2004 Summer Vacation Report in SD,WY,MT



  12日目 7/27(Tue) Glacier NP
 今日は朝からあいにくの天気であるが、朝のアクティビィティとしてGoing-to-the-Sun Roadをサイクリングする。まずはGoose Island Overlookで御馴染みの写真を撮る。すると、周囲にバッファローの鼻息に似た呼吸音と、枯れ枝をポキポキ折りながら歩き回る巨大哺乳類の音が背後に聞こえてきた。すごく近くで聞こえているようであるが、よくよく聞いてみると道路の向かい側の森林の中に”そいつ”はいるようであった。あまりの大きな存在感なので、怖くて森林の中に入って確かめる気はしなかった。待つことしばし、見渡せる森林の切れ目で”そいつ”は3m近い茶色の体をさらけ出したのであった。明らかにグリズリーである。それも中途半端な大きさではない、本当にばかでかいやつである。餌を探しているようで、私なんかには目もくれないで、森林の中に消えていった。やはり、ここは本当のBear Countryだ。
 興奮も冷めやらぬままSun Pointへ移動する。雲をまとってはいるが、それでも景色は最高である。帰りのトレールでも哺乳類の足音をまたしても耳にするが、今度は単なる鹿であった。ちょっとほっとする。

 やれやれとキャンプ場に帰り着き、みんなでゆっくり朝食をとっていると、視界の中にごそごそと動く茶色の物体。幻でも見ているのかと思ったが、まさにそれは先程見たものと同じ巨大な『グリズリー』であった。Yに泣き出された困るし、こちらの食事に向かってきても困るので、ヨセミテでやっていたように鍋をたたいてこちらに人がいることを示唆するのだが、逆に無謀なアメリカ人が集まってきて、写真を撮ろうとグリズリーに近づいて行く始末だ。
 これはやばいぞと思いきや、1分もしないうちにあまり普通のNPキャンプ場ではお目にかからないような屈強のレンジャーがとんで来た。銃を構えるや、見物客を一蹴、熊を追って森林の中に入って行ってしまった。しばらくすると、空砲であろうか
3発の銃声。
 やはりここは熊が出ることでも有名なのかもしれない。その後の旅行でも、こんなに緊迫した、そして頼もしいレンジャーがいるキャンプ場は無かった。ヨセミテでも熊は出るには出るのだが、レンジャーがすっとんで来て、空砲を撃つなんてことは無かった。ここにキャンプをする人は要注意かもしれない。

 キャンプ場を撤収して、目的地であるMany Glacierに移動する。こちらのキャンプ場はJenny Lake程では無いが、午前中には一杯になるそうだ。首尾よくいいサイトをゲットすることが出来た。ここのキャンプ場はSwiftcurrent Motor Innに隣接する部分はやや騒々しいが、川沿いは展望も良好だ。また奥のサイトは熊よけのFood Boxがあるが、入り口付近には無い。食事の片付け等には、こちらの方が便利かもしれない。

 設営・昼食の後、Logan Pathへのハイキングに向かう。朝は今一つの天気だったが、どんどん回復してきた。Going-to-the-Sun Roadを上に登って行き、無事にLogan Pathに駐車することが出来た。ここはお昼頃は満車で、いつも駐車が大変だそうだ。我々も、出発しそうな車を見つけて駐車することが出来た。
 観光向けの一般トレイルだが、Hidden Lake Overlookに向かう。コースは良く整備されており、展望も最高のトレイルだ。

 周囲には高山植物が見頃を迎えている。不明(誰か教えて下さい)、Glacier LilySnow Buttercup、不明(誰か教えて下さい)、Northern Bedstraw、不明(誰か教えて下さい)。
 Glacierは、東方からの花、西方からの花、北方からの花、南方からの花、そして高山植物と、5種類の異なる植生の交わる所であるため、花の種類は全米でも有数の場所である。種類は2,000種類以上と言われており、我々の買った植物写真集では、到底かなわないであろうし、事実植物を専攻している大学教授がレンジャーとしてツアーをした際も、『私の知らないものもたくさんある』、と公言していたほどだ。
 ハイキングコースのすぐ脇では、マウンテンゴートが草を食んでいた。本当に絵になる動物だ。
 Yはまたしても自分で歩くと言って聞かないが、さすがに登りでは疲れたのか、最後には自分で背負子に乗ろうとしたので乗せてやった。程無く峠に到着する。Hidden Lakeの展望は素晴らしいものである。 高原を渡る風は涼しく、汗ばむことも無い。
 帰り道ではYはずっと下まで歩いてくれた。登る時にいたマウンテンゴートは、下りでも群れをなして登山道のすぐそばまで寄ってきていた。こんなに近くで、マウンテンゴートを見れるとは思わなかった。
 しまいには、遊歩道をゴートが歩いてくる始末。彼らが我々に道を譲ってくれたが、人間に対しては恐怖感などは無いのであろう。お昼寝するマーモットや、チッチッと鳴き声をあげるナキウサギもたくさん会うことが出来た。
 最後の極めつけはビッグホーン・シープ。そのすばしっこさで突っ込まれたら、ただごとではすみそうにはないのだが、人間とは距離をおきたがるようだ。
 帰りにはJackson Glacierを望むことが出来た。こちらの氷河は最近の地球温暖化の影響か、大きさは19世紀の10%にまでなっているそうだ。
 キャンプ場に戻って今日はBBQ。行き止まりの道の最後にあるキャンプ場なので、静かで落ち着いた場所である。Yは今日はたくさん歩いて疲れたはずなのでが、ずっと元気にはしゃいでいた。


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