Snowhouse





 福井県出身の私にとって、『かまくら』の作成というものは、子供の時からの冬の遊びの一つでありました。大学に入ってからは、雪の無い神戸での生活でしたが、それは山での雪洞という形をとりました。そしてアメリカに留学した今、また『かまくら』作成の機会が巡って参りました。
  これは、ここOhioにおける『かまくら』作成の記録です。

  ・ The History of theSnowhouse in 2004
  ・ The History of the Snoehouse in 2003
  ・ Publication (Sun Newspaper)
  ・ Tips for building a snowhouse



 The History of the Snowhouse in 2004
12/13 暖かい日が続き、雪も大したことは無い。 12/14 結構な積雪があったので、2004かまくらプロジェクトを開始する。今年の目標は、大人8人がちゃぶ台を囲んで丸く座れる大きさです。 12/16 気温はあがり雨が降ってきた。やはりフライングであったか、、、。
12/18 また結構な雪が積もり、大きさは12/14をしのぐようになった(縦に長い)。 12/18 Clinicに行っている間も雪は降り続き、気合で雪を積み上げて、早くも身長突破! 12/20 最後の仕上げに更に積み重ねておく。休暇中、雨が降るであろうが、いい具合に雪がしまってくれればいいのだが、、、。
12/21 我が子を残していくような複雑な気持ちだが、今日は旅立ちの日。『雨にも負けず、がんばって生き残るんだぞ!』 12/23 主人不在のまま雨を迎え、二周り小さくなったかまくらさん。がんばれ!(Y先生撮影) 12/26 旅行先のUtahでも出張かまくら。一気に圧縮まで行ってしまったので、明日掘削予定。
12/28 Utahのかまくら完成。 1/1 Clevelandで唯一雪が残っているのは、我が家ぐらいではなかろうか。しばらく、かまくら計画は中止か。 1/4 気温は低いのだが、ここまで小さくなってしまった。以後も増大傾向無し。
1/15 久々の雪で復活。ここ2週間の雪で完成できるかが決まるであろう。 1/17 圧縮行程終了。 1/18 最終圧縮・積み上げ行程。あとは掘るだけとなった。
 
 
1/22 いよいよ掘削を行い19:47開通!早速、第一回かまくらパーティーが開かれる。 1/23 第二回かまくらパーティーが開かれる。 1/28 一旦雨でしまった後、車をはるかに越える大きさに成長してしまった。
1/30 人間の力でここまでの大きさにすることが出来るとは、我ながら信じがたい。 1/31 Michiganのかまくら完成。 2/8 暖かい陽気でやや縮小傾向にある。
2/12 かまくらフェスタに備えて増築工事を行う。掘削の勢いのまま、第三回かまくらパーティーが開かれる。

2/14 バレンタインかまくらフェスタ(第四回かまくらパーティー)。

2/20 気温は55Fまであがるという3月並の気温なので、崩壊は近いであろう。
2/23 この陽気でとうとう天井に穴があいてしまった。 2/27 去年と比べて今年は暖かかったな〜。でも十分楽しませてくれました。 2/29 アーチーズはこうして出来るのか?
 今年は昨年と違って、2月後半からの暖かさが半端じゃなかった。思いの外、早く溶けてしまったが、今年も多くの人を楽しませてくれ、また私自身も多くの人と知り合うことが出来、『本当にかまくらさん、ありがとうございました!』。  
3/1 美しい夕焼けであった。    

 The History of the Snowhouse in 2003
1/30 初めはただの除雪作業だったが、どうせやるなら、、、ということでかまくら作成がスタート。山はまだまだ富士山型。
2/8 初代かまくら完成、中は大人4人が入れる大きさ。

2/14 更に雪が降るので、その隣に増築を決意。前方後円墳型になる。第一回かまくらパーティーが開かれる。

2/21 この冬初めての雨が降ると言うことで、Backyardの雪を運んだり、シートをかけたりして、防御。台形になってきた。
2/23 またまた雪が積もり、初代かまくらよりも高くなってしまった。しかし、降った雨が氷化したこともあり、掘削作業は難航。
3/1 かまくら増築工事を行い、内部は大人8人は入れるようになった。第二回かまくらパーティーが開かれる。
3/8 外の風はすっかり春めいてきた。もう隣の芝は見えているのだが、我が家にはまだかまくらが聳え立っている。第三回かまくらパーティーが開かれる。
3/16 スキーから帰ってきたら、大きな穴が開いていた。

3/17 3月一杯までもつかな?と思っていたのだが、予想外の陽気にさすがのかまくらさんも耐え切れず穴が開いてしまいました。毎日少しずつ溶ける姿は、まるでArchesの侵食を見ているようでありました。



 Publication
 かまくらを作って第一回かまくらパーティーをしている時、冗談で『こんなことしてたら、新聞に出るで〜』と言っていたら、すぐに新聞記者の取材があって、何と新聞に載ってしまった。それも第一面!

