Running (2007.2)


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2/1
      'Dracula of Medical Technology' 古いネタで申し訳ないが、人工心臓領域では有名なDr.Jarvikを批評する記事をみつけたので、紹介する。いつも学会では毒舌を放ち、以前私の発表でもわけのわからんコメントを残して会場の失笑をかっていたのだが、なるほど個性的な性格の背景がこうも批評されるのかと勉強になる。私のコメントはこれぐらいにして、よろしければ一読を。

http://www.msnbc.msn.com/id/16039753/

 RVAD flowが落ちてきたので、急遽Autopsyとする。研究には山あり谷あり、うまくいかないことも多いのだが、このプロセスは一つの楽しみでもある。
 96/96問。今日から、単語帳に作ったCCS 100症例を、肌身離さずちょっとした移動時間を使ってでも勉強することとする。ところで、日本で見かける暗記カードって、アメリカで見ないと思いません?
2/2
     

Global Warming 以前から私のアメリカでの世論を感じ取れるアンテナの一つとして、NPR News (http://www.npr.org = 全国放送のラジオで、hearingの練習にも重宝する)が存在するのだが、2日連続で地球温暖化について取り上げていた。京都議定書に反対したアメリカであるが、折りしもこの季節にFloridaにTornadoがTouch downしたこともあり、最近ではアメリカ人の誰もが気候の変化を感じ取っているのではないだろうか?

 また数日前は、代替エネルギーとしてのとうもろこし→アルコール燃料の話題を、環境問題からだけではなく、経済的側面から(とうもろこし市場の高騰など)も、取り上げていた。ニュースによると、今年はここOhioでもアルコール燃料用に多くのとうもろこしが作付けされるそうだ。というのも、ブラジルでは一般的となっているガソリンとアルコールの混合燃料供給が、アメリカでも進んでいくという計画であるそうだ。そういった(ガソリンでも混合燃料でも走れる)コンセプトの車も、実際に既に多く市場に出回っており、あと5年もすれば混合燃料ガススタが一般的となるかもしれない。

 
現在のアメリカでは、Medicaid, Medicareも戦争と並んで大きな問題の一つであるが、エネルギー問題も大きな課題である。そして、これらをうまく解決出来そうな人が、大統領選挙を勝ち抜くのであろう。

 148+CCS7/251問。これとは別に単語帳も開始、信号待ちにも便利だ。

2/3
       寝違えた(そり?)影響で首が回らなくなって難渋する。痛みに耐えて100+CCS11/362問。毎日寝不足が続いており、なかなか疲れがとれないのだが、晴れて深酒する日を夢見て一問ずつこなしていこう。
 今日はサーバーの本格的な引越し。たかが200MBなのだが、写真一枚が8K-10Kなので、恐らく10,000枚以上の写真の引越しとなる。一枚1秒としても3時間、DSLなので数時間もかけてアップロードしたが、よくぞここまで大きくなったものだと、我ながら感心してしまう。今回のサーバーは2GBまで(ちなみに\200/月)使用可能だが、どこまで増えるであろうか。
2/4
     

$2.9 trillion 日本の『万億兆』の計算に慣れてしまっている我々には、なかなかアメリカのお金の計算には難渋することが多い。$100K(thousand) = 一千万円、$million = 一億円、ここまでは私でも何とかなる。しかし、$billion (= 一千億円), $trillion (= 百兆円)??? アメリカでも国家予算の審議が始まるが、今後も軍事費の突出は避けられないようで、今後最低でも$2.9 trillionのお金を軍事費につぎ込むということで、世間の注目を浴びている。(ちなみにアメリカの国家予算はおおざっぱに二百兆円くらい、日本は80兆円。)

 その財源であるが、これだけお金を出すということで、いろいろなところを絞っていかなければいけない。その一つが
大きな社会問題化しているMeicare, Medicaidだ。その絞り方も5年間で10兆円という大きなもので、戦争に嫌気がしているアメリカ人にとっては、厳しい予算方針であると言えよう。今後Republicanが政治をコントロールしていくということであれば、低所得者に対するアメリカの医療情勢は、かなり厳しいものになっていくものであろう。

 日本もアメリカ同様に医療費削減を行っているのだが、しかし大きな違いは、日本は医療費自体(保険点数)をを政府がコントロールしているのに対して、アメリカは完全に"out of control"である。この予算案がもし通った場合、アメリカの医療はまたかなり危険な状態に突入すると認識した方がいだろう。(命は金次第ということ。)ただし、高齢化社会を迎えているアメリカでは、どこかで『命の値段』を決めなければいけないのであるが。

 こういった方針に対してのアメリカ国民の対応を見る限り、次の大統領選挙で民主党が勝利する可能性は高く、アメリカ初の女性大統領がますます現実味を帯びてくるかもしれない。

 冷え込みの続くClevelandだが、とうとう今朝の気温は0Fを記録した。スーパーボール。150/512問。

2/5
     

医療の値段・訴訟の値段 戦後、日本の医学は格段に進歩した。日本人の平均寿命も世界トップクラスとなり、ややもすると皆が生きている・生かされていることのありがたみを忘れてしまった時、それと同時に、ここまでの水準にまでに至った医療技術革新についても忘れてしまったのではないだろうか?

 救急体制・採血検査・画像診断・癌検診・低侵襲手術、、、全てには材料費・人件費・減価償却費を含めて多額のコストがかかっている。しかし日本では幸せなことに、世界でもトップクラスの安い値段で医療を受けることが出来る。

 最近、M3という医療者向けのサイトに登録したため、医療裁判関係のニュースを多く読む機会が増えてきた。訴訟自体の数は横ばいだと認識しているが、我々医師側からすると、驚くべき判決が多くあることに気づかされる。例えば、採決に伴う神経症状に対する訴訟では、1,000万円以上の支払い金が命令されてしまったり、死亡に至ってしまった場合などには、億単位のお金がとびかってしまう。また『学会』に入っていないということだけで、『標準的な治療』が得られなかったとして、9,400万円の請求→1,000万円の判決も見られる。し
かし、これら訴訟に対しての賠償金はいったい誰が払うべきなのだろうか?

