Running (2006.12)


月日
曜日
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12/1
       VW 97/97問、明日から次の段階に進もう。外は寒波で冷え込んできた。

 12月は、実は一年の中でも一番嫌いな月だ。(1)年末で慌しい、(2)まだ(冬至まで)日が短くなる、(3)寒い、(4)病院行くのも帰るのも真っ暗、しこしこと勉強しているせいもあり、何だか暗い気持ちになってくる。私自身はあまり自覚は無かったのだが、日本の『受験戦争』をくぐりぬけ、そして再びこうして次の『受験』を目指している私は、何を目指しているのであろうか?

 自分のため?それだけではないだろう、やはり医学のため、そういった気持ちが根底にあると思うのだが、そういった気持ちを踏みにじる社会的・経済的な日本の医師叩きには、モチベーションを見出すことが困難であるように思う、、、あまり考えないようにしているのだが、今日は早く寝たほうが良さそうだ。
12/2
       今日からQ bank IMの開始、65/162問、速読、速読、速読! Impressionとして、X dayは2月下旬から3月上旬にしようかと思う。
12/3
11.0
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追い炊き 渡米することによる日本人にとっての一つのストレスが、お風呂ではないかと思う。アメリカ人にはそういった習慣が無いのであろうが、たぷたぷの湯船に追い炊き機能のついたお風呂を、アメリカでは見たことが無い。特に古い家などには、少ない容量のタンクにお湯を貯めこんでいるタイプのボイラーなので、ある一定量のお湯を出してしまえば、冷たい水しか出てこず、これが非常に大きなストレスとなる。(インターネットで調べてみると、日本でおなじみの湯沸し機もあるようだ。)

 これはY先生のアイデアなのだが、『キャンプでお風呂』計画を構想中であるらしい。その一環としてこの機械の購入を依頼されてしまった。税込み$68.74である。構造は簡単で、ポンプで水を循環させて、その途中で水をコンロで暖めという仕組みだ。

 早速Cabelasから物が送られてきたので、試してみることとする。洗面所にコンロということで、何やら物騒ではあるが、予想していたとおり、普通ならばどんどんお風呂のお湯が冷えていくところを、しっかりと温度を保つことが出来た。システム自体は大掛かりで、お金もかかっているのだが、これからの寒い季節、ささやかな幸せになることであろう。

 100/262問、きついわ。クリニックのイベントに参加した後、買出し、帰宅途中でおろしてもらって、ランする。きっちり7分/mileで走ってみる。最近伴走ランが多かったせいか、少ししんどかった。  

12/4
       LVAD、Dが吻合中aortaが一部裂けたので、時針器をとり上げる。彼はイラク出身なのだが、しかし打たれ強いわ。日本人も真似をしなければいけない。
 25/287問、ちょっと難しすぎひんか? 麻酔薬を吸ったせいか、体がやけにしんどい。
12/5
       Atricurex1、75/362問。睡魔が襲ってきてからは、打ちのめされる。
12/6
      空母 最近Charlestonで空母に乗っていろいろと考えされられたわけだが、New Yorkの空母Intrepid、こちらは船体修理ということでNJに向かい、しばらくは展示されないということだ。印象的だったのは、記念式典ではヒラリー上院議員も参加するものであったということだ。
 この空母には、NY訪問の際に過去2回搭乗したが、2回の神風特攻隊の攻撃を受けた艦として知られている。最近硫黄島の映画が上映されていることもあるのだが、今まで左より教育でどちらかというと紹介されなかったこういった日本の歴史に対して、しっかりと目を向けていくことは必要であるように思う。私自身知覧や靖国にはまだ行ったことがないのだが、我々日本人の過去を知ることは必要であるように思う。

www.intrepidmuseum.org

 Atricurex2、絶対に吸入麻酔薬が手術室にもれている。みんな異様にしんどいようだ。何とか配管がならんのかいな? 今日はバックアップ用(失礼)に、CT surgにCVを手渡しするために突撃する。もう来年度の応募は集まっているそうだが、やはりCCF勤務者ということで、感触良好。突撃を繰りかそうか、、、。25/387問、Step 1,2はだらだらやっても余裕で時間内に終わることが出来るのだが、Step 3は問題文が長いだけに、読む力の100を使用してやっとぎりぎり最後まで問題をこなせる感じだ。問題を読む際の集中力が必要であることを痛感する。
12/7
     

