Running (2008.1)


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       今日は雪が降り続く。ゆっくりNew Yearを満喫する。午後から今シーズンの初滑り(そり)。
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       初仕事のはずが、手術は中止となる。まあhigh riskでもあり、懸命な選択なのだが。
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       ここでの仕事納めの日だ。#136 CAD, CABGx5(LITA-LAD,SVG-D1,OM,Cx,RA-PD)、当然のように末梢吻合。大方ラインを抜いて、ボスと手袋ながら握手して、さあ胸を閉めようと思いきや、"Yoshi, come over after the case."、"???(今、握手したやないか?)"、ということで、F病院で#137 CAD, CABGx6(LITA-LAD,SVG-D1,RCA,PD,Cx,Cx-seq)、ここでも末梢吻合。帰宅は23持近く、最後の最後まで充実したローテーションであった。
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       今日からMain clinicに戻ることになった。『ああ、ここはやっぱりArmyだ』、と納得する。朝から実の無いカンファレンスに出席させられる。
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 シフトでは無いのだが、病院へ。その後、Yの初めてのお誕生日会。来て頂いた皆様、ありがとうございました。

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14.0
Jog
   今日も病院へ。やはり自分の患者は自分で見なければ、何をされるかわからない。
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       #138 IE,AR4,CAD,s/p CABG, AVR(CE21),CABGx2(SVG-PD,Cx)、やはり難しい症例が多いのがここの特徴で、いい勉強にはなる。root abscessと思いきや、何も無かったので、単純なAVR。手技は非常に早い(理由はわかっている)。しかしCABGは絶対にDr.Gの方が綺麗だ。 2例目と思いきや、手術歴ありのなかなかの挿管困難のために、手術延期。そのまま当直へ。
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コーディネーター 久々に日本の医療ネタから。依然『たらい回し』との表現を使用している朝日の論調もたいがいだが、"コーディネーター"を医師側から探してきて運営させようというこのアイデアは、昭和20年頃の大本営発表と現実の戦況の乖離に似た、焼け野原間近の末期的状況である。


http://www.asahi.com/health/news/TKY200801060150.html

急患対応に調整役 たらい回し対策 地元医師ら配置 2008年01月07日

 救急患者のたらい回しが起きた時には「調整官」に対応させます――政府は4月から、急患の搬送先の医療機関が見つからず手遅れになるのを防ぐため、搬送先を探して、受け入れを依頼するコーディネーターを全都道府県に置く事業を始める。救急隊の手間を省いて、搬送時間をできるだけ短くする狙いがある。

 コーディネーターには、医療知識に加え、地元事情にも詳しいことが必要なため、地元の医師を充てたい考え。平日の夜間(午後4時ごろ〜翌日午前8時ごろ)と休日(土・日、祝日)をカバーできるようにする。

 実際の運用は各都道府県に委ねるが、例えば、救急隊が五つ以上の病院に受け入れを拒否されたり、病院探しに30分以上かかったりした場合に、コーディネーターが受け入れの依頼に乗り出すことを想定している。

 費用は、1県あたり年約3000万円を見込んでおり、都道府県と国が折半して拠出する。このための厚生労働省の08年度予算案7億円が、すでに昨年末の復活折衝で認められている。

 救急患者の搬送を巡っては、昨年夏に奈良県の妊婦が11病院に受け入れを拒まれた末に死産するなど悲惨な「事件」が起きていた。総務省消防庁の調べでも、06年に産科・周産期の病院に救急搬送された約3万5000件のうち、病院から5回以上受け入れを拒否されたケースが220件あった。


 奈良・姫路・大阪・福島などで"たらい回し"報道がされているが、二次救急の弱体化とともに、それによる三次救急へのトリアージがうまくいっていないことを、如実に示していると思う。近年叫ばれている産科の弱体化は、現在それを支えている産科医の年齢、産科医の減少傾向に全く歯止めがきかない状況を考慮すれば、もう完全に戻れないところまできた(2年以内にお産難民が発生する、または出生数の大幅な減少)ことを感じるが、その流れが救急にまで来た事を感じさせる。多くの医師が感じているようにこの流れは、緊急性を要する科(循環器)や命に関わる科(腫瘍外科・胸部外科)にシフトしていくことであろう。