 日本の場合、勤務医の場合はその安い給料のために支払い能力は全く無い。そのため、多くの訴訟で『病院=特に公立病院』を訴えているのだが、それだけのお金を支払うぐらいに公立病院では利益をあげているのであろうか? 否である。保険診療を原則としており、それも削減方向にある。訴訟による赤字は、結局は地方自治体がかぶることとなる。つまりは住民税を上げるなどして対応することとなる。

 医療は不確実である。100%を求めて、うまくいかなかった全ての症例に対して訴訟を起こすのであれば、やはり『訴訟対策費』を税金としてなり医療の窓口でなり徴収しなければ、全く割りの合わない話となってしまう。もしもそれを医師に負わせるということであれば、逃散あるのみである。

 現在クリーブランドに、募金を募って肝移植のために来日されている方がおられるのだが、クリニックに支払った前払い金は4,500万円だとか。これら医療にかかるお金を考えた場合、いろいろなことを考えさせられてしまう。

 100 + CCS18/630問。

2/6
       Grantのdraft、100 + CCS5/735問。外は冷え込みが続き、日中でも2日続けてのSingle digit(一ケタ台の気温=マイナス15℃くらい)と 低湿度・風による体感気温マイナス20℃以下ということで、学校はお休み。みんなで出勤して、YはOfficeでおとなしくしてくれる。Meetingにも同席して、動く心臓とLVADのVideoにえらい興味を示していた。パパのやっている仕事がわかってきただろうか?
2/7
      HPV Vaccine 今週のニュースの一つが、TexasでHPVワクチンの使用が開始されたというものだ。子宮頸癌の原因として知られているウイルスに対するワクチンだが、アメリカ的だと思われるのがそのコストに関する論議だ。

http://blogcritics.org/archives/2007/02/07/062008.php
To have an idea of how expensive $120 per vaccine is, consider the following CDC list of vaccine costs, per dose, in 2007: Diptheria/Tetanus/Pertussis: $12.25; Hepatitis B: $26.25; Hepatitis A: $35.57; Mumps/Measles/Rubella: $17.28; Varicella (chickenpox): $56.90.


 ちなみに、3回の摂取が必要なので、合計$360となる。NPR newsでもコストに対する討論を取り扱っていたが、この他のワクチンの値段ともあわせて考えてみると興味深い話題だ。

 Heart Transplantの実験お手伝い、ClinicalのDr.Nのカストロのラッチェットの使い方が勉強になった。(でもグラブのSize 8は大きすぎ、小児には向かない手だよ。)
 ようやくStep 3の受験許可E-mailが届く。Step 3はStep 1, 2と異なり、オレンジ色の召集令状は来ないそうだ。電話で申し込む必要があるとのこと。いつにしようか、出来れば日曜日を間に挟みたいところだ。150 + CCS14/899問。CCSはある種のゲーム感覚、これでFirst Aidの100問を一通りおさえた。ここからはひたすら暗記メモで練習して、次にUW CCS 88へ。実践練習は、USNLE 123が一番いいようだ。
2/8
     

Total Artificial Heart 人類アポロ計画の頃から続くTAH開発だが、なかなか理想的なDeviceが開発されていないのが実情だ。全米で治検の行われたAbiocorは別にして、Berlin HeartにしろAbiomedにしろ、Pneumatic pumpという基本的な構造から抜け出せていないのが実情である。

 一方でRotally Blood Pumpの昨今の開発には、目を見張るものがある。この小型の抗血栓性にも優れたポンプを、TAHへ応用することは、多くの先人が挑戦してきたことであるが、調節の難しいRotally Blood Pumpを用いてRight - Left Balanceをとること、Suction Effectをコントロールすることが長年の課題であった。しかし、それを克服出来る可能性のあるポンプが、臨床に出回る日が近いのかもしれない。


 Pulsatile TAH, Non-pulsatile TAHの開発の両方に関わり、それぞれNIHに応募している我々であるが、時代はNon-pulsatile TAHを欲しているのだということを確認させられた一日であった。Congratulation!! いいポンプがここClevelandから世に送り出されますよ、みなさん。


 RVAD初めての右開胸アプローチ、右からMPAへの吻合は、、、やはり難しい。自分の持っていたイメージとやや異なるInflow implantationだった。Optimal angleとdepthがわからない。

 50/949問。ムチを入れろ!
2/9
     

CEO Dr. Cosgrove 心臓外科医ならば誰でも知っているCosgroveという名前だと思うが、地元のメディアに対するインタビューを、以下のサイトで見ることが出来る。

http://www.cleveland.com/news/pdvideo/flash/index.ssf?ontherecord_021407video

 CEOになってから手術数を減らしていたのだが、とうとう手術の第一線からは退き、CEOとしての仕事に専念するそうだ。こんな大きな施設は日本でも見たことがないが、この従業員30,000人を擁する"Economic Engine"を社会の中でこれからも活かしていって欲しいと思う。


国会予算委員会  今日は上記のニュースだけを書こうと思っていたが、これを見てしまったら、どうしても皆さんに紹介したくて書き加えることとした。三流のテレビドラマなんかよりもよっぽど見ごたえがあります。何だか吉本を見ているようで、仲良し閣僚はぼけまっくており突っ込みどころ満載です(見る価値無しとも言えるが、、、)。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=33330&media_
type=wb&lang=j&spkid=153&time=01:09:30.7

 私は、えだの議員はしっかりと医療について勉強して、野党という立場からしっかりと問いかけていると思うのだが、厚生労働大臣・首相の答弁はあまりにも現実を見ていないものであるように感じた。以前、横浜市大の奥田先生が現役産婦人科医の激務について発言されたことがあるが、いったい国会の中では今の現状をいかにとらえているのであろうかと疑問に思う。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=30370&media_
type=wb&lang=j&spkid=13548&time=01:06:46.6


 さて、投げられた石がどう返ってくるのか? 立て板に水という印象がぬぐえないのだが、産婦人科の医療情勢はもう一刻を争う状態になってきていると認識している。この投げられた石に対しても、『来年度に、、、』などと対応が後手後手になるようでは、日本の医療にはもう未来は無い様に思う。

後日談:これも非常に驚いたことだが、これだけ見当はずれの答弁をしている内容については、全くメディアは報道していないのである。


   今朝Prometricに電話して、試験日を決定する。3/10と3/12の希望予定だが、近郊は人気があるのか予約は一杯だということ。いろいろと探してもらって、Step 1を受験した時と同じ会場を予約した。Stowに始まり、Stowで終わりたいものだ。試験問題とあわせて、10,000問が妥当なところか。現在までにStep 3の勉強7,008問、Total 23,028問。
 今日はAPR(= Annual Professional Review)、昨年は少し緊張したのだが、今年は去ることがほぼ決まっているので、のんびりとした会話に終始した。"Biomedical Engineering"の醍醐味は、新しいアイデアで新しい機械を作り、それを医療の世界に生かしていくことだが、残念ながらCCF General SurgeryとBMEのつながりは全く無い。今後私の『ものづくり』の経験を、いろいろな場所で活かしていければいいと思う。
 Cの試験前なので、こちらに負担がシフトしてきた。50/999問しかできず。
2/10
       朝勉の後、Yの誕生日会のためにBotanical Gardenへ、Yをドロップした後クリニックへ。ウシの世話と問題をこなす。疲れがたまっているのか100/1,099問しか出来なかった。
2/11
     

医療の値段(体験談) 日本の医療の問題をいろいろと述べてきたこの日記だが、日本が見習おうとしている(?)アメリカの医療を経験することが出来たので、ここに報告したい。

