Weekend 2020 December(2)



 12/11(Fri)-12(Sat) Natural Bridge, VA

 今日は、Natural Bridge, VA近くで開催されるレースに参加するために、早退して出発する。3時間弱のドライブだ。そしてまずはNatural Bridgeへ。高さは66m、幅は27mある。
 これを川の浸食が作り出したのには驚かされるが、この上には国道が通っていることにも驚かされる。
 ジョージワシントン、トーマスジェファーソンも訪れたことのある、歴史ある史跡だ。
 次に、翌日のレースのスタート地点に向かう。
 Hellgate、なかなかインパクトのあるトレイル名だ。このゲートから、深夜に出発する。
 次にAS7となるBearwallow Gapへ。傾斜は緩いが、ここからは厳しい登りだ。
 更にBlue Ridge Parkwayへ。ここにはアパラチアントレイルも通る。
 ちょうど夕焼けが美しい。明日はこの時間前には到着したいものだ。
 最後にAS8となるBobblets Gapへ、ここにはBRPW下に林道が走る。
 18時前には、ゴール地点となるCamp Bethelへ。ゼッケンをゲット、パスタディナーをゲットした後、レースの説明だ。その後はなるべく車内で眠りをとる。

 さて、このHellgate 100km+のレースをレポートする前に、やはりこのレースの主催者=Dr. David Hortonについて述べなければいけないであろう。彼はLiberty Universityでスポーツ医学を教える傍ら、多くのウルトラマラソンに参加し、JFK 50M, Hardrock 100M優勝の経歴を持つ。ウルトラマラソン界のレジェンドで、現在でもVirginiaでいくつかのウルトラマラソンを主宰する今でも元気な70歳のアスリートだ。

 レースへのエントリーだが、参加は150人までの書類選考だ。12月のVirginiaの山岳部で行われるため、天候に大きく左右されるレースで、レースの大きな特徴として、深夜の0:01スタートという変則レースだ。レースへのエントリーは、通常10月に行われる。制限時間は18時間だが、17時間以内にゴールすれば、Western States 100Mへの参加資格も得ることが出来る。
 UTMBやAngels Crestの完走を記載して、無事に書類選考を通過、現地には金曜日のお昼過ぎに到着した。18時からはゼッケンのゲットとパスタディナー(ピックアップして車内にて)、19時30分からはレースの説明だ。そして23:10には送迎のバンに乗車する。今年は新型ウイルスのために、25人毎のスタートとなり、私は計6ウエーブの中で第3ウェーブのスタート=0:11であった。目標は16時間切り、悪くても17時間切り、最悪でも完走という目標タイムを設定する。

1、 スタート〜AS1 (3.8M)
 スタートしてからは全く整備されていない林道を走っていく。緩やかな登りだが、走って登れる傾斜だ。25人中、中の下くらいの順位だろうか。そして2マイルで右のトレイルへ。落ち葉が多くて、コースのサインが無ければ進むのは困難であろう。最後に8mくらいの川を渡渉するのだが、石が丸くて滑りやすく、危うく転倒しそうになる。そして林道に合流して、AS1に到達する。


2、 AS1 (3.8M)〜AS2 (8.1M) = 4.3M
 林道はしっかりと整備されたもので、走りと歩きを交えて登っていく。頭上そして下方には、数々のヘッドランプがきらめく。一定のペースを保って登っていけば、Blue Ridge Parkwayに合流する部分にAS2はある。ここまで登ってくると、夜の寒さと稜線の寒さが厳しくなる。ここまで登りでは抜く方が多かった。

3、 AS2 (8.1M)〜AS3 (14.2M) = 6.1M
 ここからはトレイルの下りだ(1.5M)。かなり岩が多いのだが、落ち葉も少ないので、真夜中といえども快適なダウンヒルを楽しむ事が出来る。1.5mileで右のトレイルに入っていく。ここからは非常に踏み跡がか細いトレイルで、僅かな落ち葉の凹みを頼りながら進んでいく。2マイルで再び整備された林道に出て、500m近い登りだ(2.8M)。気温もどんどん下がってくるので、温度調節をしながら早歩きで上を目指す。そして風の強いAS3だ。

4、 AS3 (14.2M)〜AS4 (24.6M) = 10.4M
 ASでは補給をし過ぎたせいで、胃を落ち着かせるためにその後続く登りではゆっくりとしたペースだったが、徐々にペースを上げていく。しばらくは未整備の林道をこなしていく。北側斜面には、雪も見られた。このセクションは10マイルと長いのだが、単調なコースなのでそれ程アップダウンは感じない。最後は整備された林道に出て、AS4に到達する。時刻は5:30、カットオフは6:51、ここまで順調なペースだ。眠気も全く感じなかった。

5、 AS4 (24.6M)〜AS5 (30.8M) = 6.2M

 ASでチキンスープにじゃがいもを入れてもらったのだが、ちょっと食べ過ぎたようだ。5分程度歩いて1回目の嘔吐が入る。お腹の調子が悪いようだ。ここからは快適なダウンヒルなのだが、あまりスピードが上がらない。コースも僅かな踏み跡で石も多いので、神経を使いながら一定のペースで下っていくようにする。この辺りからは、力のある後続ランナーにどんどん抜かれていく。そして徐々に空が明るくなる頃(7:00)に、AS5に到達する。ここも計算通りのタイムだ。ヘッドランプは背中のバッグに収納する。

