Weekend 2020 December(3)



 12/26(Sat)-28(Mon) Charleston, SC

  年末は日本への一時帰国を考えていたのだが、この新型コロナウイルス蔓延のために、国際移動はほぼ不可能になってしまった。かといって、アメリカ国内を飛行機で移動するのも危険である。そんな中見つけたのが、Charleston 100 miles raceであった。あいにく11月中旬の時点で、レースは完売となっていたが、このコロナ禍のために全員が出走するとはまず考えられない状況であった。そこでRDに突撃メールを送ったところ、キャンセルが出ており出走することが許可された。Rim to River 100Mから7週間、Hellgate 100km+から2週間であったが、体の調子も良好であった。

このレースの特徴であるが、”unofficial race”ということで、エイドステーションは無し、コース表示も無し、ということが上げられる。また100マイルレースなのに、驚きの無料であるという設定だ。100マイルをエイドステーション無しで走りきるのは絶対に無理なので、ある程度の補給プランが必要である。またコース表示も無いことから、しっかりとコースマップを頭に叩き込むことが要求される。レース情報については、Facebookでグループが形成されており、ある程度入手する事が出来た。コースに関しても、Google Mapなどを駆使して、完全に頭の中に叩き込むことが出来た。エイドステーションに関しては、2か所でボランティアで開設される情報をつかみ、ある程度計画を立てることが出来た。また以下のサイトでは詳細な地図も表示されているので、参考になる。
https://routes.rungoapp.com/route/QEmvE5DJcl?fbclid=IwAR3eGOQ_sSyv-PJN8MKoWxMTOh9pmXORpUkAsE2xhybHou95T54UIXEihiQ

当初は土曜日早朝に出発する予定だったが、緊急手術が入ってどたばたして、ようやく土曜日の午後に出発することが出来た。明るいうちに到着したかったのであるが、現地到着は暗くなってからであった。まず向かう先は、コースの折り返し地点となる50M地点だ。このGreenwayでの往復8マイルは、補給が得られない難しいポイントとなると予想されていたからだ。真っ暗となったトレイルの出口に車を停めて、木に補給の水をくくりつけておく。ゴミ箱も設置されているため、補給後のごみの投棄も便利だ。

 同様に、水のデポを10M, 24M, 28M, 42Mに残しておいた。実際のレースでは更なるボランティアスポットもあり、結果的には以下のような補給ポイントとなった。

10M 曲がり角の木デポ
17M 私設AS
23M私設AS、公園水
24M 公園デポ、トイレ
26M トイレ
28M 三差路デポ
36M 公園水
39M 公園水、トイレ、私設AS
42M 入口デポ
43.5M私設AS
50M私設AS、デポ
56.5M私設AS
58M 入口デポ
61M 公園水、私設AS
64M 公園水
72M 三差路デポ
74M トイレ
76M 公園デポ、トイレ
77M 公園水
83M 私設AS
90M 曲がり角の木デポ