症例:頭部外傷(意識清明、頭痛、吐き気、嘔吐)→経過観察入院一泊コース

 日曜日の夕方に受傷、救急車でTrauma CenterにNeck guardをつけて搬送される。救急車内でライン確保される(肘にされたが、技術は未熟)。その際に、簡単な血液検査がされた模様(?)。救急車内は少なくとも4人で、上級レベルのスタッフが診察・指示を出していた。

 搬送後、採血検査、診察、頭部CT、頸部CT、観察室へ。ここはナースステーションの周りに、重症ベッドが15以上並んでいる。夜の7時過ぎだというのに、看護士は20人ぐらい、事務の方もしっかりと理解している人が1人いて、的確に個人情報をコンピューターに入力していく。じきにCT検査の結果がPCに送られてくる。

 ここでD.O.(Doctor of Osteopathy)が出てきて、CTを見せてくれる。もちろん読影はM.D.も行いお墨付きが出ている。(注:DOは全米の医師の6%であり、手術・投薬もすることが出来る。専門性のあるMDとは異なり、Prevention, Diagnosis, Treatmentなどを受け持っている。MDとの詳しい違いについては、私も勉強が必要である。)問題無しということで、早速帰れコール、しかし歩くのもおぼつかないので、一泊経過観察入院となる。

 2人部屋に運ばれ、一晩点滴、朝食は入院食が出るが、希望があればお好みのメニューはオーダー可能。新聞配達あり。夜のナース、朝のナース、そしてここで初めてMDが登場、体をふくおばちゃん、そうじのおじちゃんも登場する。そしてお昼前に退院。

CT Scan....................................$2,461.67
Emergency Services..............$2,178.76
Laboratory...............................$1,238.04
Observation Room....................$970.44
Trauma Response..................$1,500.00

合計.............................................$8,348.91

 さて支払いであるが、私はCleveland ClinicのStaff Insuranceに入っているので、基本的には保険会社の指定する病院であれば、100%サポートしてくれるはずである。旅行先で病気になった場合は、大変である。ちなみに私の払っている保険料は、年間$105.12である。(Medicare, Medicaidなどは別に払っている。)

 これが普通の民間の会社の場合、一般的には$100/month以上の保険料となる。しかしここには落とし穴があって、$10,000までは自己負担、それ以上を保険会社が出すというというシステムもあり、上記の我々のケースの場合には最悪全額負担ということになる。

 我々の場合、日本では税金やらなんやらで一人年間$10,000は軽く払っていたが、個人個人の負担としたら現在の方がかなり負担は少ない事になると思う。しかし、もしも無職となった場合には、かなり命の安売りをしなければいけないであろう。一方、日本のニートと呼ばれる人達は、$1,000/monthを超える生活保護を受けながら、タバコも吸い、無料で医療も受けることが出来る。

 国民にとってはどちらのシステムがいいかは、議論のあるところであるが、とりあえずまじめに働いてしっかりと健康管理をしている私にとっては、ここアメリカの医療は心地よいものであるかもしれない。日本の医師の場合、退職金が微々たるものであるとともに、年金もほとんど期待できないために、尚更であろう。(しかし、、、改めてアメリカの医療は高いね〜。)

 150/1,249問、コンスタントに65%以上とれるようになった。最近、Matchに関したBad dreamを見るようになった。ぐっすり眠りたい。

2/12
     

兵庫県ドミノ倒し−北の崩壊− 12/8の日記でも書いたことだが、兵庫県が県北部を支えてもらおうと画策していた公立豊岡病院で、この3月から小児科勤務医が3人になるということだ。

http://iseki77.blog65.fc2.com/blog-entry-776.html

 ここはNICUも有する地域の拠点で、私も多くの重症心臓病の患児を紹介して頂いた。3人になるということは、NICUを見ながら小児救急もこなすという当直で(違法です)、事実上3日に一回全く寝ずの当直が続く。がむしゃらに働ける30台のばりばりのモチベーションの持った医師3人ならば可能であるが、事実上診療制限をしなければ過労死の恐れが出てくるレベルである。このまま小児科・NICUが崩壊すれば、そのまま産科医療の崩壊につながる。

 兵庫県全体での産科・小児救急を受けようと思ったら、姫路・神戸まで南下しなければいけないこの状況は、極めて極めて異常である。これも『ネットワーク化』で乗り切りますか?

注:『ネットワーク化』という言葉は、痴呆が入った厚生労働大臣の予算委員会での答弁で、繰り返し使用された言葉である。


 いよいよCのCSA、ダブル・ダブルライセンスへの道、きっとうまくいくでしょう。RVADは調子いいのだが、ちょっとTransplantが悪すぎ。屍の山を見ると、悲しくなってくる。Yと2人で夕食をとる。すやすやと寝てくれて助かる。100/1,349問。一般問題は問題なく解けるようになってきたので、維持療法を行いながらCSSに比重を持っていくこと。
2/13
       この冬最大のWinter Stormで、今日は雪がしんしんと降り続く。当然のことながら、CはChicagoで足止め。AがFirst Nameの論文を、真剣に書く。今日もYはご飯の後、すやすや寝てくれた。

 11日間でQ bank終了。98/1,447問。寒いので、何故かお酒が飲みたくなる。アルコールは決して嫌いではなく、実は大好きなのだが、一ヶ月半、口にしていない。あと1ヶ月の辛抱、このゲームも終わりが近づいてきた。

 Q book = 61%、UW = 52% (* 1.46 = 76)、Q bank = 64% (* 1.292 = 83) (内はUSMLE Forumでの予想点数掛け算係数) この中では一番UWが人気があるようだ。とにかく読むスピードを維持すること。日本語だったら、どれだけ簡単か!
・ Crush復習
・ USMLE 123 MCQ 528
・ 最低50/dayのMCQ読みなれ
・ UW CCS 88
・ USMLE 123 CCS 40
 以上、試験前にこれら課題をこなすこと。
2/14
      US vs. Iran 最近飛行機会社のMilageで、News Weekをとるようになったのだが、Iranとの関係を2週続けて取り上げていた。アフガン・イラクと、自国の隣まで米国が侵略しているので、ぎくしゃくして当たり前なのだが、President Bushがまた今日も強気の発言を繰り返したようで、いったいどうなるのか、予断を許さない状況であると思う。
 日本の医療問題はもう結論が出ているようにも思うし(焼け野原一直線)、Globalに考えていろいろな国際情勢をもっと勉強していこうと思う。カナダやアラブ首長国連邦にCleveland Clinicを作った話は驚いたが、次のターゲットはシンガポールや中国だと聞く。その時は、すぐに手を上げようかな、、、。