 以前2007/2/27の日記で昭和19年と平成19年の比較をしたが、これからまだまだ嵐は続いていくことであろう。

昭和19年
1月 イラン、英ソと軍事同盟を結び対日断交。
2月3日 日本軍、第二次アキャブ作戦開始。
2月6日 クェゼリン島の日本軍玉砕。
2月17日 トラック島空襲
2月22日 エニウェトク環礁(ブラウン環礁)の日本軍玉砕
2月26日 日本軍、第二次アキャブ作戦を中止。
3月8日 日本軍、インパール作戦開始。
3月31日 古賀峯一連合艦隊司令長官が殉職(海軍乙事件)。
4月17日 大陸打通作戦。(〜12月10日)
5月25日 日本軍、洛陽占領。
6月15日 米軍、サイパン上陸(サイパンの戦い。7月7日日本軍玉砕、在住日本人1万人死亡)。
6月16日 米軍、中国大陸から北九州へ初空襲。
6月19日 マリアナ沖海戦
7月4日 日本軍、インパール作戦を中止。
7月18日 東條英機内閣総辞職
7月22日 小磯国昭内閣成立
8月2日 テニアン島の日本軍玉砕
8月11日 グアム島の日本軍玉砕
9月11日 米軍、ペリリュー島上陸。(ぺリリュー島の戦い)
10月10日 米軍、沖縄、台湾を空襲(十・十空襲)。
10月12日 台湾沖航空戦
10月20日 米軍、フィリピン・レイテ島に上陸。(レイテ島の戦い)
10月23日 レイテ沖海戦
10月24日 戦艦武蔵沈没(シブヤン海)
10月25日 神風特別攻撃隊、レイテで初攻撃
11月10日 汪兆銘、名古屋で病死。
11月10日 日本軍、桂林、柳州占領。
11月24日 米軍の新型爆撃機B-29、マリアナ諸島より東京を初空襲。
12月7日 東南海地震が発生し、家屋倒壊と津波で1223名が死亡。情報統制によってほとんど報道されない。
12月26日 礼号作戦(ミンドロ島沖海戦)

