Weekend 2010 June(2)



 6/18(Fri)-20(Sun) Duluth, MN(2)

 朝4時に起きて、テントを撤収、朝食をとりながら会場に向かう。昨日ゼッケンを受け取ったDECCの駐車場はお金をとるので、レース後の無料シャワーとなるYMCA近くに駐車する。そしてDECC前から出発する列車に乗車する。このレースは、フルマラソン・ハーフマラソンとも、片道レースなのだ。
 列車は湖岸沿いを走りながら、時にはコース沿いを併走しながら東に向かう。列車に乗るのがスタート時間の一時間半以上前だというのが、やや不便だ。
 24マイル程の乗車で、スタート地点に到着する。5000人近いマラソン参加者なので、人ごみも相当のものだ。荷物は、リサイクルのゴミ箱(?)の中に預ける(こんなのは初めてだ)。

 7時25分となり、国家斉唱、こんな田舎だがF-18(?)が二機飛んできたのにはびっくりした。そして7時30分過ぎにスタート、ヘリコプターの取材がずっと続く。さて、コースはOld Scenic Highway 61を西に向かう。直線で単調な二車線の道だ。ペースをどうするか決めかねていたが、今日はかなり西風が強いので、風除けのために集団についていくことにする。ちょうど3時間10分の集団が体に心地よい。

 ペーサーは、しっかりとしたペースで集団をまとめている。ほぼ7'15''/mileのペースだ。今年5回目のレースであり疲れがたまっているため、最後までこのペースでいけるか疑問だが、足の調子はいいのと風除けがかなり助かるので、このまま集団についていく。マイルごとにバルーンがあり、ペースの配分が非常にしやすいコースだ。

 10Kは44'56''(424位)で通過する。時折湖も見えて、綺麗なコースだ。11mileあたりから、やや引き離されそうになってくる。ハーフの通過は1:35:08(356位)だ。ほぼ理想的なペースだ。



 ここからはややペースを落としていく。するとかなりの逆風でもあり、ペーサーとの距離はどんどん開いていく。
 20mileは2:33:35(533位)、この辺りから市街地に入ってくる。ATPがかなり枯渇しているのを自覚する。23mileを過ぎてSuperior Streetに入ると、応援も激しくなる。

 25mileは3:19:39(605位)、3時間半を切れるかどうかのぎりぎりだな、と自覚しながら、ややペースを上げ気味に走る。後方からの3時間30分のペーサーの声に励まされながら、疲れた体に鞭を打つ。いよいよ26mileを過ぎ、かなりやばいことを感じながら、ラストスパートに入る。時計は3時間半を回ったが、まだ余裕があるはずだ。最後に何人か抜き去り、ゴールする。
 3:29:54(617位/5611人)であった。後半は1:54:46というペースであった。50州を走ることの方が目標になってしまっているので、ベストのタイムを出すことは難しくなってきているが、コンスタントにボストンマラソンの参加資格を得られる3時間20分は切れるようになりたいものだ。

 Finish lineを通過した途端に吐気をもよおして、道端に倒れこむ。胃液は上がってくるのだが、何も出てこない。数分間体を落ち着かせた後、再び歩くことが出来るようになった。
 メダルとTシャツをゲットした後、シャワーの浴びれるYMCAまで坂を上がっていく。そしてさっぱりした後、観光モードに突入することにする。
 市内観光は終了しているので、買い物をしながら東に向かう。見た目がランナーに見えるのであろうか、みんなその先々で『おめでとう』と言ってくれるのが嬉しかった。

 まずはTwo Harborsへ。ここには鉄の積出港があるのだ。
 ちょうど大型船が着岸しようとしていた。ここには見学可能な灯台もある。
 次にSprit Rock Lighthouseへ。前出した鉄の移動などに活躍した船を守る、重要な灯台の一つである。
 物資はこの岩にアンカーを打って、湖から搬入したそうだ。灯台守の住居も保存されている。
 灯台の上にも上っている。今でも現役の灯台である。
 なかなか再訪する場所でもないので、おみやげもゲットしておく。
 更に東に進む。Silver Bayにも大きな工場がある。

 Dulthまで来たら、最高峰マニアの私としてははずせない場所がある。それは、Minnesota最高峰のEagle Mountain(701m)だ。なかなか訪れることのない辺境の町から、更に辺境の山に登るので、かなり予習をしておかなければ、まず到達することは不可能である。

 DulthからUS-61を91mile、Lutsen先のCR-4を北上していく。じきにこの道は未舗装路となるが、道はしっかりしている直線なので、35mile/hぐらいで走ることが出来る。21mileで目指す登山口だ。20台は停めることの出来る駐車場がある。土曜日の午後ということで、7台くらいの車があった。