 すごい雪のために、Yの学校がお休み。Cも依然Chicagoで足止め状態、今日は仕事を休む。明日のために道路までDrivewayの除雪を行うが、2時間かかってしまった。
 Crush終了、試験向けによくまとまっている教科書だ。私の場合、First Aidを育てていった教科書をまとめノートとして用いているが、試験のTipsがいろいろと得られるので、お勧めだ。50 + CCS 3/1,500問。UW CCS 88を早急に済ますこと。
2/15
       論文書き。50 + CCS 12/1,562問。気が付けば、あと3週間、試験までにやりたいことがたくさんある。
2/16
       RVADお手術のおつきあい。200 + CCS 10/1,772問。麻酔の気化器のガス追加の際に、麻酔ガスをいつも噴射する輩がいて、いろいろな意味で頭が痛い。
2/17
      アメリカ生活節約術 海外で研究生活を送るものにとって、共働きでない限り、『お金の切れ目が留学の切れ目』、となることはよくあることではないだろうか? 『遊ぶときは遊ぶ』、をモットーにしている我々にとっては、少々の節約よりも大きな出費を減らす方が一番効果的なのであるが、日常の中でのちょっとした節約法を紹介したい。

1、ガソリン 私の渡米時から比べると、ガソリンの価格は2倍以上になっているのだが、以下のサイトでガソリンの値段を確かめることが出来る。地図になっているため、自宅から一番近いもの、ちょっとした外出の際にも立ち寄ることが出来る。
http://www.clevelandgasprices.com/map_gas_prices.aspx

2、買出し いろいろとCleveland Areaで、食料を買出ししてみたが、このスーパーに勝るものは、見たことが無い。生鮮品の質は悪いが、その他のものは一般のスーパーの半額だ。店の中は、もちろんAfricanばっかりである。
http://www.save-a-lot.com/

 新車を購入したり、Yの保育園代やら勉強代・試験代やらで、いろいろと出費がかさむ今日この頃であるが、いよいよ今年からは無料のPublic Kindergardenに行くことになりそうなので、少し余裕が出てきそうだ。

 229 + CCS 8/2,009問。本番の初日は、336問である。十分にこなせる速読力はついてきたように思う。CCSは、UWよりもStep 123のWeb siteでの練習の方が、実践的でいいように思う。こちらを先に進めた方がよさそうだ。
2/18
10.0
Jog
  あれから一年 日本の医療を振り返る上で、福島県大野病院で起きた癒着胎盤における妊婦死亡事件に対して、産婦人科医師が業務上過失致死(刑事)で逮捕された2006年2月18日は、忘れてはいけない大きな分岐点になるであろう。

 もちろんそれ以前からも、医療崩壊は叫ばれていたのであるが、あまりにも象徴的な事件であり、それ以後の医療崩壊が加速したように思える。逮捕された現在でも、『産科の現場に戻りたい』、と言われるK医師の無罪を、心よりお祈りしたいと思う。

新小児科医のつぶやき http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070218

 神戸・六甲で開業されている先生のブログであるが、現在の医療崩壊をかなり詳しくとらえたものである。是非訪れてみることを、お願い致します。

 気晴らし20Fラン、冷え込んで静かだ。Step 123に突入、100/2,109問。気持ちを切らすことなく、ラストスパートへ。受験生日記になってきたな。
2/19
       50 + CCS 10/2,169問。
2/20
      過労運転は違法? 先日大阪吹田市でのスキーバス事故だが、道路交通法違反(過労運転)容疑で立件するとの報道がある。過労が続くと医師も判断力が鈍り、ミスが多くなるというデータが既に出ているが、過労による判断ミスにより業務上過失致死に至った場合、管理責任者の労働基準法違反は問われないのだろうか?

 どこまでが個人の責任で、どこからが管理者の責任であるかは、判断の難しいところだが、それを判断するのが法律であり、労働基準法であるように思う。医師の場合は、その基準がかなりあいまいになっているようで、全て個人の責任になっている。ここに風穴が開けられるような司法判断が下されることを願いたい。

 今日は久々のFiber実験、ちょっと?の問題もあったが、無事にいいデータをとることが出来た。帰宅してからがんばって50 + CCS 1/2,220問。
2/21
       50 + CCS 3/2,222問。今日はNRMPの締め切り、Cross finger。
2/22
      記者としての社会責任 OKに移られたA先生だが、Cleveland本日来られてお会いする機会があった。さてその用件だが、腎移植関係の取材ということで来られている記者さんを連れての旅ということであった。私はメディア関係の方とお話する機会は、今まで非常に少なかったのであるが、少しお話をさせていただいただけで、医師とメディア間にある深い深い溝を再確認することが出来た。

 昨今の医療に関する報道であるが、かなり多くの医療関係者が現在の報道姿勢に疑問を持っている。たかが26万人の組織無き職業であることにも原因はあろうが、『医者たたき』にて視聴率をかせぐ構図が完全に出来上がってしまっている。その代表的たる最近の記事が、奈良県大淀病院における『たらい回し』事件であろう。

http://ameblo.jp/med/entry-10023368487.html (事件の概要があります、またリンク先も充実しています。)

 この事件は、子癇出血を合併した出産に対して、一人医長の病院では手に負えないと判断し、ネットワークシステムの遅れている奈良県から多くの病院に搬送依頼を出した末、結局国立循環器病センターに搬送され、残念ながら母体は死亡した症例である。最初に毎日新聞がスクープとして火をつけて、面白おかしく『たらいまわし』という表現を用いたために、しまいには『恥を知れ』発言や、『ベッドが無いなら廊下で』という名言を起こした事件である。裏の取れていないネタを大きく報道して世間の注目を集めておきながら、徐々に取材内容の未熟さが露見してくると、微妙に表現を変えていき自らの報道姿勢に疑問を呈することなく、訂正文を残すことなく、ついには賞まで受賞してしまったのである。(マッチポンプ報道とも例えられている。)

 事実を世間に正確に伝え報道することが 、メディアの使命だと私は認識しているが、昨今の報道は事実を正確に伝えているのか? 『たらい回し』の奥に潜む医療システムの問題、その奥にある医師の逃散、医師不足、医療費削減までをも正確に光を当てているのであろうか?

 奈良大淀病院のみならず福島大野病院についても全く無知の記者さんであったので、正直呆れびっくりてしまったのだが、医療を報道する立場の方が、現在の医療情勢を認識せずして、(物語は書けるであろうが)本当に正確な記事を書けるのであろうか? 記者の方には失礼な書き方であるかもしれないが、今後しっかり勉強していただいて、正確な報道をすることを本当に切に切にお願いしたいと思う。

 Aの論文の書き上げ、Resultsまでしっかりと書いて渡す。50 + CCS 2 / 2,280問。点数はかなりあがってきた印象だ。あとはCCSの症例をこなして、自信を持つこと。体調管理をメインにして、しっかり睡眠をとること。問題数はやや制限をかけること。
2/23
     

福島大野病院事件公判第二回 私も注目していた第二回公判が開かれた。私自身、裁判の経験は無いのだが、医学の知識が無い人に説明することの難しさを感じる公判であるように思う。うまく説明しようとして、例えを使用して説明しようものなら、『本件と関係ないことは、、、』、とされてしまったりする。こんな事件で刑事責任を問われる事自体がおかしいと思うが、しっかりとした第三者機関の創設が望まれるのであろう。