昭和20年

1月6日 ルソン島の戦い(〜8月15日)
1月13日 三河地震が発生し、家屋倒壊と津波で2306名が死亡。情報統制によってほとんど報道されない。
1月24日 イギリス海軍、スマトラの製油施設を空襲(メリディアン作戦)。
2月 クリミア半島ヤルタで英米ソ首脳会談(ヤルタ会談)。
2月10日 北号作戦
2月18日 硫黄島の戦い(〜3月22日)
3月 イラン・トルコが対日宣戦布告。トルコでは市民が宣戦布告に反対してデモ。
3月3日 米軍、マニラ占領。
3月10日 東京大空襲
3月12日 名古屋大空襲
3月14日 大阪大空襲
3月16日 神戸空襲
3月25日 名古屋大空襲
4月1日 沖縄戦(〜6月23日)
4月5日 ソ連、日本に対して翌年期限切れとなる日ソ中立条約を延長しないと通達。小磯国昭内閣総辞職
4月6日 菊水作戦発令
4月7日 戦艦大和沈没 鈴木貫太郎内閣成立。
4月12日 アメリカ大統領のルーズベルト大統領急逝、後継に副大統領ハリー・S・トルーマン。
4月30日 ドイツ総統ヒトラー自殺。
5月2日 ベルリン防衛軍司令官降伏(ベルリン陥落)。
5月7日 ドイツ大統領カール・デーニッツ無条件降伏を受諾、ナチス・ドイツ滅亡。
5月8日 ドイツ陸海空軍代表がベルリン郊外カールスホルストで降伏文書に調印。
5月16日 ペナン沖海戦
5月29日 横浜大空襲
6月5日 神戸空襲
6月9日 熱田空襲
6月26日 国際連合発足(加盟50カ国)。
7月10日 仙台大空襲
7月14日 函館空襲(〜7月15日)
7月14日 室蘭空襲
7月15日 室蘭艦砲射撃
7月15日 小樽空襲
7月16日 アメリカが原子爆弾の実験に成功し、マンハッタン計画完成。
7月26日 ドイツのポツダムで英米ソ首脳会談、ポツダム宣言発表、日本これを黙殺。
7月28日 米海軍、呉軍港爆撃(呉軍港空襲)
8月6日 米軍、広島に史上初の原子爆弾投下
8月8日 日ソ中立条約を破棄し、ソ連対日宣戦布告、満州国と朝鮮半島に侵攻。(ソ連対日参戦
8月8日 福山大空襲
8月9日 米軍、長崎に原爆投下。御前会議でポツダム宣言の受諾を決定。
8月9日 大湊湾(大湊町)で海戦(大湊空襲)。事実上最後の海戦となる。
8月10日 日本、連合国にポツダム宣言受諾を打電により通告。
8月14日 終戦の詔が出される。中立国に降伏を打診。中ソ友好同盟条約締結。深夜〜15日未明土崎大空襲。
8月15日 日本国民へ玉音放送(終戦の詔)。支那派遣軍と南方軍これに抗議し戦闘続行。鈴木貫太郎内閣総辞職。
8月16日 ソ連軍、南樺太に侵攻開始(28日占領)。大本営、停戦命令を出す。
8月17日 東久邇稔彦内閣成立。天皇、停戦の勅旨。連合国の許可を得て皇族をサイゴン・シンガポール・南京・北京・新京に派遣し、勅旨を伝える。
8月18日 インドのチャンドラ・ボース、台湾で飛行機事故死。
8月18日 ソ連軍、千島列島の占守島に侵攻。
8月19日 フィリピン・ルソン島の日本軍部隊、停戦命令を受領。関東軍とソ連極東軍が停戦交渉開始。
8月20日 樺太で真岡郵便電信局事件が起こる。
8月21日 占守島の日ソ両軍、停戦する。
8月22日 小笠原丸撃沈。
8月25日 ソ連軍、千島列島の松輪島を占領。
8月26日 満州での戦闘が終わる。
8月28日 ソ連軍、千島列島の択捉島を占領。
8月29日 ソ連軍、千島列島のウルップ島を占領。
8月29日 米軍第一陣150名が横浜に上陸。
8月30日 連合軍最高司令官マッカーサー、厚木飛行場に到着。
9月1日 ソ連軍、千島列島の国後島・歯舞諸島を占領。
9月2日 降伏文書調印、太平洋戦争終結。
9月3日 ソ連・中国にとっての対日勝利の日。ルソン島の日本軍降伏。
9月5日 ソ連軍、千島列島の色丹島を占領。ソ連軍が北方四島の占領を完了。関東軍首脳部がハバロフスクへ移動、後に57万人がシベリア抑留となる。
9月中旬 中国大陸の中国派遣軍降伏。 9月9日、中国派遣軍を代表する岡村寧次が以下の内容の降伏文書に南京で署名した。image
10月15日 本土の日本軍、武装解除完了。

 私なら絶対に開けているBleeder症例を、Dr.Sの無理なObservationのために、夜中までつきあいをさせられる。典型的な、"早く開ければ良かった症例"だった。さてCCFの当直だが、2Floor(=48ベッド)+3ICU(=36ベッド)を見るので、一睡もすることは難しい。久々の当直で体に応えるが、翌日が休みというのがそれを可能にしている。確かに日本での当直は寝当直も多いのだが、しかし帰国後は当直翌日は働くことが出来ない体になっているのではないだろうか。
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       #139 CAD, CABGx4(LITA-LAD,RA-OM,SVG-D1,PD)、うちのチームはそれ程でもないのだが、同僚の休暇のためDr.Pチームのfloor patientもカバーしているので、いっぱいいっぱい。
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       #140 AS,CHF,AVR(CE21)、#141 IE(MRSA),MR4,CAD, MVR(B31),CABGx1(SVG-LAD)、2症例ともどろどろICU漬けになりそうな症例。
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       #142 AS,CAD, AVR(CE23),CABGx4(LITA-LAD,LRA-Cx,SVG-D1,PD)、2例目はICU満床のため、手術延期。最近ICUのこげつきが多く、方々へPt.が疎開に出されている凄い状況だ(Cardiac ICUで見るべき患者を、一時的に他の科のICUでみる)。今日も当直。
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10.0
Jog
   回診、レクチャー。スキーの手入れ。ご近所ラン。モーグルのイメージ筋トレ。
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救急崩壊講座 最近、全国で救急搬送問題が取り上げられているが、素人にもわかりやすいようにその原因を解説したい。

