2004 Thanksgiving in MD,VA



  11/26(Fri) 2日目 Baltimore

 今日はBaltimoreの港の入り口にあるFort McHenry NMに行ってみる。我々日本人には馴染みの無い施設であるが、アメリカ人ならば必ず知っているべき場所なのである。

 時は1812年にさかのぼる。フランス・ナポレオンの時代に英仏は戦争をしていたのだが、中立を保っていたアメリカも『自由貿易と船員の安全のために』、イギリスへの開戦を宣言する。イギリス領カナダへの領土拡大がその根底にあったようだ。この時期、Erie湖でも米英の海戦が行われたことでも知られている。1814年のナポレオンの敗北が決定すると、余った兵力をアメリカに向けてきたのだ。ワシントンを含む東海岸への進撃を行った後、その頃のアメリカの大都市であったBaltimoreを占領すべく、Chesapeake Bayを進撃してきたのであった。9/12に陸上からの進撃、それに呼応して9/13からは港への入り口を守るFort McHenryへの砲撃を開始したのであった。イギリス船からの大砲の方が飛距離があったので、一方的な砲撃であったそうだ。しかし25時間にも及ぶ厳しい砲撃にも関わらず、9/14の7:00にいつものようにアメリカ国旗が翻り、朝の礼砲・合唱が朝もやの中で聞こえてきた、という話である。

 アメリカ人の大好きな、『いくらやられてもへこたれないぞ、ロッキー魂』、といった感じのストーリーなのだが、これには裏話があって、イギリスのワシントンへの進撃の際に、酒に酔ったイギリス兵を牢屋に放り込んでしまったDr. William Beanesを、イギリス軍が捕虜として捕らえた際に、友人のFrancic Scott Keyが解放交渉のためにイギリス軍に乗船していたというのだ。砲撃の後、朝もやの中で毅然とたなびく星条旗(The Star-Sprungled Banner)をイギリス側から見て感動し、詩を書いたものが現在のアメリカ国歌になったのである。そして、この砲撃の際にもたなびいていた旗は、DCのNational Moleに大切に保存されているのだ。そして結局、イギリス軍はBaltimore攻略を諦めてしまったのである。

 砦は、北海道の五稜郭のようなデザインであり、大砲や弾薬庫などが保存されている。

 15の星で飾られる星条旗が、強い風にあおられてたなびいていた。日本との比較になってしまうが、一本の国旗のもとに集まるアメリカ社会を、私はどうしても羨ましく感じてしまう。

 砲撃の傷跡も残っていないただの砦と言ってしまえばそれまでであるが、こうした19世紀前半のアメリカの歴史に興味があるならば、是非訪れることをお勧めする。

 参考までにアメリカ国歌の歌詞は以下の通り。

Oh, say can you see, by the dawn's early light,
What so proudly we hailed at the twilight's last gleaming?
Whose broad stripes and bright stars, through the perilous fight,
O'er the ramparts we watched, were so gallantly streaming?
And the rockets' red glare, the bombs bursting in air,
Gave proof through the night that our flag was still there.
O say, does that star-spangled banner yet wave
O'er the land of the free and the home of the brave?

 メロディーは以下のサイトなどで聞くことが出来ます。
Smithonian 国歌の生い立ちについて詳しく書かれている。
Unofficial American Frag Page 国歌の音符つき。

 次にNational Aquariumに向かうこととする。周辺には駐車場もあるが、路上駐車も可能であった。水族館は海岸沿いにあるのだが、ウオーターフロントが再開発されて、まるで神戸にいるような錯覚に陥ってしまった。
 周辺には博物館を兼ねた船が展示されており、これらを一つ一つ訪問するのもいいだろう。
 入場料が高く、雰囲気は大阪の海遊館を少し小ぶりにしたような感じか。入り口にはエイとサメが待ち受けてくれている。
 まずは人気のイルカショーへ。これがあるがために入場制限をかけていた。少し入るのが遅れたのだが、運良く前の方にいい席を見つけることが出来た。ショーは日本でよくありがちなサーカスちっくなものでは無いが、ジャンプもそこそこきめてくれるし、観客を濡らすことに一生懸命であるようであった。
 Yはすっかり『ドルフィン』のとりこになってしまったようだ。ショーが終わった後も、ずっとイルカを見ていた。
 カブトガニや貝のタッチコーナーでは、少しびびって腰が引き気味。お昼になったので鯨を見上げながらランチとする。
 金曜日の水族館の営業は20時までなので、一旦水族館の外へ出て観光することとする。最近知ったESPNという施設があったので、入ってみる。今後日本でもこういった施設がはやっていくに違いない。
 町並みは古いもので、中心部には教会とWashingotn Monumentがあった。
 町の南にBaltimore & Ohio Railroad Museumがあるので、行ってみることとした。ここは1829年にアメリカで初めて蒸気機関車が運行された所なのである。竣工の基礎石・始めてのモデルがまず玄関口に展示されている。

 この鉄道は、昨日訪れたC & O Canalと競合するように発展していき、そしては西部へのパイプラインとなっていった鉄道である。
 大きな回転台が保存されており、中には多くのSL(=Steam Locomotive)が保存されている。Scrantonと比較して、古いエンジンが多いのが印象的であった。また鉱山などで使用された歯車を介したエンジンもあった。
 Clevelandでは味わえないような体験をしているに違いないのであろう、Yはずっとご機嫌であった。文字による解説がScrantonと比較して少ないように思うが、来年の5月にはrenewal openがあるようなので、機会があればまた訪れてみたいものだ。
 サイドウオーターフロントに戻って、水族館本館の見学に向かう。一つ一つの魚を説明していくのだが、ちょっと親の方がばててきてしまった。
 動物・魚にもいろいろな種類がいるのだということを、わかってくれたと思うのだが、、、。
 外に出ると、すっかり外は夜になっていて、まるで神戸の夜景を見ているようであった。

 海沿いにショッピング街・Harborplaceが整備されており、レストランなども充実している。その中のPhillip's Seafood BuffetでDinner Buffetを食べまくる。



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