How to Swim with Manatee



 マナティという生物をご存知であろうか。海生哺乳動物で、ジュゴン目に属している、温厚な草食動物である。ジュゴン科とマナティ科に別れおり、前者はおひれが三角形であるのに対して、後者はしゃもじ型であることから容易に識別できる。大きさは300kg以上にもなるが、非常に大人しく人懐こい動物である。



 300kg以上もある野生動物との触れ合いは、陸上ならばかなり困難で、もしかすると危険も伴うものであるが、このマナティという動物は非常に性格が大人しい草食動物で、ここアメリカフロリダでは、一緒に泳ぐことが出来るというのだ。この項では、いかにしてマナティと一緒に泳ぐことが出来るのかを詳しく解説していきたい。
 
今までの訪問記
2005年12月 第一回、ツアーに参加
2006年12月 第二回、レンタルハウスを借りて、セルフツアー
2008年12月 第三回、レンタルハウスを借りて、セルフツアー
2012年12月 第四回、レンタルボートを借りて、セルフツアー


(1) 場所、時期 
マナティはフロリダのいろいろな所でみかけられるが、一緒に泳ぐとなると、彼らが終結している場所にいかなければいけない。そんな彼らが冬の間に終結するのが、Crystal Riverである。ここには暖かい泉が一年を通じて湧き出しており、この暖かさを求めて集まってくるのだ。Tampaの南東にある発電所では(Manatee Vieweing Center)、発電所からの暖かい排水を求めてマナティが集まってくるが、とても人間が泳げる場所ではない。

 Crystal Riverには、いくつかの泉がある。King's Springは最大のものであり、多くのマナティが集結する。ただし、広いが故にやや吹きさらしの場所にあり、水深もあるために、子供連れの観察にはやや厳しい所である。Mangolia Springsは運河の先にあり、ここもややアクセスに問題がある。一番の人気スポットは、Three Sistersである。
 もともとは2005年に、300件のウオーターフロントハウス開発のために周辺75エーカーの土地を$10.5millionで取得した。しかしそのオーナーが、ボートで傷ついたマナティを救ったことから、一転して土地の保護運動に発展していった経緯がある。$11.8millionでの売却を持ちかけ、そこに州政府を含めて大きなサポートがあり、ついには2010年7月、土地の所有者が購入時と同じ値段でクリスタルリバー市に土地を売却したのだ。その後、運河から泉の内部へ至る水路に横たわっていた大きな岩を除去したため、干潮時でもマナティが簡単に泉内に入れるようになった。このため、以前は冷え込みがきつい朝方に多くのマナティを観察でき、午後にはあまり観察できなかったのであるが、現在は午後になっても多くのマナティを観察できるスポットとなった。
 一般的に冬場が観察に適した季節であるが、3月になっても多くのマナティを観察できるようだ。

(2) 宿泊 もちろん日帰りでも観察可能であるが、ツアーは朝早く出発することが多く、前泊が必要なことが多いであろう。観光地であるので、宿泊施設はいろいろとあるであろう。その中で、いくつかピックアップしてみたい。
Best Western Crystal River マナティツアーを行っている会社に近いので、非常に便利だ。
Rental House 案外知られていないのが、運河沿いに立っているレンタルハウスだ。VRBOまたはVacation Rentalなどで検索するといいだろう。Three Sistersの泉の場所から近い場所に、いくつかのレンタルハウスを探すことが出来るであろう。これらのレンタルハウスには、シットオンカヤックが付随していることが多く、カヤックをレンタルしなければいけない手間も省ける。長時間の水中で過ごすのは疲れるので、こういったレンタルハウスから、気が見た時間に訪れるのが簡単でいいだろう。

(3) アクセス マナティのいる泉に行くためには、いくつかの方法がある。
ツアーに参加する 初めての訪問であれば、ツアー会社の船で行くのが一番手っ取り早いであろう。いくつかのポイントを回ってくれるし、船内も比較的暖かく過ごせるであろう。また、水中ビデオを回してくれるサービスもある。欠点は、経費がかかる、時間に制限があることであろう。
レンタルボートを借りる ポンツンボートなどを借りて、自分たちだけで泉に向かうことも出来る。もちろん、船を操ることが出来る、行きたい場所を自分で探せるなどの制約はあるが、自分たちだけで思う存分泳げるので、大勢で行けば安上がりだ。いろいろな会社があるようだが、我々はBest Western前の会社を利用した。レンタル料は、$25/hourである。
カヤックで行く 一番安上がりなのが、自分たちの船で行くという方法である。カヤックは、レンタルすることも可能である。湾内へのアクセスポイントとしては、Best Western前からか、Hunter Springs Parkからするといいだろう。慣れていれば、20分程度で到着することが出来るであろう。運河がついたレンタルハウスを借りて、カヤックで行くのもいいだろう。

(4) 道具 フロリダと言えども水の中は寒いので、長袖のウエットスーツが必要となる。帽子があってもいいだろう。またシュノーケルとフィン、ライフジャケットがあると、長い時間水の中で過ごせるであろう。
 

(5) ルール マナティと泳ぐ時には、いくつかのルールがある。法律で罰せられることもあり得るので、レンジャーの言うことは、"Yes, sir"と言ってしっかりと従おう。
・ 水の中にいる時は、大騒ぎしない、水をかき回さない。
・ マナティを追っかけない、近づいてくるのを待とう。
・ マナティを触るときは、両手では触らない。
・ マナティの間を割って入るようなことはしてはいけない。
・ 食べ物を与えてはいけない。

(6) その他 こうったマナティを見にいけない人のために、いいポイントがある。King's Bay Drにかかる橋の上だ。日中であれば、泉から出てくるマナティや、逆に泉に向かうマナティの群れを観察することが出来るであろう。また、Homosassa Springs State Parkも保護されたマナティを観察できるポイントである。



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