Smoking Ban 今日の話題はタバコ、健康を害することが確定しているし好物だが、アメリカでは自分の健康に対する関心が強く、タバコの副流煙を吸うことに明らかな自己主張がある。先日のアメリカ中間選挙の際に、このSmoking Banについてもその是非を問う投票があったのだが、いよいよ明日からここOhioでも公共の場でタバコが吸えなくなる。レストランしかりナイトバーしかり、アメフトなどの野外スポーツ観戦ももちろんご法度である。もちろん全ての灰皿を突然撤去することも不可能なので、その罰則規定には移行期間があるようだが、いよいよ始まったという感がある。

 かくいう私も以前仕事のストレスによって何度かタバコを口にしたことはあった。しかし走り初めて自覚する明らかな肺機能への変化に愕然として、一気に禁煙を達成することが出来た。タバコを吸う人=自己管理の出来ない人=責任ある仕事を任せられない人、こういった公式がアメリカにはあるように思う。医療費の多くを自己負担しなければいけないことにもその理由はあると思う。

 成人心疾患の治療にあたっていた際、その90%以上の人が禁煙者であった。私の印象では、冠動脈疾患の人=タバコを吸う人(=以下、上の公式)という印象がある。別に吸う人が他人に迷惑をかけなければ別にいくら吸ってもらってもいいのだが、副流煙の問題、そして医療費の問題は、日本でも大きな社会問題になるべきであると思っている。医療保険制度の問題にも立ち返るが、喫煙者と非喫煙者の保険料が同額であるというのはどうしても納得できない。タバコ禁止先進国のアメリカであるが(ちなみにドイツでは、Smoking banは却下)、今後のこの流れに注目していきたい。


 Atricurex2、4日連続でみんなばて気味。Ref letter4通の提出。書類ワーク。継続は力なりと信じて、眠たいながらも25/412問。眠たい時は当然のことだが、結果も悪い。

12/8
     

兵庫ドミノ倒し 以前にもこの日記でとり上げていた話題だが、この春に現実のものとなるようだ。

ttp://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20061207

1、 ノストラダムス? 一般の方は他人事だと思っていらっしゃる方も多いとは思うが、これは仮定の話ではなくて、現実の話である。私の10月の帰国の際にも、こういった話は多く聞きました(三木は本当にやばい)。

2、兵庫県は特殊か? 秀吉の播州制圧に時間がかかったのは、周知の通りである。上月城しかり三木城しかりである。私自身が兵庫県で感じる『おらが町』感情は、その一つの理由であったような気がする。兵庫県中部は盆地が多く、制圧しにくい=大きな医療圏の構築が難しいのではあろうが、しかしこういった現象は兵庫を問わず全国的に地方では発生しているものと思われる。

3、教育問題 最近崩壊やむななしという医療側のコメントを多く目にするが、崩壊後を論ずる場合に、既に次世代を教えるべき中堅医師が不在であるという声が各地で上がりだしている。『医療』、『研究』、『教育』、医療はこれらがバランスのとれたサイエンスであるべきだと思っているのだが、時代はこれとは全く相反する方向に向かっているように思う。

4、医療圏 兵庫県の医療はどこに向かっているのか、どうあるべきなのか? 日本が模倣しようとしているアメリカを例えに出すために、日米の地図(同縮尺)を比較してみたい。

 私の住んでいるOhioは11,464,042人(ちなみに全米7番目)、兵庫県は5,595,212人の人口。大きな医科系大学は、Clevleland, Columbus, Cincinnatiにある。ClevelandからCincinnatiまで(地図の右上から左下)は、私にとっては4時間半のちょっとした短いドライブだが、同じ距離の福井から高知はちょっとした冒険だな、と思ってしまう。
 こうしてみると、関西・北陸・名古屋・岡山・四国にそれぞれ巨大な医療センターを作れば、それで事たるようにも見えてくる。日本の場合、移動時間が単純では無いので、それが難しいのだが、、、。

 三木・小野・西脇・社などの崩壊が伝えられているが、実はClevelandのEast suburb・West suburb間の距離も無いのだ。交通事情の大きな相違があるのだが、もう少し医療圏を再構築していく必要があると思う。そしてシステムもそうだが、その変革に同意するような民意(地方コンビニ病院は廃止すべきでしょう)も作り上げていかねばならないのであろう。多くの自治体が破産して、再統合、一大医療圏(自治体)を作っていく方が、現実味がある話かもしれない。