第二回公判要旨
http://plaza.umin.ac.jp/~perinate/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=
%C2%E8%C6%F3%B2%F3%B8%F8%C8%BD%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6%2807%2F2%2F24%29


ちなみに第一回公判傍聴期
http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/index.html

 特に、『クーパー(先の曲がったはさみ)』の使い方が論議されているようだが、熟達してくれば、よく切れるクーパーの先を2mm程度開けて剥離に用い、切れる組織は切り、剥離出来るものは剥離する。外科医ならば当然の技術だが、どうやら検察は、『研修ノート』という専門医試験用に配布されてくるメモを証拠として採用し、『クーパー=切るもの』と定義しているようだ。こういったクーパーの使い方は、文字にはならない先輩の手術を見て覚える『職人の技』であり、あまり文字にはならないものであるようにに思う。
 ある程度、医学には教科書・マニュアルは必要である。しかし我々外科医は、長い医学の歴史の中で伝授された教科書以外の多くの技術を、多くの先輩からこの我々の手に教え込ませている。現在の多くの産科医が直面している後継者不足の状況で、この手に覚えこませた技術を後輩に伝えられないというジレンマは、言葉では言い表すことの出来ない悔しさであることと思う。産科に続き脳外科もその兆候が出てきたが、命を預かる外科系の医師にとって、今後も非常に厳しい時代が待ち受けているようである。


 朝から臨床のAnnual reportを聞きに行く。HTxは75ということ、TopはColumbia、次にStanford, UCLAといったところか、全国平均よりもわずかだが成績がいいということを強調していた。ちなみにそのうちのLVADありは10数例ということ。合併症もあるのだろうが、より今やDestinationとしての意味合いもあって移植されているものが多いのであろう。
 100 + CCS 10 / 2,390問。
2/24
10.0
Jog
   98 + CCS 25/ 2,513問。USMLE 123(= 64%)終了、1週間で片付いた。問題の長さは良心的、難度も良心的で、他の問題とは異なるひねりもあるので、勉強になった。少し値段が高いのが欠点か。あと2週間となったが、体調管理をしていくこと。ここからは勘をにぶらさないように軽く復習問題をしながら、CCSの要領を覚えていくこと。
 今日は、朝から勉強しまくる我々を見て泣くYを見て、こちらも涙が出てしまった。朝勉の後、みんなで動物園に出撃する。帰宅後勉の後、近所で気晴らしラン、まだ外は寒い。
2/25
      思い出の壁

 日本で最も美しい壁といえば、どこをあげるであろうか? (ちなみにヨーロッパの壁の思い出は、12/17参照)いろいろと候補も多いが、私ならば甲斐駒Aフランケと、ここ穂高岳屏風岩をあげるであろう。夏・秋・冬通算して、幾度と無く通った屏風岩、その中でもSky Hookを使用して登らなければならないルートは、非常に思い出深いものがある。
 このSky Hookというものは、その名の通り微妙な岩の出っ張りにこれをひっかけて、微妙なバランスでアブミに立ちこんでいくという道具だ。バランスを崩して左右にぶれてしまえば、また不用意に体重をかけて岩が欠けてしまってもいけない。息を止めて、体中の全神経を集中して優しく体重をかけていく、、、。

 今、目の前にある壁(Step 3)は、今までの3つのどの壁(Step 1, Step 2 x 2)よりも高い気がする。気負うことなく、自分の力を全て出し切りたいと思う。

 クリニックでこそ勉、NBMEの模擬試験を再度行うが、ちょっとましになってきた。自分の弱点を復習すること。ここまでの模擬試験などの印象であるが、落ちる可能性も多々ありそうだ。合格するにしても、80点以下であるように思う。180 + CCS 8/ 2,701問。USMLE 123 CCS終了、何度も繰り返すとともに、USMLE CDで3文字単語をマスターしておくこと。
2/26
      春の異変 マッチポンプ(放火して消化したふりして報道して英雄気取りする馬鹿)で有名な毎日新聞だが、その地方版で地方医療の崩壊を報じるようになってきた。
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/hokkaido/
shakai/news/20070225ddlk01100012000c.html

ニュースワイド2007:地域医療 医師不足の大学病院、派遣医引き揚げ /北海道

 ◇派遣医次々と引き揚げ

 道内の大学病院が地方病院に派遣していた医師を次々と引き揚げ、地域医療が危機にひんしている。新人医師が研修先を自由に選べる臨床研修制度の導入で大学病院が医師不足に陥り、さらに地方病院の過酷な勤務が嫌われる傾向もある。地域医療で起きている異変を探った。【まとめ・山田寿彦】

 ◇都会志向の医師増える

 「内科の常勤医3人全員を3月末で引き揚げたい」。1月25日、市立根室病院(199床)の医師確保の陳情に旭川医大を訪れた根室市の長谷川俊輔市長は内科学講座の教授に告げられ、がく然とした。教授は医局の医師不足を理由に「大学病院本体を守る必要がある」と強調した。

 釧路市の釧路労災病院(500床)を昨年12月、北大大学院医学研究科小児科学分野の有賀正教授が訪れ、釧路赤十字病院に3人の小児科医を集約する方針を伝えた。1月末には旭川医大産婦人科学講座の千石一雄教授が「常勤の小児科医がいなくなる病院でお産は勧められない」と医師4人の引き揚げを告げた。

 室蘭市の日鋼記念病院も昨年8月、「手術が少ない」との理由で脳神経外科医2人の引き揚げを北大から通告された。

 道には道内十数市町村の自治体病院から医師確保の相談が来ており、約40人が不足しているとみている。道指定の「へき地医療拠点病院」でも医師のへき地派遣を休止する病院が出ている。

 一方で医師数は増えている。道医務薬務課によると、今年1月現在の開業医(無床診療所)は昨年より57多い過去最多の2860施設。その約4割が札幌圏に集中する。「都会で自分の時間を持ちたい医師が増えている」と同課は指摘する。

 ◇疲弊する地方の医師

 釧路労災病院の小児科医を集約する北大の有賀教授は「先輩に地方の病院を大切にしろと教えられた。私も集約化に抵抗してきた自負がある」としながらも「当直や患者の過剰な要求、訴訟の恐れで地方の若い医師は疲れ切っている。集約化で解決するとは思わないが、スタッフの厚みが増し、住民の迷惑も少ない」と理解を求める。

 集約化で同僚2人と異動する同病院産婦人科の男性医師(51)は週1回の夜勤をこなし、休みは月3日程度。「30時間寝ないで勤務したこともある。勉強もできない。このままでは各病院共倒れだ。集約化はやむを得ない」と受け止める。

 市立根室病院は昨秋、旭川医大が派遣する3人の内科医とは別に「地域医療に携わりたい」という男性内科医(36)を迎えた。しかし、4人で200人前後の外来患者と同60人前後の入院患者を毎日診察し、月3〜4回の当直・日直をこなす激務に耐え切れず、3月末の退職を申し出た。