 時間も17時近くなってきたので、疲れた足に鞭打ってトレイルランをする。ずっと平坦地をいくと、2箇所木道がある。35分走ればWhale Lakeに出る

 ここから湖を三分の一周回って登りにかかる。そして出発から55分で、頂上に到着する。

 天気は下り坂で、展望はイマイチだが、ミネソタの重厚な森林は味わうことが出来る。雨もぱらついてきたので、早々に退散する。ちなみに右の写真では、頂上は中央奥になる。

 帰りはだらだらと下った後、念願のビールを頂く。今日もたくさん走ったものだ。

 時間も遅くなってしまい、この時間からキャンプ場を探すのは大変なので、ここでキャンプをしてしまうことにする。夕食は、最近の短期キャンプの定番となったコーンビーフカレーだ。夜間は雨に見舞われるものの、心地よい夜を過ごすのであった。
 撤収の後、Silver Bayまで戻る。湖岸沿いには、大きな滝などもあり、のんびり出来るキャンプ場も見受けられた。Silver Bayからは、CR-15に入り西を目指す。古い地図には未舗装道路との記述もあるが、現在は高速道路のような状況である。
 何本か鉄道を横切るが、これらは全て鉄鉱石の搬送に関連した路線である。そして、森林地帯を抜けてHibbingの町に到着する。鉱山の町であるとともに、Bob Dylanの生地であることでも知られている。とてもこの町の規模からは想像できない、大理石で出来た立派な高校がある。今日は日曜日なので、見学は不可だが、平日であれば内部を見学するといいだろう。古き時代の雰囲気が残った町である。
 町の中心から北に向かうと、2nd streetなどと表示のある『かつての』町の中心部に到着する。そしてすぐに大展望が広がる。
 かつてはこのもうちょっと北側の地表に近い所で採掘を行っていたのだが、鉄鉱石の多く含まれる地層を追って、南下(深部になる)したというのがあらすじだ。そのために、炭鉱で勤めるもので出来たHibbingの町は、更に南に移住させられたというものだ。かつての町の中心部から北半分があった場所は、露天掘りのために消失してしまっている。
 このメサビ鉄山の鉄鉱石の含まれる地層が、地図に示されており興味深かった。高校生の時から知っていた『メサビ』に来る事が出来た感動とともに、ボストン周辺で始められ、ヤングスタウン(その1その2、クルーブランド、シカゴへとその中心が移っていったアメリカでの鉄の精製の歴史を見ることが出来て、感慨深いものがあった。
 ミネソタのグランドキャニオンをも呼ばれているそうだ。現在では鉄の含有量の低いものから、鉄の含有量の高いものへと精製して出荷しているそうだ。
 坑道もあったらしいが、圧倒的に生産性が高いということで、露天掘りになったそうだ。
 簡単な展示なども行っている。
 次にHibbingの北にあるChisollmという町を訪れる。ちなみにここに続くUS-169は、鉱脈の真上を通るそうだが、下には無数の坑道があるそうだ。将来的にここも露天掘りになってしまう可能性もあるであろう。(Iron World Discovery Centerは、午後からの営業ということで割愛する。)
 次にMinnesota Discovery Cneterへ。ここも鉄の歴史の勉強が出来る。この地域が、第二次世界大戦時に発展したことがわかる。

 Drilling、Blasting、Digging & Hauling、Crushing、Granding、Separating、Bakingといった工程を得て、タコナイトが精製される過程を学ぶことが出来る。

 Mesabi Iron Rangeのこの曲がりが印象的である。ちなみに資源の勉強をしたい場合、このサイトがなかなか有益である。
 場所によって鉄を多く含む地層が異なる。左の鉄鉱石を掘るために掘削を進め、その後上の湖になったそうだ。
 ちょうど世界の人形展をやっていて、日本人形も展示されていた。

 次に先程のHibbingsに戻る。ここは全米を結ぶGrayhound Busの発祥の地であるのだ。Mesabi Trailがそばを走っており、サイクリングにも楽しい所だ。

 このGreyhouhoundの始まりは、実はメサビ鉄山と大きな関わりがあるのだ。先程述べたように、炭鉱の拡大とともに、町が南に移動しなくてはいけなくなったのだが、労働者の通勤に費やす時間は増すばかりであった。

 そこにひらめいた創業者が、片道15centの乗り合いバスを始めたのがことの始まりであった。

 以後、合併吸収を繰り返しながらも全米に発展していった歴史は面白い。
 博物館の中には、多くのレトロな車体が展示されている。
 驚くべきことは、これらGreyhoundバスは、その会社自体が製造しているという点であった。
 展望台のようなバスもある。
 観光客は非常に少ないのだが、私を含めて中高年にはたまらないスポットであろう。
 私も一回目のグランドキャニオンの旅の際、AmtrackとGreyhoundの利用経験がある。また機会があれば、こういった旅をしてみたいものだ。
 スプーンもレアであろうかと、ゲットしてしまった。

 時間も2時を過ぎてしまったので、MSPに向けて車を進める。直行便を利用した、お気楽マラソン旅行であったが、まあ一人旅も楽しいものだ。マラソン50週制覇も19州に、キャンプは26州、最高峰は24州となった。また新たな州に向けて計画を立てていこうと思う。


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