余談1:兵庫県の場合、集約化うんぬんの前に全戦線で敗色濃厚で、神戸−姫路ラインを残して全て崩壊しそうな状況である。豊岡がどこまでがんばれるか? ここが唯一の残されたお城です。そして上(日本海側)から押し寄せてくる攻撃に、下の神戸−姫路ラインだけでは持ちこたえられるでしょうか? 神戸市が台形の右下にあるという、集約化の難しい地形的要因が大いに関与しています。

神戸新聞の特集:兵庫県中部で、今何が起こっているかがわかります。
ttp://www.kobe-np.co.jp/chiiki/rensai/200608iryou/index.html
ttp://www.kobe-np.co.jp/rensai/200609doc/index.html
ttp://www.kobe-np.co.jp/chiiki/rensai/200611iryou/index.html

三田市民病院(113,707人):健在 (ここは大阪・神戸へのアクセスが良好)
三木市民病院(84,672人):眼科(2006.6)・皮膚科(2006.4)・小児科(2005.7)・産科(2005.7)・神経内科(2005.7)崩壊
小野市民病院(50,471人):産科崩壊(2005.6)、循環器崩壊中
公立社総合病院(21,375人):産科(2003.4)・小児科(2006.9)崩壊
西脇市民病院(43,945人):眼科崩壊、内科崩壊中 改築中
市立加西病院(50,225人):産科(2006.5)崩壊
兵庫医科大学篠山病院(46,865人):病院自体が崩壊中
柏原日赤病院(72,940人):病院自体が崩壊中
県立柏原病院(72,940人):循環器崩壊
公立八鹿病院(28,306人):産科(2007.4)、小児科崩壊 改築中
公立豊岡病院(89,205人):健在
*カッコ内はその市または町の人口

赤穂(52,209人)・相生(33,115人)・たつの(82,413人)・姫路(536,144人)・高砂(97,878人)・加古川(266,142人)・明石(290,990人)・神戸(1,528,948人)・芦屋(92,152人)・西宮(471,573人)・伊丹(193,389人)・宝塚(219,749人)・尼崎(462,316人) これが下の防衛ライン

ちなみに下の防衛線上でも産科崩壊している病院は以下の通り。
県立加古川病院、西宮市立中央病院、高砂市民病院、神鋼病院

病院自体が崩壊していっている病院は以下の通り。
県立加古川病院、高砂市民病院、神戸西市民病院

 人口をみれば、崩壊するべくして崩壊しているとも言えるであろう。また、これだけ崩壊している中で、未だ『箱』を作っていることにも驚かされる。そのつけは今後、地方住民が背負っていくことになる。またこれ以外にも、神戸大学のみならず大阪大学麻酔科が崩壊していっている現在、外科系診療科が崩壊していくのも時間の問題であると考えられる。

余談2:兵庫県の医療体制に問題のあることは、昔から指摘されているが、その顕著たる例が、『がん診療連携拠点病院』であろう。兵庫県は44施設を申請に出して、却下されるという失態を演じた。本来ならば兵庫県立成人病センターがトップになり、10ある二次医療圏に一つずつの11が指定されるべきものである。自治体ごとのどんぐりの背比べが悪影響を及ぼした、顕著な例であろう。

ttp://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000079630.shtml

【二次医療圏】
神戸:     神戸市     1,528,948
阪神:     尼崎〜三田  1,745,215
東播磨臨海: 明石〜高砂   721,069
西播磨中部: 姫路〜たつの  765,051
東播磨内陸: 三木〜加西   293,921
西播磨西部: 赤穂〜相生   103,682
北但馬:    豊岡        89,205
西南但馬:  養父       103,130
丹波:     丹波〜篠山   119,805
淡路:     淡路島      157,527

 こうして人口を眺めてみると、豊岡に北を支えてもらわなければいけないことが良くわかる。東播磨内陸・丹波は、それぞれの医療圏が独立してくれればいいが、中国自動車道・福知山自動車道という高速道路もあることだし、恐らく南に流れていくものと思われる。

 50/462問。

12/9
       150/612問。
12/10
7.0
Jog
   75/687問。日差しに誘われてMetroparkへ。
12/11
     

医療訴訟 医療訴訟が増加している今日この頃であるが、2001年4月に医療訴訟(民事)を専門に扱う医療集中部が開設された。その後、千葉・名古屋・福岡・埼玉・横浜にも順次設置されているということだ。

ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%BB%E7%99%82%E8%A8%B4%E8%A8%9F 医療訴訟
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E5%B1%B1%E9%9B%85%E8%A1%8C 藤山雅行

 岡山の事件が東京地方裁判所で裁判が行われるというのは、いささか不思議であろうが、我々医師側もこの医療裁判に関して知識を持っていかなければいけないことを痛感する。もちろん我々は医療のプロであっても裁判のプロでは無いので、それにも限界はあろうが、それを人任せ(高額な医療訴訟保険)には決して出来ない日本の医療システムであるので、ある程度医師側が勉強を続けていかなければいけないであろう。本来は医療界がその責務を果たさなければいけないのであろうが、、、。

 Meetingx2、税金還付書類。RP計画として、アメリカ的根回しを始める。CTSでは有名なCCF-Dr.S, NWU-Dr.M, CCF-Dr.G, 母校のDr.Oの推薦状を用意したのだが、今日はPediatric CTS headのDr.DにProgram Directorに電話攻勢をかけてもらうようにお願いする。明日は別のSurgeonに突撃予定。『私を採用しなかったら、いろいろなDepartmentとの関係が悪くなりますよ』、との脅しをかけているようなものなのだが、アメリカはある程度(秘書さんが振り分けている)から先はコネ社会であると思う。残り一ヶ月、なりふり構わぬわらすが攻撃を続けることとする。

 25/712問。『継続は力なり』を信じよう。

12/12
      シュミレーション 外科医はよくトレーニングの一環として、Shadow surgeryを行う。起こりうるべく状況に対して瞬時に適切に判断するとともに、手術を流れるように行うために、一つ・二つ先を見据えて手術を行っていく。しかし、それだけで今の日本の医療界で生き残っていけるのであろうか? 的を得た指摘であるため、このサイトを紹介させて頂きたい。

ttp://members3.jcom.home.ne.jp/3729975002/taffness/TaffnessG13.html

 いつ何時、我々にもお声がかかるかもしれない。しかしその時をしっかりとシュミレーションしておく必要があるのではないだろうか。天下り院長がいるような公立病院などでは、病院が全く頼りにならない時がある。逆に自分の身を売られてしまうこともある。自分の身を守るのは、結局自分である。これからの時代を生き残っていくためには、こういったこともトレーニングとして必要であるように思う。

 今日はDepartment ChairmanのDr.Cにお願いメールわらすが攻撃。Dの指導など。60/772問、へろへろ。
12/13
       Atricurex2、70/842問。Dr.Gにわらすが攻撃、初対面のH先生からいろいろとGeneral Surgeryの情報を頂く。現在KAPLAN IMをやっているのだが、私も感じていたことだが、かなり問題の質が悪い。どうやらアメリカ医学生の間でも酷評のようで、とっととUSMLE Worldを開始した方が良さそうだ。
12/14
     

日本の宝 野茂投手が切り開いていった大リーグへの道だが、いよいよ松坂投手のレッドソックスへの移籍が決定した。甲子園の決勝でノーヒットノーランを達成した時から、いつかこの日が来るに違いないと感じていたが、他人事ではあるのだが、非常に感慨深いものを感じてしまう。これからも多くの『元気』を頂きたいと思う。がんばって下さい!

 Atricurex1。Dr.Gへのわらすが攻撃から、今日急にVascular Surgeryの大御所Dr.Gとの面会が決定する。お決まりの質問に始まったのだが、自分の言いたいことをしっかりと言えるようになってきた。最後にはこちらからしっかりとなごんだ話題を繰り出して終了、ほとんど本番の面接のようであった。印象はよかったようで、CCFの重鎮・Caseの重鎮に推薦してくれることとなった。そして何より嬉しかったことは、『理想の医学』に対して共通の認識を持っているという
ことであった。7月からの臨床再開に向けて、人生の車輪が回りだしていることを実感する。50/892問。

