2019 Summer UTMB
8/30(Fri)-9/1(Sun) Chamonix (3) |
【7、780mの登り〜7.4qのアップダウン〜250mの下り〜Arnouvaz(97.3km)】 時刻は正午前となり、気温はどんどん上昇してきて、ランナーの体力を奪い取っていく。初めは緩やかな舗装路だが、急な登山道に入っていく。当初は水も少なめに出たのだが、道路沿いに湧水を供給する場所が右側に2か所ある。帽子・アームカバーを冷やすとともに、水分補給を行う。登りは抜かれるままに自分のペースでしっかりと登り、ベルトン小屋(U9)に13:33(1,422、+36)に到着することが出来た。ここではペットボトルの水をゲットすることが出来た。日陰で横になり、地面の温度で体温の下降に努める。そしてすぐにここを出撃する。ここを走れるかどうかが、ポイントとなるからだ。目標はArnouvazの関門18:15に、どれだけの貯金を作れるかだ。 |
息を整えながら平坦も出来るだけ走るようにして、足を進める。最後のボナッティ小屋(U10)の手前の登りをこなして、小屋に15:10(1,353位、-69)に到着する。 |
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ここからはほぼ平坦なコースで、最後に下りがあるセクションだ。気持ちで負けないようにして、少しでも遅いランナーは容赦なく抜いていく。そして、Arnouvaz(U11)に到着する。エイドでは多くのランナーが日陰で体を休めているが、雲行きがやや怪しくなってきた。夕立が来る前に峠を越えたかったので、休息時間は最低限とする。ここの関門時間は18:15であるが、16:17(1,324位,-29)には通過することが出来た。ここに来ての約2時間の貯金は大きい。 |
【8、770mの登り〜470mのダウンヒル〜480mの雨の中の下り〜La
Fouly(111.5km)】 |
そして前方の丘に張り付いてから右の山を急登していく。 |
周囲は雲に覆われ始め、雷も響きだした。ただ気温も下降してくれるので、体にはそれほどきつくはない。雨も降りだしたので、上に雨具を装着して登っていく。 |
そして、18:13(1,299位、-25)にフィレ峠に到着する。ここからスイス側の雄大なダウンヒルに入っていくのだが、目の前には雨雲が広がる。写真を撮った後は、すぐに下りの処理に入っていく。ここもスピード区間だ。休むことなく足を進めて、谷底近くに降りてくる。この辺りからは激しい雨が降り続き、一部雹も交じっているようだが、ここでのエンジンストップは日暮れ前だけに完走の成否を左右するポイントだ。 |
牧場内のチェックポイントの後は、左の水平道に入っていく。しかし、ここのトレイル状況が雨のためにかなり悪い。追い抜きも危険を伴うものとなってくる。左へ左へと回り込んでいき、エンドモレーン下部を通過、牧場からは谷底に向かう最悪のトレイルに入る。 |
そして最後に右に橋を渡って、舗装路をLa Fouly(U12)に20:03(1,241位、-58)に到着する。ヘッドランプを使用する必要も無く、ここまで辿り着けて良かった。事故でもあったのだろうか、ヘリコプターが何度も旋回していた。また順位を上げているのであろうか、エイドには多くのランナーがあふれかえっているので、休息にならない。わずかにチーズとサラミ一切れを口にした後、制限時間22:30のところを20:19に飛び出す。依然2時間以上の貯金だ。 【9、440mの下り〜320mの登り〜Champex(125.8km)】 【10、5kmの緩やかな下りの林道〜550mの登り〜580mの下り〜Trient(142.1km)】 |
【11、770mの登り〜800mの下り〜Vallorcine(153.0km)】 |
スキー場に降り立った後は、更に高度を下げてVallorcine(U15)に降り立つ。ここの関門時間は11:15であるが、9:00(1,215位,+9)に到着することが出来た。2時間の余裕があるので、もう完走は間違い無いであろう。気も随分楽になってくる。エイドで簡単に補給を行った後、13分で出立する。 |
【12、200mの登り〜700mの登り〜1,100mの下り〜Chamonix(171.5km)】 |
そして正面の岩山に取り付いていく。ここでは何かの取材陣も来ていた。 |
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抜かれる人には抜いてもらい、順調に高度を上げて、最高地点に到達する11:54(1,206位,‐9)。 |
そして3q先のスキー場まで下り気味のトラバースだ。道は良くないので、結構時間がかかるが、もうとっておいたラストスパート用の力を使ってもいいようだ。ペースを上げて最後の登りをこなしてFlegere(U16)へ。ここの関門時間は14:45であるが、12:51(1,199位,‐7)に到着することが出来た。自然と笑みがこぼれる。あとは下るだけなのだ。 |
ここからはギヤチェンジをして、豪快に下っていくことにする。寝ている間に多くのゆっくりとしたランナーに抜かれたんだと思いながら、残る力を意識しながら先行ランナーをごぼう抜きしていく。 |
PTLのメンバーも4組くらい抜いただろうか、とうとう市街地に入ってきた。陸橋もどとうの勢いで突破してランナーを抜いていく。目に見える範囲のランナーは全て抜くぞという気持ちで、最後の追い込みに入る。市街地に入ってから抜くというのは、やや大人げないとの意見も読んでいたのだが、いかんせん倍以上のスピード差があるので、これも一気に抜いていく。そしてメインストリートへ入っていく。良かった、もう見える範囲にはランナーは見えないよ。 |
大きくストライドを伸ばして、ラストランに入っていく。同じ日本人も含めて、大きな歓声が後押しをしてくれる。 |
そして最後の直線へ。これが5年間追い求めていたものなのか? |
一歩一歩感動を味わいたいと思う反面、早くこの苦しみから解放してくれとの思いで、最後の5mまでしっかりと走ってゴールラインをまたぐのであった。 |
制限時間は16:30であるが、14:00(1,146位,‐53)に到着することが出来た。公式には44時間00分27秒、あと少しで43時間台だったそうだが、もうここまできたらそんな多少の時間は関係無い。緊張の糸が切れた後には、もう言うことを効かない足が残るだけであった。両脇を抱えられながら、ゴール地点を後にするのであった。 |
【エピローグ】 【メモ】 |
レースが終わってからは、あまり記憶がはっきりしない。とりあえずホテルに戻りシャワーを浴びると、記憶を失う。何とか暗くなる前に起き出して、フランスでの最後の夕食を頂く。かなり胃腸系をやられたレースだったので、あまりばくばくとは食べることが出来なかった。 |
ホテルに戻ってからは、眠い目をこすって荷物のパッキングを行う。景品は左のTシャツと右のパーカー。真ん中のTシャツはなんとなくの自分へのお土産、そしてシャモニのスプーンだ。 翌日は3:30起床で、4時にはタクシーに乗る。Wifiを郵便ポストに投函して、5時過ぎにはGVAの空港に到着することが出来た。ここから再びロンドンヒースロー経由で、RDUに戻ることが出来た。 |