1、 医師不足 確かに救急部を持つ病院が増えてはきているのだが、まだまだそれ自体で診断治療までを完結できる病院は少ない。そうなると、おのずからそれぞれの疾患に合わせた診療科のスタッフの応援を仰ぐこととなる。お昼の時間帯ならば何とかなろうが、しかし夜間になれば、全科夜勤体制をしいているのは本当に数少ない病院だけであろう。

2、勤務体系 全国で行われている医師の『当直』であるが、これは重症患者を見ることを前提としていない、軽労働であると労働基準法では定められている。そのため、『当直』の名のもとに、場所によってはローソン並みの賃金と、翌日の勤務が平然となされているのである。しかし実際のところは、『医師の応酬義務』に甘えた、医師側の奉仕によって、当直とは名ばかりの『夜勤』がなされているのが現状である。当直翌日のオフ、それに見合った給料体系にすることは、労働基準法に照らし合わせても明らかである。

3、訴訟 加古川心筋梗塞訴訟という有名な判決が下った。その要旨であるが、救急という看板を掲げる以上は、どんな疾患であれ、専門医並みの治療が求められる。そうでないならば、救急を受けること自体が、時間の浪費につながり、患者の不利益になるものであるのだ。裁判で前例が出た以上、重症患者は診察することは出来ないのである。


4、給料 大学教授クラスでも、年収は1,000万円程度である。大学の医員ならば、年収300万くらいもざら。

5、税金 最近問題になっているのが、『当直』時の給料に対する課税だ。雇用側は『当直』にあたるのだから、『当直』に見合った給料体系を出している。この当直には、税の優遇措置が与えられているのだ。しかし税務署側から見れば、実際は『夜勤』並みの仕事をしているのだから、この『当直』給料に対して課税を行うのは当然である、との認識で、最近追徴課税を行う税務署が増えている。

6、刑事裁判 医療事故に対して、最近刑事が介入してくることが増加している。医療とは予測の難しい不確実なものである。それに対して白黒をつける日本の司法は間違っているように思う。

7、マスメディア 医療問題の根底に広がる原因を分析しているメディアがあるだろうか? 現時点では、全く無いであろう。

8、国民 水にはお金を払うのに、医療にはお金を払わない。権利意識の暴走した国民には、医療というサービスに対する認識が、極めて幼稚であるように思う。

9、医師のモチベーション 今まで救急医療というものは、患者を助けたいという医師側の奉仕によって成り立っていたというのが現実である。それが、上記の原因などによって崩壊しているのが現状である。

 回診、お昼過ぎからYとスキー。

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       #143 ICD wire infection, extraction of the RV wire(CPB)、今日から本来のClevelandらしく冷え込んできた。
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      人間の死亡率100% 今日は救急をやっておられる先生のブログの紹介。現在の医療崩壊を、『日本人の死生観』にまで踏み込んだ先生の解釈は、私も大いに共感できる点である。是非、ご一読を。
http://blog.so-net.ne.jp/case-report-by-ERP/20080116

 #144 CAD, CABGx4(LITA-LAD,SVG-PD,Cx,D1)
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       #145 CAD,MR, CABGx3(LITA-LAD,SVG-PD,Cx),MAP(C28)
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あれから13年 もう13年前のことなのか、、、というのが実感である。震災の前日、建築中の明石大橋を淡路側から見た思い出、震災当日次々と運ばれる患者の治療・手術に明け暮れた一日、海をはさんでブルーシートで青く染まった神戸・明石の町並み、震災1週間後に奇跡的にフェリーで神戸を訪れた時の驚き、、、。山と海に囲まれた美しい町、私のHome Town神戸。