 こんな感じで売っていました。記事はこんな感じ。詳しくは、ここ(カラー写真です)。アメリカでの記念すべき、First publicationになりました。

Snow shoveling bonus
All those flakes turn into a Japanese snow house
By MATT LEHKY
Staff Writer

March 6, 2003

MAYFIELD HEIGHTS When he left Japan for Northeast Ohio in June 2002, Y.O. never dreamed there would be less snow in his new hometown.

Believe it or not, the 35-year-old cardiovascular researcher at the Cleveland Clinic wanted more than Northern Ohio could offer.
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C.O., a native of Japan, and her 14-month-old daughter, Y.O., show off a Japanese traditional snowhouse called a ''kamakura,'' constructed on the front yard of their Mayfield Heights home. The snowhouse was built by her husband, Y.O., and is approximately 4 feet high and 12 feet long. Sun photo by Joseph Darwal.
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"I was disappointed when I heard that there was less snow in Cleveland (than Japan)," Y.O. said.
Primarily, he wanted more snow so that he could build a Japanese traditional snow house called a "kamakura." Luckily for him, Mother Nature was on his side this year.

With one of Greater Cleveland's harshest winters in years, Y.O. began constructing the snow house in the middle of January in the front yard of his Eastwood Road home. The snow house has now grown to 4 feet high and approximately 12 feet long.
"It just started as I was removing snow from our driveway and it grew from there," Y.O. said.
He added that it has been good exercise for him.
"I like running, but that is very dangerous in the winter so I have been doing this," he said.

For the rest of the story, see your local Sun newspaper.



 かまくら作成のコツ

 雪が降る所なら、どこでもかまくらが作れるというものでは無い。福井での湿雪、雪山での作成(厳密にはかまくらとは言わないが)、そしてオハイオでの乾いた雪。それぞれの雪質、場所に合わせて作成する必要がある。

・ 福井 湿雪で、あまり温度が低くない福井では、耐久性のあるかまくらを作るのは困難である。(1)除雪車の通った圧縮してある雪を使う。(2)あまり大きいのを作るとすぐに崩れてしまう。

・雪山 やはり、一番のポイントは掘る場所であろう。(1)
雪崩れの心配の無い安全な斜面。(2)傾斜の強い所。(雪を出しやすい)(3)十分な積雪がある所。(4)スノーソーがあると、雪を切り出しやすい。慣れてくると、1時間ちょっとで、2人寝れるものを作ることが出来る。

・オハイオ 雪が乾いているので、作るのには実は非常に労力がかかる。(1)十分な体積の雪を集める。(2)しっかり踏みつけて密度を高くする。特に柱となる部分。(3)水をかけて強度を増す。(4)積み上げた雪の内部は雪の密度が低いので、ある程度中を掘って、中から外向きに雪を圧縮して密度を増す。

実際にかまくらを体験できるイベントは、日本でも各地にあり、出張かまくらサービスなどもあるのだが、圧巻はHAKUBA 47スキー場のかまくらフェスティバル。巨大なかまくらを真剣に作っている。


Q:かまくらの作成って、何日もかかるんですか?(Ohio在住Yさんより)

A:もちろんかまくらは、積雪の多い、湿度の高い雪があるならば、一日で作成することも出来ます。日本の冬山で作る雪洞ならば、1時間半で、2人が寝れるスペースは作れます。宴会が出来るくらいにするには、+30分です。結構、しっかりとしたもので、長持ちいたします。

 ただ、下界や特にここオハイオで作成する場合、かまくらにはいい雪ではないので強度的に問題があると思います。湿度が低く、屋根を支えられないので、いったん山を作ってから、更に上に乗って踏み潰して、『圧縮』する必要があります。(時にはホースで水をかけて、湿度を増していきます。)この『圧縮』は、かまくら周囲の柱となる部分を特に念入りに行います。その後も雪を積み重ねる、圧縮を繰り返していきます。そして、雪の結晶の癒合を待った後、いよいよ掘削です。

 掘削には、金属製のスコップが必用です。掘り出した雪はいい雪なので、周囲の柱の補強(特に入り口周辺)に使用致します。ある程度雪を掘り出した後、今度は内部から外側に向かって背中で押すように圧縮を行います。そして一晩しっかり冷却すれば完成です。

 その後のメンテナンスですが、中で宴会をすれば、かまくら内部の表面の雪がかなり湿度を増してきますので、更に外側に圧縮する必要があります。また、屋根が少しずつ重みで落ちてくるので、掘削が必要な時もあります。宴会に使い込んでいくと、かなり氷化してくるので、更に強度は増していきます。
雨はかまくらの大敵なので、雨が予想される時は、シートをかける必用があります。また日光対策として、定期的にlight snow(重い雪は駄目)を南側を中心にかけてやる必要があります。



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