Weekend 2005 October(1)



 9/30(Fri)-10/2(Sun) Cass, West Virginia

 9月もよく勉強した一月であったが、Yも含めて精神衛生上あまり好ましくないので、久々に遠出をすることとする。Upper MichiganやSyracuseなども候補に上がったが、Yの大好きな蒸気機関車に決定。一路West Virginiaを目指す。
 I-480, I-80, I-76, I-79と通っていくのだが、カーブが多くて結構疲れる。行き当たりばったりの旅なのだが、WVに入ったMorgantownでモーテルを探そうとするも、何やらUniversityのFootball gameが開かれるそうで、さびれたモーテルもどこも一杯だ。とりあえず食事をした後(Prime Ribが2人でチップ込み$28、味はイマイチだけど安い!)、眠い目をこすりながら、更に南下を続け、ようやくBridgeportで$37の部屋を発見、宿泊することとする。
 7時前に起床、部屋で簡単に食事を済ませた後、US-33経由でDublin経由でCassへ。しかしこの道は非常に悪かった。WV66またはWV28経由の方が早いだろう。
 ようやくCassに到着すると、目的の機関車が煙をはいていた。そして、大勢の人が並んでいた。さて機関車であるが、Baltimoreでも見たことのあるShayという勾配に強い機関車であった。通常の蒸気機関車と異なり、車体の右側に垂直にシリンダーがついており、それをシャフトで前後の車輪に伝えるというものだ。スピードは出ない代わりに、強いトルクを生み出すことが出来る。また、通常の機関車は長時間の後進は出来ないのに対して、この機関車は可能であるのが特徴だ。

 私も知らなかったが、非常に有名な機関車のようで、このモデルだけでHP(http://www.shaylocomotives.com/)があるようだ。今までに製造された全てのShay車両が表示されているというHPだが、これによると、3,354両の機関車が製造されたそうだ。
 大勢の人のために、席は満席状態。けれど、何とか隙間に潜り込むことが出来た。出発は10:30、今日は5時間のBald Knobまでのツアーに参加することとした。機関車は客車を後ろから押すように登っていく。Shayともう一両別の機関車の二頭立てで登っていく。席は全て窓の無いタイプで、後ろに行くほど機関車の音を聞くことが出来るのだが、あまり後ろ過ぎるとうるさいだろう。
 廃棄されたShayの脇を通り、ゆっくりとしたスピードでひたすら登っていく。坂がきつくなると、真っ黒い煙を上げながら登る機関車のリズムが心地よい。途中では2箇所のスイッチバックがあり、9:30のWhiteaker行きの機関車とすれ違うことが出来る。
 席は進行方向の左側にしたが、尾根をまいたりスイッチバックもあったりで、どちらに座っても楽しめると思う。
 徐々に展望が開けてくると、Whiteaker Stn.で一休み。ここまで客車を引っ張ってもらって、宿泊するというサービスもやっているそうだ。30分の休憩の後、右上の写真にあるBald Knobを目指して登っていく。

 乗り物に乗ると寝てしまうYだが、超ご機嫌のようだ。途中ではまたまた給水のために休憩、じっとみつめるY

 紅葉は既に始まっており、秋の青空に紅色が美しい。
 展望を楽しみながら登り、ようやく山頂に到着する。ここでお昼ご飯とする。展望は開け、アパラチアの山並みを遥か彼方まで望むことが出来る。
 #3,320、1928年生まれの蒸気機関車だそうだ。後続の機関車は先に帰ってしまった。
 帰りもゆらゆら揺られて帰還する。時間が長いものの、面白いトリップであった。時間の無い人には、Whiteakerまでのトリップがお勧めだ。
 マニア向けの品々が揃うギフトショップでお買い物、そしてここの歴史についてお勉強。ここの路線は、全て林業=紙の生産のために開かれていったそうだ。駐車場ではこんな面白そうな自転車を見つけた。どうやって、どこで遊ぶのであろうか? 対向して来る機関車がいたら、大変だろうな〜。

 ツアーで会ったおばちゃんが強く勧めていた、National Radio Astronomy Observatoryに行ってみる。面白そうだったので、明日行くことにして、今日はねぐらを探すことにする。WV-28を北上してIsland Cmapgraoudというキャンプ場(SP)を発見する。10張りも無い無人キャンプ場(無料!)であるが、非常に静かで紅葉が美しい。地図にも乗っていなかったのだが、WVにはこういったキャンプ場が多いのかもしれない。久々のキャンプであったが、Yははしゃぎまくっていた。

 夕食を食べて、寝るというのにYはマシュマロにつられて出てきた。とても今から寝ようという目ではないな。ゆっくりと赤ワインを傾けて、満天の星空を眺めて夜を過ごした。
 朝はややmuggy、その代わりあまり冷え込むことも無かった。朝食をとって撤収した後、昨日の観測所に行くことにする。
 ここは8:30から19:00までやっており、毎時無料のツアーをやってくれる。赤外線カメラ等の学習コーナーなどもあり、Yはカメラの前で踊っていた。
 ここの電波台の説明の後、いよいよ10:00のバスツアーに参加することとする。当初は『Radio』という言葉に、もの凄い大きなアンテナから電波を出している場所だと思っていたのだが、全く逆であった。ここはアメリカの中でも非常に電波が届きにくい場所だそうだ。周辺には観測の妨げになるTV, ラジオ, 携帯電話などのアンテナの設置が規制されているそうだ。その代わりネットワークでテレビを見るそうだ。モバイルなんて、ご法度。
 窓を閉め切ったバスから一つ一つTelescopeを見学していく。まずは45ft. Telescope、人工衛星との通信用だそうだ。
 次に20 Meter Telescope、海軍用。85-1 Tatal Telescope、そして教育用の40ft. Telescope。一番右は1965-1999に使用されていた140ft. Telescope。
 そして最後に一番大きなGreen Bank Telescope(GBR)、300ft. Telescopeの損傷後に9年がかりで建築されたTelescopeだ。100X110mの大きさだそうだ。Yはこれが何たるかを理解するには、まだ小さすぎるようだった。
 以外にも面白かったTelescopeツアーを終えて、近くのDubrinという町に行く。ここにもマイナーながら、蒸気機関車が走っている。
 この機関車のピストンは斜めについており、これも同軸で前後の車輪に動力を伝えるシステムになっている。
 屋根無しの客車と、後ろに展望車を2両連結しており、すいている分こちらの雰囲気の方が良さそうであった。11:30の出発を見送った後、駅前の鉄道マニア向けのお店(今まで見た鉄道マニアの中でも、一番凄いお店、前から欲しかったズボンサスペンダーをゲット)で買い物をして、帰路につくことにする。
 Seneca Rockに立ち寄り、Dolly Sodを目指そうとするが、車体が重いせいか、エンジン音がおかしくなってきて、エンジン温も上昇してきたので、撤退することとする。ElkinsではFestivalにちょっと顔を出してみる。
 気持ちのいい秋の青空の下、暗くなる前にClevelandに帰着することが出来た。

【参考サイト】 アメリカでも蒸気機関車は人気があって、全米各地で現在でも運転されているものがある。
Surviving Steam Locomotives いろいろな蒸気機関車関連のHPがあるが、このHPが最強ではないかと思う。訪れたい州毎に綺麗にまとめてあり、旅行先でのイベントを探す時に非常に便利である。
Cass Railroad 今回訪れた登山機関車。山頂まで連れて行ってくれる企画もあるようで、また是非訪れてみたいものだ。
Dubrin & Greenbrier Valley Railroad Cassに比べるとマイナーだが、混雑していないので雰囲気は良さそうだ。


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