2008 Spring Vacation Report in AZ,UT,CA



  2日目 3/22(Sat) Grand Canyon NP
 ここGrand Canyonの美しさは、朝晩にあるといっても過言ではなかろう。まずはBright Angel Lodgeの近くに車を移動して、ここからの朝焼けを堪能する。静かな高原の朝の空気を吸いながら、徐々に変化する色彩を眺めるだけでも、ここに来て良かったと感じることが出来る。私はこれで4回目、Yも3回目のはずなのであるが、どうやらYは覚えていないようだ。
 早朝にここに来たのはもう一つわけがある。ここでPhantom Ranchの宿泊のキャンセル待ちをすることが出来るのだ。6時半にブッキングを済ませると、7時に戻ってくるように言われる。すると、7時ちょうどからキャンセル待ちの名前を呼び出していくのだ。この時に、この場にいなかったらアウトだ。かなり厳しいかと予想していたのだが、ラッキーなことにキャビンを借りることができた!ラッキー!
 今日から気温も上昇するようだ。Yは、最近収集している1 centを見つけて大喜びだ。
 しっかりと予約がとれたということで、早速キャンプ場に戻って朝食とする。オーブンもついているので、優雅な朝食をとることが出来る。その後は、出発の準備をしながらお勉強だ。
 キャンプ場にキャンピングカーを残して、シャトルバスでVisitor Centerへ。
 まずはここでJunior Ranger Programをゲットする。また、今から歩く部分の地層の勉強もする。
 更にシャトルバスを乗り継いで、South Kaibab Trailへ。私が最初にGrand Canyonを訪れた際に、5時間弱でCororado Riverまで往復したことがあるのだが、その時の美しさを忘れることが出来ない。今回の旅の目玉だが、この巨大な渓谷を、歩きながら感じ取ろうというものだ。

 前回はBright Angelから下って、South Kaibabを登ってきたのだが、開放感と美しさは、South Kaibabの方が上である。また、日差しも強い。Bright Angelには途中に水場もある。こういったことを考慮するに、South Kaibabを下ってBright Angelを登るのが、いいように感じる。出発は2213m、谷底のPhantom Ranchは768m、1445mの標高差だ。

 いきなりトレールは、つづら折に急降下していく。一部雪も残っているのだが、Mule tourで良く踏まれているので、山慣れしていれば、全く問題無い道である。逆に、雪慣れしていないハイカーによる渋滞が発生しており、そちらに巻き込まれる方が危険だ。"Excuse us"を連発しながら、とっととハイカー渋滞を抜かして下っていく。
 10分も下れば、雪も解けて歩きやすい道となってくる。このGrand Canyonの道の特徴であるが、傾斜はあるもののMuleが登れるくらいの一定の傾斜になっているため、子連れでも非常に歩きやすいことであろう。
 25分で非常に展望のいいポイントに到着する。時折、Muleも登ってくるののだが、Muleには道を譲る規則になっている。
 この雄大な景色を眺めながら、ひたすら道は下っていく。ずっと自分の足で歩き続けるYは、どう感じているのであろうか。
 一時間弱歩いて、トイレのある休息ポイントに到着する。Rim沿いは観光客でごったがえすだけに、この静寂のトレールは気持ちいいことこの上ない。親の予想を裏切って歩き続けるYだが、おやつを食べて更に元気をつけてもらう。
 この辺りからは、このトレールの一番美しい場所と言っても過言ではなかろう。空に浮かびそうなそんな感覚が味わえる。
 空荷のMuleも登ってくる。今日宿泊する予定の小屋のために、我々の食料なども運んでくれているに違いない。
 Yは予想に反して歩く、歩く。
 しまいには先頭に立ってしまった。
 谷の中間部は大きく空も見渡すことが出来、あたかも西部劇の舞台にいるような印象だ。
 平坦部を過ぎると、急な坂がまた現れる。下には平坦な台地が見えてくるのだが、ここにTonto Trailが走ることになる。
 高度が下がることと、日差しも強くなってくるので、気温も上昇してくる。少々ばて気味となってくるので、日陰で休み休み距離をかせぐ。
 周囲には化石のようなものも見られ、Yの興味のわく所である。
 岩峰を右から巻くように下っていく。
 傾斜も緩くなってきて、台地に近づいていく。
 Grand Canyonの大きさを実感できる場所だ。しかし、Colorado Riverはまだ下なのだ。
 出発から3時間弱で、下部台地に到着する。ここまで来ればもう少しだ。
 このトイレのある休息場から少し下れば、ようやくColorado Riverが見えてくる。やや傾斜も増してくるので、周囲の展望はさえぎられてくる。
 Phantom Ranchの上流の橋、下流の橋がそれぞれ望まれるのだが、近そうでなかなかの高度感はある。
 登りならばつらいであろう斜面を歩き続けると、少しずつ待望の橋が大きく見えてくる。
 そしてようやくブリッジへ!
 このトンネルを抜ければ、Corolado Riverだ。一歩一歩しっかりと橋を歩いていく。
 Coloradoの水を集めた川の流れは、思っていたよりも激しいものであった。そして、水平歩道を歩いて、Phantom Ranchへ歩いていく。
 Colorado Riverの水を触ってみるが、上流にダムもあるせいか、雪解け水という冷たさではなかった。近くには、どこから下ってきたのであろうか、鹿の群れもいた。
 食料庫を積んだMuleも通る。私達の食料を運んでくれて、ありがとう。10分ほど歩けば、いよいよ今日の目的地のPhantom Ranchだ。

 小さなCabinと思いきや、団体さんのキャンセルでもあったのであろうか、巨大なCabinが我々を待っていてくれた。感動!ここまで見事4時間半弱で歩ききったわが子に、拍手を送りたいと思う。

 宿泊者専用の共同シャワーで汗を流して、17:00からのステーキディナーへ。一応一人一切れなのだが、おかわり自由で、食べきれない量を頂くことが出来る。デザートはケーキ。どうやって運んでくるのであろうか、それともここで焼くのか?
 食後はJunior Ranger Bookのお勉強。夕暮れが迫る谷から見上げる夕陽は、格別のものがある。
 日が沈んだ後、疲れて眠るみんなを残して、白ワインを片手にColorado River沿いを散歩してみた。空には満点の星空が私を迎えてくれた。


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