6、 AS5 (30.8M)〜AS6 (38.5M) = 7.7M
 ASからは整備された林道を、ドン付きまで300m弱登っていく(2.5M)。そしてトラバース、再び林道に出て下り、また踏み跡の少ないトレイルを計300m強下る(3.5M)。そして、再び整備された林道をドン付きまで150m登っていく(1.7M)。元気ならば十分走って登れるのだが、早歩きで処理していく。夜明けを迎えたBlue Ridgeが美しい。

7、 AS6 (38.5M)〜AS7 (47.2M) = 8.7M
 ここまでかなりダメージを追ってきているので、走りやすい旧林道トレイルなのだがあまりスピードが上がらない。だましだましトラバース道をアップダウンしていくのだが、思っているよりも距離が進まない。そしてトレイルは、更にか細いものとなっていく。急斜面の上に石があり、その上に10‐20cmくらいの落ち葉が乗っかっている。捻挫しないように、足探りのゆっくりとしたペースにしかならない。レース前はあまり気にしていなかったのだが、実はこのセクションはこのコースの一番難しいセクションだと思う。山を左、左に回り込んでいき、最後に2山超えればやっとAS7だ。時間は11:10、目標の16時間ペースより10分遅れてしまったが、17時間切りにはまだ50分貯金があるようだ。日も差してきて暑いくらいなのだが、風はまだまだ冷たい。食欲も無いのだが、オレンジにかぶりついて300m強の登りに入っていく。

8、 AS7 (47.2M)〜AS8 (53.2M) = 6.0M
 一定のペースで登っていく(1.8M)。そして道はトラバースするトレイルに入っていく。ここが勝負どころとわかっていたので、平坦区間は積極的に走っていく。トレイルは非常によく整備されたものだ。大きな尾根を3つ回り込んだら、BRPWが見えてくる。最後に急な下りがあって林道の登りになるのだが、ここで完全に水切れで急にノックダウンが入る。最後の力を振り絞ってASに倒れこむ。2カップのジンジャエールを胃に注ぐのだが、もう手遅れだったようだ。寒気もしてきて焚火にあたるのだが、やはり全部吐いてしまった。時間は13時間ちょっと、予定の16時間ペースには35分遅れ、まだ17時間には貯金は25分、ここで長居をしていても光明は開けない感じだ。水だけ補給して、ASを後にする。

9、 AS8 (53.2M)〜AS9 (61.0M) = 7.8M
 ここからの2.5Mの下りも勝負所とみていた。大嘔吐の直後だったが、11分前後で処理していく。目標は2時間で次のASだ。当初は荒れた林道だったが、舗装路に変わっていく。そしてレースのキモとされる最後の荒れたトレイル5.1Mだ。登りは3つあり、ゆっくりだが確実にゴールに向かって足を進める。ここでも水分切れとなる頃、ようやく歓声の聞こえるAS9に到達する。ちょうど2時間で到達、あと1:50でもう一山処理しなければいけないが、鞭を入れれば何とかなるだろう。
10、 AS9 (61.0M)〜ゴール(66.7M) = 5.7M
 ここのASでは、大好きなsweet teaがあったのでがぶ飲みする。何か食べるものをということで、ブドウを頂きASを後にする。しかし10分歩いたら全て吐き出してしまった。しかし不思議なもので、吐くと逆に楽になる。コースは整備された林道、そして荒れた林道へと変わっていく。一定のペースで足を進め、48分で350m近くを登り切る。時間は15:58だ。残り3.4Mは林道(整備→未整備→整備)の下りだ。歩かなければ、大丈夫だ。そして残り1マイルのマーカーを通過、最後は足にダメージを残さない走りをして、Dr. David Hortonの待つゴールだ。16時間42分9秒、16時間切りには届かなかったが、目標の2022 Western Statesの出場資格をゲットする事が出来た。134人出走、121人完走、90%の完走率、順位は99位でした。

 このコロナ禍の中でのレースだったが、非常に良く運営されたレースだった。実はAS8を前日に下見したのだが、そこで山上前泊するレースボランティアの方とお話しする事が出来た。こういった熱意あるサポートがあるからこそ、安全に走れる事を痛感したレースであった。コースはレース名が示す通り、かなりきついコース設定だが、5%くらいの登りを楽に走れるならば、非常に楽しいレースであると思う。またもや消化器系に問題のあった体調だったが、大きなレースの少ない12月のイベントとして再参加もありだと思う、そんな印象深いレースであった。
 商品は、パタゴニアのフリース、靴下、ステッカー、長袖だった。
 全体を通してのペースだが、何とか後半も壊れずに頑張ったという感じだ。天候が良かったのだが、余分に汗をかいて脱水気味になってしまったのだと思う。最後もダメージを残さないように走ったので、簡単に15分程度は速く走れそうだ。
 レース終了後は、現地で1時間の仮眠、I-77に入ってから再び仮眠を2時間取って、午前様で帰宅した。

 昔からの観光地でもあるので、スプーンはゲットしておいた。


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