 ◇国で過疎医療論議を

 道内の地域医療について千石教授は「生き残るのは札幌圏だけ。センター病院に医師を集約しても、センター病院でさえ医師が確保できない。遠隔地から救急患者をヘリで運ぶぐらいしか選択肢がない」と悲観する。地域医療に志を持つ医師を育てる可能性についても「赤ひげ先生になれと個人に求めるのは難しい」と否定的。「国政レベルで過疎医療を考えてもらわないと」と語る。

 釧路労災病院の吉岡勝則事務局長は「地域で医師を育て、確保する仕組みを作るしかないが、一朝一夕には無理」。根室市の長谷川市長は「研修を終了した医師に一定期間、地方勤務を義務づける制度を国が作ってほしい」と求める。

 北大の岩崎教授は「地域医療を軽んじるつもりは全くない。患者が求める医療のレベルはどんどん上がっている。最高の医療を提供するには医師を薄くばらまくよりも、道内7ブロックぐらいに集約し、一つのセンター病院と周辺自治体にサテライト病院を置くと効果的だ。5年、10年後に良い方向へ進むように考えるべきだ」と提言する。

 道は道医療対策協議会を通じて医師をあっせんしている。地元で働くことを前提にした奨学金制度や入試の地域枠導入、自治体病院の広域連携を検討している。しかし、道医療政策課は「基本的には地元で医師を確保してほしい」と話す。

 ◇研修医大学に戻らず

 「本当にとんでもない制度。各医大の学長会議でも非難ごうごうだ」。旭川医大の千石教授は臨床研修制度をやり玉に挙げた。

 総合的な診療ができるようにと国は04年、新人医師に2年間の研修を義務づけた。新人医師はかつて大学の医局に所属し大学病院で研修したが、今は道内68の臨床研修病院から給料など条件のいい病院を選べる。北大、旭川医大、札幌医大で研修医が減少し、医局の「人事権」が弱まった。2年間の臨床研修を終えた研修医を逃がさないよう各病院は3〜5年の後期研修を設定。大学病院に戻らない研修医も増えている。

 日鋼記念病院から脳神経外科医を引き揚げる北大医学部神経外科の岩崎喜信教授も千石教授と同意見だ。「若い医者は本州の名門病院でブランドを取るか、待遇の良い所を選ぶ。金のない大学には残らない」

毎日新聞 2007年2月25日


http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/hyogo/news/20070225ddlk28100011000c.html

周産期医療:病床不足や超過勤務、産婦人科「集約」で深刻−−県医師会検討会 /兵庫

 県医師会(西村亮一会長)は24日、出産前後の母体・胎児、新生児にかかわる「周産期医療」の現状を考える事例検討会を県医師会館(神戸市中央区)で開いた。県内の産婦人科医、小児科医、助産師、看護師が医療現場の課題をそれぞれ報告。医師不足などから相次いだ病院産婦人科の閉鎖に伴って、医療スタッフなどが「集約化」された病院では、病床不足や超過勤務など、周産期医療を支える側の問題が深刻化していると訴えた。

 周産期医療に関する検討会は県医師会が毎年開催。今回は「周産期医療を支える人びとの諸問題」をテーマに出席した医療関係者ら約150人とともに情報交換した。

 県内では04年4月から2年間で診療科52科が廃止、休診になり、産婦人科(産科を含む)、小児科がうち21科を占めた。

 周辺施設が産婦人科診療を閉鎖して、2年間で分娩(ぶんべん)数、手術数が大幅に増えた加古川市民病院(加古川市)は、対策として進められている産婦人科医療施設の集約化について報告した。

 人口約120万人の東播磨地域では2年間で5病院が産婦人科を閉鎖。同病院では02〜06年度の間に分娩数が4割増えたため、医師の増員、診察室の増設などで対応している。しかし、▽満床による母体の受け入れや分娩の制限▽手術待ち日数の長期化▽スタッフの疲労−−といった問題は「すべて集約化により生じている」と指摘した。

 出席者からの「リスクを分配する工夫が必要ではないか」という質問に対して、発表担当者が「分配する施設がない」と反論する場面もあった。

 助産師の立場からは、母体や新生児の容態が急変した場合に備え、他病院との連携強化を提言。また、お産で助産師の能力と技術をより生かすため、病院に「助産科」を設けた場合について、出産適齢期の女性にアンケートしたところ、8割が受診に関心を示したという報告もあった。【津島史人】

〔神戸版〕 
毎日新聞 2007年2月25日


 繰り返しになるが、これは医師側からのサボタージュが一番の原因では決して無い。政府の『医療費削減』への政策に全ての責任があることを、一般の方には理解して頂きたい。そしてその政府(『ぶっこわす』、と言っていた人ですよ)を選挙で選び、医療費の無駄遣い(どうでもいい風邪などで深夜救急受診など)をして疲弊させていったのも、この医療崩壊の結果を全て受け入れなければならないのも、日本国民である。この結果は、自業自得です。

 私が人間的に尊敬している、長野県の某地方病院産婦人科を支えるY医師のHP、『勤務医開業つれづれ日記』からの抜粋である。これだけの産婦人科が消えていき、そして産科の崩壊は大きな流れとなり、次に救急を初め外科系の多くの科が崩壊していくことも覚悟しておかなければいけない。(私のHPを読んでおられる医師の方々は、周知のことかと思うが、親戚の方含めて非医療系の方々には、今後の日本の医療を考えるきっかけになればいいと思う。)

http://ameblo.jp/med/entry-10025620801.html

■産婦人科 分娩休止一覧


H18.04月  福島県大野病院/福島
         新城市民病院/愛知
         西宮市立中央病院/兵庫
         宇都宮社会保険病院/栃木
         県立佐原病院/千葉
         岐阜社会保険病院/岐阜 
         北九州市立 八幡病院/福岡 
         下伊那赤十字病院/長野 
         国立病院機構「舞鶴医療センター」/京都 
         健康保険南海病院/大分 
         草加市立病院/埼玉 
         国立水戸医療センター/茨城   
         済生会富田林病院/大阪

    06月  新潟労災病院/新潟
         市立加西病院/兵庫 
         高砂市民病院/兵庫 
         JR大阪鉄道病院/大阪

    07月  坂出市立病院/香川 
         加賀市民病院/石川 
         神鋼病院/兵庫

    08月  福島労災病院/福島

    09月  都立豊島病院/東京
         西横浜国際総合病院/神奈川
         市立根室病院/北海道 
         福島県立会津総合病院/福島  

    10月  新潟県厚生連けいなん総合病院/新潟

    11月  大館市立扇田病院/秋田 

    12月  宇部興産中央病院/山口宇部


H18年までに縮小もしくは休診/静岡 
         島田市民病院(7名→1名)
         御前崎市民病院(1名)
         伊東市民病院(3→1名)
         静岡県東部医療センター(6名→1名);
         共立蒲原病院(2→0名)
         社会保険浜松病院(2→1名)
         浜松日赤病院(1→0名)(新築移転)
         浜松労災病院(3→0名)


