へのメインルートが、我々が住んでいるClevelandからAkronを経由してPortsmouthに伸びるB: Ohio & Erie Canalである。ClevelandからAkronまでは、Cuyahoga Riverを利用し、運河の最高地点であるAkronの南からは、Muskingum Riverを利用する。ちなみに、この最高地点は水が枯れることもあったせいか、Portageという地名がついている。Dresdenからは丘陵地帯を避けるようにして南西に向かい、Scioto Riverを利用してPortsmouthに伸びていく。Scioto River沿いは、肥沃な大地が広がり、アメリカ先住民の遺跡が多く発見されていることからも、多くの農産物を運ぶルートであったものと考えられる。

 ClevelandからAkron間は、Cuyahoga Valley National Parkとして管理されていることもあり、Lockが保存されているものが多い。船を引っ張った馬が歩いた道も、現在では『Towpath Trail』としてハイキングルートとして管理されている。こちら(Canal Lock1-44)に、CVNP内のLockを表にしている。

 このルートはOhio川までの距離が長かったので、これを短くしようとしたのが、E: Sandy & Beaver Canalであり、H: Muskingum Riverであった。運河は洪水などの被害が大きく、今でも残っている運河は少ないが、このMuskingum Riverだけは、現在でも利用されている運河だ。

参考サイト
Cleveland State University
= 運河の作り方、古い写真などがある。
Ohio's Histolic Canals = Ohio在住のLarry StevensさんのHP。簡単な説明で判りやすい。
Ohio Canals = Wendy J. AdkinsさんのHP。ほぼ完璧に調べてあるので、マニアにはいいサイト。
National Park Service = NPSによるHP。学校の先生用の教材マニュアルになっているので、判り易く説明してある。
CanalWay Ohio = Ohio & Erie Canal National Heritage CorridorのHP。ClevelandからNew Philadelphiaまで伸びるTowpath Trailガイド、およびドライブマップを見ることが出来る。
Canal Fluton and Museum: St. Helena IIIという船でのツアーを体験できる。

運河を巡る旅
2004/3/6 Beaver Creek E: Sandy & Beaver Canalを訪れました。State Parkに指定されており、ゆっくりBBQも出きる公園です。
2004/3/13 Zannesville→Dresden H: Muskingum Riverと、B: Ohio Erie Canalを訪れました。アメリカの田舎の風景を楽しむことが出来ます。
2004/3/20 Ohio Erie Canal B: Ohio Erie Canalに沿って、CVNPからNew Londonまでドライブしました。古きアメリカを感じ取ることの出きるドライブウエイです。
2004/3/27 Akron→Cuyahoga Valley NP B: Ohio Erie Canalの最高地点からCVNPまでを訪れました。
2004/4/10 Ohio &Erie Canal Metropark Clevelandの発展に寄与した運河の役割について勉強できました。
2004/4/25 Cuyahoga Valley NP CVNP内のLockを全て踏査しました。
2004/5/1 Cascade Valley Metropark CVNPの南を調査してきました。
2004/6/6 Lockport New YorkのErie Canalの運河ツアーに参加してきました。
2004/6/13 Greenville Canal Museum Erie Extension Canalについての美術館です。
2004/6/20 Canal Fluton 運河船を見てきました。
2004/6/26 Canal Fluton 運河船に搭乗してきました。
2004/9/12 Welland Canal 巨大な運河を観察してきました。
2004/10/16 Canal Winchester Ohio Erie Canalの中継点であった町を訪れました。
2004/10/31 Allegheny Portage Railroad 船が山を登りました。
2004/11/25-28 C & O canal Maryland州の運河調査です。
2005/5/1 Welland Canal またまたCanada, Welland Canalの調査です。
2005/5/29-30 C & O Canal 船がトンネルをくぐります。
2005/6/4 Canal Fluton またまた運河船に乗りました。

2005/6/7-11 C & O Canal Georgetownを訪れました。
2005/8/13-16 C & O Canal Georgetownを訪れました。
2006/6/8 Chicago Riverを訪れました。
2006/7/1 Akron/Cascade Valleyを訪れました。
2007/4/14 CVNPをサイクリング。



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