 あの頃、淡路島には一軒しか24時間コンビニが無かった。それが今や歩けばどこにでもコンビニに辿り着くことが出来る。昼間中心の社会から、24時間休みことの無い社会に移行していった時期でもあろう。そして、全てが不夜城になっていくように、あの頃とは比べ物にならないくらい、医療に対する一般の欲求も増加していることを感じる。世間では、病院もコンビニのようなものと思ってるふしが無いだろうか。もしそれが理想であったとしても、それだけの欲求に対して、それだけのサービスを提供できるくらい、日本の医療は成長したであろうか、いや否であろう。この13年で医師の労働環境改善に何か変化があったであろうか、いや否であろう。

 さて私はといえば、どうであろうか? この13年間で一人前の心臓外科医になったのであろうか? 外科医としての残りの人生は無限では無い。一寸先は闇の日本の医療情勢だが、そろそろ先を見据えて方向を決めていかなければいけないであろう。


 #146 CAD, CABGx5(LITA-LAD,SVG-PDseq,Cx1,Cx2,D1) 
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       #147 MSR,ASR,TR,s/p MVR,PMI, AVP,reMVR(S25),TAP(C28)、CABGよりも、こういったもっとややこしいvalve症例などを経験していかなければいけない。
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       スキー休暇1日目。
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 スキー休暇2日目。

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       スキー休暇3日目。一番の成果は、Yが一人で滑れるようになったこと。
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       休み明けはつらい。#148 CAD, OPCABG(LIMA-LAD,SVG-PD,OM)、そのまま当直へ突入。
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       当直明けだが、データ整理など。そして車のオイル交換。 
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       #149 CAD, OPCABG(LIMA-LAD,fRIMA-Cx)、#150 CAD, CABGx4(LIMA-LAD,SVG-PD,Cx,D1)、CABGよりもValveが見たい、というのが本音だ。
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       #151 AD-I, Replacement of the AA、400 lb, 27歳の驚きの症例、#152 CAD,ENRD,HD s/p CABGx2(LITA-LAD,SVG-Cx patent), CABGx3(SVG-RCA,Cx,D1)、#153 AD-I, Replacement of the AA、一週間前に頭痛でED受診(胸痛無し)、頭部CTで何も無しで帰宅、1週間後に手がしびれるということで再来、胸部CTでひっかけてきた。これはかなり厳しい地雷だな。
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       昨日の緊急で午前様だったので、疲れて動けず。夕方から家の大改造計画に入る。
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      誰が悪い?

症例1、95歳、女性、胸痛

救急搬送:11病院で受け入れ断り95歳死亡 東京・清瀬

 東京都清瀬市で今月8日夜、自宅で具合が悪くなった無職の女性(95)を清瀬消防署が救急搬送中、近隣の11病院から「満床で対応できない」などと受け入れを断られ、通報から約2時間半後に死亡していたことが22日、分かった。


 東京消防庁などによると、8日午後9時半ごろ、女性が「胸が痛い」と訴え、同居の長男(50)が119番通報。約3分後に救急隊が駆けつけ、東京消防庁本部と協力しながら搬送先を探したが「処置困難」「患者でいっぱい」などと断られ続けた。約30分後、12番目の清瀬市内の病院が女性を受け入れて応急処置したが、午後11時55分ごろ、徐脈性不整脈で死亡した。女性は心臓に持病があったという。

 受け入れを断った病院の中には、生命に危険のある患者を処置する3次救急医療施設も含まれていた。公立昭和病院(東京都小平市)もその一つ。総務課によると、病院では夜間と休日、循環器集中治療室(CCU)など7科で医師が1人ずつ当直している。女性の受け入れ要請時、CCUで心不全の女性の処置中だった。「順番を待てば命にかかわる」と判断し、他の病院への搬送を求めたという。

 同課は当直体制をとる医局の医師不足などを挙げ「受け入れたくても受け入れられない状況がある」と説明する。

 長男は「まさか自分の身に降りかかるとは思っていなかった。関西などで問題になっているのに連携体制は全く改善されていない」と話している。【酒井祥宏】

症例2、59歳、男性、頭部打撲

暴行され受診、帰宅し9日後死亡 警視庁、病院から聴取 2007年12月03日10時53分

 建設現場で作業員男性をけって死なせたとして、警視庁は3日、建築会社長の男を傷害致死の疑いで逮捕した。男性は直後に東京都墨田区の都立墨東病院で受診したがそのまま帰宅し、その後容体が急変し、9日後に死亡している。同庁は担当医師らから事情を聴くなどして、病院側の対応についても調べている。