H18年までに縮小もしくは休診/長野 
         町立辰野総合病院 
         安曇総合病院 
         富士見高原病院 
         下伊那赤十字病院 
         安曇野赤十字病院 
         NTT東日本長野病院 

H19.01月  道立江差病院/北海道
         東京逓信病院/東京
         銚子市立総合病院/千葉
         県立志摩病院/三重
         塩谷総合病院 /栃木


H18年までに縮小もしくは休診/大阪 
         KKR大手前病院 産科休止
         市立岸和田市民病院 産婦人科休診 


H19.02月  みつわ台総合病院/千葉

H19.03月  大淀病院/奈良
         福島県立三春病院/福島  
         九州労災病院 婦人科閉鎖/九州
         津和野共存病院 /島根
         柏原赤十字/兵庫
         阪和住吉総合病院/大阪
         住友病院産科/大阪
         彦根市立病院/滋賀
         恵那市 唯一の開業産婦人科医院/岐阜
         三浦市立病院/神奈川
         総合磐城共立病院  産婦人科撤退/いわき市
         盛岡市立病院 /盛岡市
         釧路労災病院/北海道
         江別市立病院/北海道
         足立病院/釧路 北海道
         宮城社会保険病院/宮城


H19年度中に縮小・休診/静岡
         袋井市民病院(2→0名))
         聖隷三方原病院(7→4名)
         聖隷沼津病院(3→2名)
         共立湖西病院(3→0名)


H19年度中に縮小・休診/北海道 
         カレス・アライアンス日鋼記念病院 
         滝川市立病院 
         留萌市立総合病院 
         道立紋別病院 
         北海道社会事業協会富良野病院 
         岩見沢市立総合病院 


H19.04月  オーク住吉産婦人科/大阪
         足立医院/釧路 北海道
         水戸医療センター /茨城
         盛岡市立病院/盛岡市
         市立小樽病院/北海道
         関西医科大学附属男山病院/京都
         中津市民病院/大分 
         諏訪中央病院/長野 
         福井社会保険病院/福井 


H18.05月  旭川赤十字病院/北海道

H19.07月  厚木市立病院/神奈川 
 
H19.08月  NHO栃木病院/栃木

H19.09月  津島市民病院/愛知 


H19.10月  塩山市民病院/山梨
         新宮市立医療センター/和歌山

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分娩制限(一部順不同)
H18.10月  総合守谷第一病院/茨城 平成18年10月〜


H18.12月  横浜市立みなと赤十字病院/神奈川  平成18年12月〜
         都立荏原病院/東京 平成18年12月〜


          東京医科大学八王子医療センター/東京
          中津川市民病院/岐阜 「里帰り出産」を制限 
          秦野赤十字病院/神奈川
          福井愛育病院 /福井
          隠岐病院/島根
         龍ヶ崎済生会病院/茨城
         水戸済生会総合病院/茨城
         住吉市民病院/大阪
         大阪府愛染橋病院/大阪
         関西労災病院/兵庫 平成18年〜
         大和高田市立病院/奈良
         川崎協同病院/神奈川
         北野病院/大阪  
         聖バルナバ病院/大阪  
         済生会横浜市南部病院/神奈川 


H19.01月  公立阿伎留医療センター/東京 平成19年1月〜
         太田総合病院/神奈川 


H19.02月  JA広島総合病院/広島 平成19年2月から
         近江八幡市立総合医療センター/滋賀 (産婦人科外来制限) 


H19.04月  佐久市立国保浅間総合病院/長野 
          NHO栃木病院/栃木 4月から縮小、8月休止
         青森労災病院/青森 平成19年4月〜


確認中     
         がんセンター常勤医2人引き揚げ 群大病院/群馬
         周産期センター縮小/奈良


外来制限    都立墨東病院/東京 平成18年11月〜

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■小児科 休止一覧 (夜間、救急休止も含む)

H18.04月  県立佐原病院/千葉 (病棟休止)
         太田熱海病院/郡山市 福島
         三浦市立病院/神奈川 (病棟休止)


H18.06月  茨城県立中央病院/茨城  (病棟休止)

H18.09月  佐々総合病院/東京 
         東京歯科大市川総合病院/千葉 (夜間・救急中止(月曜のみ))  
         東京臨海病院/千葉 (夜間・救急中止)  


H18.12月  那須南病院/栃木

H18年までに縮小もしくは休診
         聖バルナバ病院/大阪 (NICU/GCU閉鎖)  


H19.04月  飛騨市民病院/岐阜
         釧路労災病院/北海道
         盛岡市立病院/盛岡市
         八代総合病院/熊本
         札幌斗南病院/北海道
         飛騨市民病院/岐阜
         済生会山口総合病院/山口
         飯山赤十字病院/長野
         小林市立市民病院/宮崎
         市立小樽病院/北海道  (病棟休止)
         公立豊岡病院/兵庫 「新生児集中治療室」(NICU)閉鎖
         聖霊病院/愛知  (小児救急休止)
         亀田メディカルセンター/千葉  (外来制限)


時期未定   東京医科大学八王子医療センター(新生児科)

確認中     
         滋賀県立小児保健医療センター(小児眼科)/滋賀


番外編 3月末 刑務所常勤医/三重


 50 + CCS 19 / 2,770問。CCSは時間もかかるので、疲れがボディーブローのように効いてくる。
2/27
     

平成19年と昭和19年 現在の医療情勢が、第二次世界大戦時の日本に例えられていることを、ご存知であろうか? 昭和19年は、玉砕に次ぐ玉砕で、多くの日本兵が戦死していった我々日本人が決して忘れてはいけない年である。この戦局の悪化の中、『玉砕』、『転進』、『神風』などの言葉が多く使用され、メディアの統制の中、現実を向き合ってとらえられなかった事が、その後の更なる犠牲を増やしたと指摘されている。

1月 イラン、英ソと軍事同盟を結び対日断交。
2月3日 日本軍、第二次アキャブ作戦開始。
2月6日 クェゼリン島の日本軍玉砕。
2月17日 トラック島空襲
2月22日 エニウェトク環礁(ブラウン環礁)の日本軍玉砕
2月26日 日本軍、第二次アキャブ作戦を中止。
3月8日 日本軍、インパール作戦開始。
3月31日 古賀峯一連合艦隊司令長官が殉職(海軍乙事件)。
4月17日 大陸打通作戦。(〜12月10日)
5月25日 日本軍、洛陽占領。
6月15日 米軍、サイパン上陸(サイパンの戦い。7月7日日本軍玉砕、在住日本人1万人死亡)。
6月16日 米軍、中国大陸から北九州へ初空襲。
6月19日 マリアナ沖海戦
7月4日 日本軍、インパール作戦を中止。
7月18日 東條英機内閣総辞職
7月22日 小磯国昭内閣成立
8月2日 テニアン島の日本軍玉砕
8月11日 グアム島の日本軍玉砕
9月11日 米軍、ペリリュー島上陸。(ぺリリュー島の戦い)
10月10日 米軍、沖縄、台湾を空襲(十・十空襲)。
10月12日 台湾沖航空戦
10月20日 米軍、フィリピン・レイテ島に上陸。(レイテ島の戦い)
10月23日 レイテ沖海戦
10月24日 戦艦武蔵沈没(シブヤン海)
10月25日 神風特別攻撃隊、レイテで初攻撃
11月10日 汪兆銘、名古屋で病死。
11月10日 日本軍、桂林、柳州占領。
11月24日 米軍の新型爆撃機B-29、マリアナ諸島より東京を初空襲。
12月7日 東南海地震が発生し、家屋倒壊と津波で1223名が死亡。情報統制によってほとんど報道されない。
12月26日 礼号作戦(ミンドロ島沖海戦)