 Colonial Lake
 Charleston市街
 奴隷市場があったりと、改めて南部に来た事を痛感する。
 Cooper River Bridgeのたもと

 デポを設定した後は、レーススタートとなる公園に駐車して、スパゲティを頂く。就寝は後部座席に設置した移動ベッドだ。

 レースは6時と9時の2部スタートとなっており、まだ暗い6時に第一陣がスタートする。日も差した後、第二陣がスタートだ。天気は良好だが、朝晩は2度前後まで気温が下がりそうだ。また風も出そうなため、上はTシャツ+長袖+ウインドブレーカー、下は白パン+タイツで出撃することとする。下もウインドブレーカーの持参を考慮したが、今回は大丈夫そうだ。ヘッドライトは、LED lenserを持参する。補給には、飴とキャラメルを持参する。これだけでは完走できないであろうが、何とかなるだろう。
 まずはチェックイン。
 そしてレースの説明だ。
 そして9時にレースはスタートだ。まずは、トラックを4周する。そして、1マイルでUS-17に出る。大きな交差点を考えれば、南側を走る方がいいだろう。前方には7−8人いるであろうか、9−10分ペースでリラックスして走っていく。腕時計のGPSだが、いきなり誤差表示をはじめてしまい、以後は使い物にならなくなってしまった。まあ覚えているマイル数、時間だけでなんとかなるだろう。
 6マイルで左折して海に向かう。最初は路肩を走るが、しばらくは歩道となる。湿地帯に出ると再び路肩だが、十分な幅だ。前方には、雄大な景色が広がる。
 そして大きな橋を登れば、大西洋が見渡せる。
 橋を下りて10マイル、ここで最初の水デポ地点だ。サポートがある人は、ここで補給を得ていたようだ。ここから28th Avenueまでの折り返しだ。自分の順位などを確認できるであろう。行きは北側を、帰りは南側を走るといいだろう。そして海に沿って西に向かう。13マイルでは橋を渡る。ここでややお腹の調子が悪く、16マイルでは建築中の住宅の仮設トイレの世話になる。
 17マイルで再び折り返し、この先に私設エイドがある。あまり食欲は無いのだが、飴をゲットする。そして19マイルで左折だ。
 ここでも自分の順位などを確認することが出来るが、もう一人旅になっているようだ。再び大きな橋を渡って20マイルだ。果てしない湿地帯を走る。そして住宅地に入っていく。この辺りの曲がり角も、昨日予習しておいたので簡単であった。Center Street, Pitt Streetがポイントだ。そして23マイルのPitt Streetの折り返しだ。普通の観光客も多く歩いている。ここに私設エイドがあった。
 パスして24マイルの公園を目指す。トイレを済ませて、ここで水を1L全で補給する。この辺りで後続ランナーに抜かれたりするのだが、よく順位がわからなくなってくる。どうやらコースミスをしているランナーもいるようだ。そしてShem Creek Parkへ。ここにはおしゃれなレストランが多い。ここで折り返しだ。そしてゴルフ場の方へと左折していく。ここも偵察済みなのでいいのだが、コースミスしているランナーもいた。そして最後は右のトレイルに入っていき、展望台で折り返しだ。ここで6時スタートランナーを抜き去る。そして橋への道へと向かう。
 Cooper River Bridgeであるが、80mくらいの標高があり、登りは歩きと走りを交えて処理していく。前後にランナーは見えなくなってくる。後半は下りが長いので、いいペースで進む。そしてCharleston市内に入っていく。ここは多くの人と車があるのだが、歩道は石畳で走りにくいので、すきがあれば車道を走るようにする。ここからはちらほらと6時スタートランナーを抜いていく。そして36マイルのColonial Lakeだ。ここには水があるので助かる。そし39マイルポイントとなるHampton Parkだ。水とトイレがあるとともに、大きな私設エイドがある。ここで知り合いとなったCに出会う。時刻は16時過ぎ、まあまあのペースだ。ここでピザを頂く。
 補給を終えた直後なので、ゆっくりとしたペースで走る。ここで軍団に抜かれるが、歩いたり走ったりのいいペースで先を走ってくれる。平坦な橋を渡り、US-17を横切る場所がやや交通量が多くて横断しづらい。そしてGreenwayに入っていく。日も落ちてきたので、水分はあまり必要とはしない。平坦な舗装された道を西に進む。日も落ちてきて、空が綺麗だ。多くのランナーもいて、誰がレースに参加しているのか定かではない。18時になる頃には暗闇となり、ヘッドランプを点灯する。道がやや左にカーブしだすと、折り返しだ(18:15)。ここでデポ水分補給だ。私設エイドもあるのだが、本来ならば気温も下がってきて、暖かいものが欲しいところだ。
  ここが中間点、スピードも落ちてきているのだが、帰りは12時間くらいかかるであろうか。ゆっくりと元来た道を進む。ヘッドランプの明かりを頼りに、数グループのランナーを抜いていく。また、後続ランナーの確認も出来る。走りと歩きを交えて、61マイルのHampton Parkに帰ってくる。トイレは夜間のためしまっていたが、私設エイドは開けていてくれた。水は半分補給として、64マイルのColonial Parkへ。市街地は、夜なのにまだまだ交通量が多くて注意が必要だ。そして後半の山場であるCooper River Bridgeへ。風が冷たい。歩きに徹して登り切り、うまく温度調節をしながらHog Islandへ。1マイル先にランナーがいるのだが、あちらの方が元気があるようだ。折り返しの後、水デポ地点へ。ここで後半のためにしっかりと補給する。ゴミは近くのガソリンスタンドへ。一応ガススタで補給という方法もあったのだが、この時間になるとどこも開いていない。Sham Creekのトイレへ、そして折り返し。何か胃がむかむかするのだが、76マイルではキャラメル状のものを少量吐いてすっきりする。気温も下がってきて、睡魔も襲ってくるため、しんどい地点だ。再び折り返し、そして80マイルを突破、大きな橋を渡る。前方ランナーとは1.5マイル差だろうか、しかしスピードが上げられない。よたよたと足を進め、83マイルの私設エイドへ。ジンジャエールが美味しい。そして89マイルへ。胃がおかしいので少量のポテトチップを胃に入れると、うまくジンジャエールの残りかすみたいなものを吐くことが出来た。やはり水が一番の補給のようだ。90マイルで最後の補給をした後、最後のランにとりかかる。前方後方3マイルとも、全くランナーの姿は見当たらない。

 現在地を6時間毎にRDにテキストするシステムなのだが、ここで残り10マイルのテキストを送る。20時間切りはもう無理だが、頑張れば自己ベストは可能だろうか。しかし、ずっと走り続けるモチベーションが足りない。そして最後の2マイルへの曲がり角が見えてくる。自己ベストを更新できそうな感じなので、がぜんスピードが上がってくる。道を間違えたら大変なので、しっかりと現在地確認もする。そして、最後のトラックへ。最後の一マイルがしんどいのだが、最後は2'10''で回ってゴールする。


 タイムは21:30:47(PR)、驚いたことに総合4位、男子3位だということだ(4/58)。どうやら先行ランナーにもDNFがあったようで、52%という低い完走率であった3位入賞のマグカップ、$60のバックル、帽子などを頂く。これで無料とか驚きだ。

 今回のレースは初めてのロード100マイルということで、靴をHOKA Clifton 7で走ってみた。足は全くの無傷であったが、トレイルと比べてやはり衝撃が強いのか、膝にやや違和感があった。靴底の弱いHOAKであるが、案の定すり減りは見られた。あと2回くらいで交換になりそうな予感だ。コース全般はやや橋があるものの、走りやすいコースだと思う。やはりエイドが無いということで厳しい条件となるが、隠しエイドを作っておけばある程度対応できると思う。そして何より無料というコンパクト感は素晴らしいと思う。レースを開催してくれたRD、ボランティアの方には感謝したいと思う。

 ゴール地点で3時間程度仮眠した後、帰路につくのであった。土曜日に緊急手術、日曜日に100マイルと忙しい週末であったが、無事に安全運転で帰宅することが出来た。また機会があれば走ってみたい、そんな大会であった。



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