 捜査1課などの調べでは、男は千葉県市川市南大野1丁目の鎌倉孝之容疑者(28)。10月22日午後4時ごろ、中央区勝どき6丁目の工事現場で、作業員佐藤実さん(59)=江東区大島8丁目=の頭をヘルメットの上から安全靴でけりあげ、死亡させた疑い。容疑を認めているという。

 調べや墨東病院によると、佐藤さんはその夜、自ら通院。「頭を靴でたたかれ、痛い」と訴え、CTスキャンやエックス線検査を受けた。数日後、皮膚の病気で別の病院に入院した後、容体が急変。29日朝に墨東病院に搬送され、脳の血腫を取り除く手術を受けたが、31日未明死亡した。

 同病院によると、22日の来院時、救急診療科の男性医師2人が診察。医師らは「血腫はなく特段の問題はない」と判断し、頭部を打った際の注意を記した紙を渡して帰宅させたという。同病院は「結果的に亡くなったことは残念。警察の調査を待ちたい」と話している。

これの後追い記事
「血腫見落とし」、過失は認めず 墨東病院、帰宅後死亡 2008年01月29日01時10分


 頭をけられた男性が東京都墨田区の都立墨東病院で診察を受けて帰宅した後、容体が急変し死亡した事件で、警視庁は28日、診察したいずれも31歳の男性研修医2人について「脳の血腫の見落としはあったが、たとえ入院させていても救命は非常に難しく、医療行為上の過失は認められない」と判断したと発表。書類を東京地検に送った。

 死亡したのは江東区大島8丁目、作業員佐藤実さん(59)。捜査1課などの調べでは、医師2人は昨年10月22日夜、佐藤さんの頭部のエックス線検査で急性硬膜下血腫の所見を見落とし、帰宅させた。1週間後に再出血し同病院に入院したが、同月31日死亡した。

症例3、89歳、女性、嘔吐

大阪の89歳女性、30病院たらい回しで死亡 [2007年12月28日11時33分]

 大阪府富田林市で25日未明、体調不良を訴えて救急搬送された女性(89)が、大阪府内の30病院に相次いで受け入れを断られ、約2時間後に、市外の病院に運ばれて死亡していたことが28日分かった。

 同様な例は兵庫県姫路市や福島市でも起きており、総務省消防庁が対応を検討し始めたばかり。富田林市消防本部は「努力したが命を救えず残念だ」と話している。

 同消防本部によると、女性は24日夕に嘔吐(おうと)するなど体調不良となり、25日午前4時49分に家族が119番。約8分後に救急隊が到着した際は意識があった。酸素吸入しながら受け入れ可能な病院を探したが見つからず、救急車内で心肺停止状態に。

 その後、1度は断った大阪府河内長野市の大阪南医療センターが受け入れを決め、午前6時40分に搬送されたが死亡が確認された。

 受け入れを断ったのは、大阪市や堺市など近隣の30病院。通信指令室などを通じ計35回要請したが「ベッドに空きがない」「急患がいて対応できない」などの理由で拒否された。

 消防庁は受け入れ拒否の病院数について「10病院でも多いぐらい。まれなケースだ」と指摘。同消防本部は「医師不足などのしわ寄せが救急現場に押し寄せているのでは」としている。

症例4、88歳、女性、熱傷

宮城・やけど女性死亡「現場に30分不適切」専門家ら指摘

 宮城県蔵王町平沢で6日夜に無職山家タマコさん(88)方が全焼し、山家さんが全身やけどで8日に死亡した火事で、救急搬送の際に受け入れ先が決まらず、病院収容に時間を要したことについて、熱傷の専門医は「現場近くの病院で点滴を受けてから、仙台市内の病院に搬送することも考えられた」としている。