 この2月だけで、どれだけ多くの診療科が4月人事の影響で閉鎖するというニュースを聞いただろうか? まだ年は始まったばかりである。


 CCS 48 / 2,818問。LVAD実験。
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      ここまで来たか、、、。 昨年の同じ時期は、まだそれほど医療関係のびっくりニュースも少なかったのであるが、昨日の今日の話だが、毎日毎日驚くべき医療関係のニュースが続々と発信されている。
ICU医師全員退職へ 国循センター 執刀との分業困難 3月1日8時0分配信 産経新聞

 国立循環器病センター(大阪府吹田市)で、外科系集中治療室(ICU)の専属医師5人全員が、3月末で同時退職することが28日、分かった。同センターは国内で実施された心臓移植の半数を手掛けるなど循環器病治療の国内最高峰で、ICUは心臓血管外科手術後の患者の術後管理・集中治療を受け持ち、診療成績を下支えしてきた。同センターはICU態勢の見直しを検討している。


 同センターによると、ICUには5人の専門医が所属。所属長の医長を含む2人のベテラン医師が辞職を表明したのをきっかけに、指導を仰げなくなる部下の3人の医師も辞職を決めたという。

 ベテラン医師2人は辞職の理由を『心身ともに疲れ切った』と説明しているという。

 同センターのICUが対象とするのは、先天性心疾患や冠動脈・弁疾患、心臓移植、大血管疾患などさまざまな心臓血管外科系の難病患者。成人だけでなく小児も対象とし、外科手術後の患者の最も危険な時期の全身管理や集中治療を24時間態勢で行ってきた。

 ICUの入院病床は20床で、年間1100症例を超える重篤な患者を受け入れ、常に患者の容体の急変に備え、緊張を強いられる環境にあった。

 同センターは、5人に残るよう慰留を続けているが、辞職の決意は固いという。

 このため4月以降は、他部署からICUの専属要員を確保するものの、ICUでの患者の超急性期管理・集中治療は、執刀した外科チームが責任を持って行う態勢にすることを検討している


 同センター運営局は「特にベテラン2人に代わる人材はおらず、これまでのように執刀チームとICUの分業ができなくなる。しかし、手術件数を減らしたりICUでの管理が不十分になるなど患者に影響を与えるようなことはない」と話している。
帝王切開賠償訴訟、市に1億4300万支払い命令 (2007年3月1日 読売新聞)

 神奈川県大和市立病院で1997年、帝王切開が遅れたため重い後遺症が残ったとして、東京都内の養護学校4年の男子児童(10)と両親が、市に介護費用や慰謝料など約1億9200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、横浜地裁であった。

 三木勇次裁判長は「(帝王切開は)遅きに失し、後遺症との因果関係が認められる」と述べ、市に約1億4300万円の支払いを命じた。

 判決によると、男児の母親(35)は97年2月24日、陣痛が起きて入院した。胎児に心拍数の低下などの異常があったことから、病院は帝王切開を決めたが、手術決定から出産まで約1時間20分かかり、男児は仮死状態で生まれて低酸素脳症となり、四肢がマヒする重度の障害が残った。

 三木裁判長は『心拍数が低下した時点で、病院は帝王切開の準備をする義務があったが、怠った。夜間、麻酔科医らが常駐しておらず、医師を呼び出すなど出産まで1時間以上かかった』と指摘した。


 大宮東生・院長は記者会見で、「可能な限り適切な処置を行っており、過失はない。後遺症との因果関係もない」と話し、市として控訴する方針を明らかにした。

 我々も面識がある先生がおられるのだが、まずは辞職されるセンターの先生方に、『本当にお疲れ様でした』、と言いたい。

 NCVCは私も一時就職活動を行った病院ではあるので、少しは内部の実情を知っている。日本国立の心臓外科施設として、日本全国から医師を集めてはいる、浪速大阪大学カラーの象徴のような存在だが、国立としてまだ生き残ったためであろうか、(沈むことの無いと思っている)お役所国立戦艦に乗っているため、上層部と現場との乖離を感じていた病院であった。またここの安月給・激務は有名で、『レジデントが死ぬ病院』、としても知られている。

 ここで勤務することは、各医師のモチベーション(日本有数の施設で患者さんを助けたいという心)だけで成り立っていたとも言えるのだが、それが崩れ始めたということで、その影響は日本全国で勤務する最前線の医師にとって、何か心の支えが壊れたような、計り知れない影響があるものと思われる。

 恐らく事務方にとっては、『代わりの医師はいくらでもいるよ』、『心臓外科の先生で術後管理をしてもらおう』、ぐらいにしか思っていない上記のコメントであろうが、トップの抜けた穴は計り知れないくらい大きい。しばらくは退職される先生の遺産で食べていけるだろうが、時が移ればレベルの低下は否めないであろう。一方、『任された』心臓外科も安泰では無い。『術後管理医』という職が軽視され、その成り手が少ない現在、現状の心臓外科医の戦力だけでは絶対に無理があるだろう。私ならば、5人の抜けた穴を自分達で埋めるのは不可能であるし、そんなコメントを出すような施設には、絶対に近寄りたくないと思う。

 更にこの問題は、このセンターだけの話だけでは無い。麻酔科が崩壊した地域では、既に心臓外科サイドだけで麻酔・術後管理を行っている施設が増加している。それとは相矛盾するように、上の裁判判決でも見られるように、総合病院では専門医・麻酔科医の常駐を司法サイドは求めている。先の堀病院での助産師問題で、『構造的問題』として立件を見送った司法サイドであるが、正に現存するこの日本の医療の『構造的問題』に対して、一体我々医師はどうすればいいのだ! それが正に現場の声だと思う。

 決戦10日前。MatchとStep 3のBad dreamに悩まされる毎日、上記ニュースで更に頭が痛くなる。お酒飲んでぐっすり眠りたい。107 + CCS 75 / 数字合わせの3,000問。CCSはかなり反射的に羅列出来るようになった。
   
20.0
   
 2月も予想通り、あっという間に過ぎ去った。3,000/9,059問、合計25,079問。ファイナルカウントダウン、ややMania気味だがこのまま突っ走る予定。


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