 山家さんを搬送した救急車は、収容先が決まるまで現場に約30分とどまった。高度救急医療が必要と判断した地元の2病院と、別の重傷患者を治療中の東北大病院(仙台市)では受け入れられず、仙台市立病院に運ばれたのは火災発生から約1時間半後だった。

 日本熱傷学会認定医の遠藤重厚岩手医大高度救命救急センター長は「重度のやけど治療では、30分から一時間以内に十分な点滴をすることが理想」とした上で、「救急車が現場に30分とどまったのは必ずしも適切と言えない。近くの病院で点滴の応急処置と呼吸管理を行い、それから仙台の病院に搬送する選択肢もあった」と指摘する。

 仙南地域広域行政事務組合消防本部(大河原町)は「地元2病院に指示を仰ぎ、可能な限り迅速に対応したと考えている。しっかりと検証し、仙南の医師や行政とも協議して今後に生かしたい」としている。

 危機的状況にまで崩壊させた産婦人科に続く次のターゲットは、救急なのであろう。救急体制そのものを問題視しているのであれば、もっと物事の根底から取材しなければいけないであろう。『誰が悪い→医師が悪い』、の構図の基に繰り出されるこれらのニュースの先に見えるのは、焼け野原でしかないであろう。人間の死亡率は100%である。どの症例もかなり厳しい状況であることは、医師であれば納得できるものである。しかし、死を受け入れられない駄々っ子が、医療サイドに八つ当たりをしているようにしか私には見えない。

 昨日からのごたごたで睡眠不足、待望のYの勉強部屋が出来る。
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 STSの学会で、Metroのバックアップ、けれど手術は延期となる。事務作業に追われる。

1/29
      State of the Union 昨日は、大統領の『一般教書演説』の日であった。2006.1の日記にも一度書いたことがあるが、なかなか見ごたえのある"Show"である。日本のメディアにも少し紹介されているようだが、そこには紹介されていない、私の目と耳から感じた印象を幾つか。

1、Clinton(皆保険導入論者)との比較になるのであろうが、医療費については一切介入せず、市場原理に任せると明言していた。
2、2007.11の日記にも紹介した山中先生の仕事だが、大統領の口からこの技術の重要さが述べられた(Yamanakaとは言わなかったが)。アメリカではこの盛り上がりだが、どれだけ日本でこの研究の重要性が認識されているのであろうか。
3、エネルギー問題に関しては、かなり強調していたが、消費を減らすという方向ではなく、いかに供給を維持させるか・増加させるかということに重点がおかれているように感じた。
4、Obama氏は大統領と握手をしたのに対して、Clinton氏はせず。これだけでも2人の政治姿勢がわかるような気がした。

 MM conference、#154 AR(severe), AVR(CE23)、さらのおいしい症例だったが、こういった単純なケースではなく、もっと複雑な症例を欲している自分がいることに気がつく。
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       #155 AS,CAD,s/p CABG(LITA-LAD,SVG-Cx,PD:patent), AVR(CE21)、それ程難しくは無いRedoであった。明日からCCFに戻るので、ざっと回診する。おいおい、ちゃんと診とったんかいな。
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       #156 CAD, CABGx4(LITA-LAD,SVG-PD,Cx,D1)、#157 CAD, CABGx4(LITA-LAD,SVG-PD,Cx,D1)、こうすればああなるといういい勉強をさせてもらえた。
 
 
24.0
     21例/月と、何とも少ない月であった。

1、Surgery Valve関係の手術は、いい勉強になった。また、これをしちゃいけない、のいい勉強になった。AVP含めて、AVに関しては自分の形が出来たと思う。もっとMitralを。

2、学術活動 かなりいけていないのを自覚しているのだが、体力的についていけない。いかに手を抜いて、こちらに力を持っていくかが課題だ。

3、Running かなり停滞中。日が極端に短いのと、外が寒すぎるため。地下のある家(トレッドミルが必要!)に引越しをしたくなってきた。

4、Private 1月の休暇では、うまくスキーの力を引き出せてやれたと思う。また2月の休みで、何かしらの刺激を与えていこうと思う。

5、日本の医療 帰国を考える自分もいるのだが、とんでもない方向に突き進む日本もそこにある。


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