12/15
      大都市における分娩制限 11/14の日記で崩壊していく東京東部の現状を紹介したが、大阪での危機的状況を朝日が紹介している。



産科医不足、大阪の都市部でも深刻 分娩制限相次ぐ

2006年12月16日

 地方で深刻化している産科医不足が、都市部でも加速してきた。一施設あたりの産科医数が東京に次いで多い大阪でも、産科を閉める病院が続出し、残ったところは分娩(ぶんべん)制限が相次ぐ。大阪市内でお産できる病院は来春、23カ所に減り、3年前の4分の3。お産の場の連携・再編は待ったなしだが、予算も医師も不足しており、拠点病院に医師を集める「集約化」のめどさえ立たない。

ttp://www.asahi.com/special/obstetrician/OSK200612160025.html


 ここまで後手後手に回っている行政(国)の対策を見るにつけ、私を含めて医師全体で何だか(成す術もないという意味で)対岸の火事見物という 様相となってきたような気がする。小児心臓外科に思いが深い私であるからかもしれないが、産科・麻酔科・小児科・小児循環器科・小児心臓外科・小児外科(もちろんその他の科の先生にも多々お世話になることも多い)のチームワークの一角が崩れていくことに、何とも言えない寂しさを感じる。

 PediPump, Acute。思い通りの結果が得られて、一安心。室内の空調にも問題があるのか、麻酔ガスが室内に充満しており、実験のある日は体がしんどい。Dr.DはDr.Sに電話してくれたとの事、本当に感謝したい。ChaimanのDr.CもBMEの"仕事納め会"で話をすることが出来、『必ずサポートする』、と言ってくれた。この国は人間関係を重視する国であることを痛感する。70/962問。

 State of OhioがCleveland Clinicに$60millionというfundingを行うことが、本日正式に決定した。我々チームも大きく関与している総合プロジェクトで、Cleveland Clinicが今後もこの分野で世界を引っ張っていくことが予想される。しかし、$60million、、、日本の科研費なんかとは桁が違います。

http://www.redorbit.com/news/health/769150/state_gives_cleveland_clinic_
and_fairfax_renaissance_development_corporation_60/index.html?source=r_health
12/16
       人格崩壊の260/1,222問。
12/17
6.0
Jog
 

ドリュ・フレンチディレティシマ 山屋の方とメールする機会があり、ついつい昔を思い出してしまった。あれは第一次湾岸戦争の年だった、私はヨーロッパアルプスで、岩に対峙していた。



 ドリュ・ボナッティピラー(左の写真:右のスカイラインルート)、ジェルバズッチ・ピラー(右の写真:左のピークに突き上げる稜)を難なく落とし、憧れのグランドジョラス・ウオーカーピラー(中の写真:左の頂上に突き上げるリッジ、45ピッチ以上はあったはず)もラッシュアタックでこなし、そして最大の目的であった、ドリュ・フレンチディレティシマ(左の写真:正面の日の当たった赤い壁)へと向かった。ここはドリュの中でも垂壁が続く部分として知られている。初日はドリュの肩から懸垂して取り付きへ、そして基部までの判然としないルート。2日目が核心だ。早朝のいきなり空中懸垂から始まり、レッドシールドのクラックを、両肩にずしりと食い込んだフレンズとハーケンを駆使しながらじりじりと進む。3mのオーバーハングは、空中アブミで突破、もう何ピッチ登ったであろうか? 一日中全く足一つ置けるレッジも無い垂壁を、自分の力を頼りに登っていく。核心部の抜け際でフリーに移るのだが、ここで7-8m Fall、怪我も無く、気を取り直して最後の力を振り絞ってテラスに這い上がって後ろを振り返ると、素晴らしいアルプスの夕焼けが我々を迎えてくれた。まさに『レッド・シールド』、あの赤い色を見れるのは、あそこを登った人だけの特権であろう。

 その後訪れたドロミテ・マルモラーダ南壁も、思い出深いルートだ。一本は人気ルートのフィッシュ
を登ったので、問題無かったのだが、二本目は『アブラカタブラ』という難コースを選んでしまった。ルートが判然とせず、支点も絶悪、20mランアウトして、石灰岩の穴にシュリンゲを通して中間支点、そこからスカイフックの連続で上部へ、、、、フックがもしはずれたら30m以上の墜落、、、。最後はぼろぼろの石灰岩に苦しめられて、時間切れで滑り台のような所でハーネスビバーク、雪まで降り出す始末で、命からがら逃げてきた。ロープウエイで下山して飲んだエスプレッソとピザの味は、今でも忘れられない。

 何人も友人を亡くし、自分もかなり危ない橋を渡ってきた。あの頃の辛さを心の奥にしまい、友人の分までとは恐れ多いが、今を精一杯生きて生きたいと思う。

 あの頃は難ルートしか目がいかなかったので、実は有名所のモンブラン、マッターホルン等をまだ登っていない。私の青春時代の1ページを彩ったあのヨーロッパアルプスを、いつの日かリタイヤした頃にまた訪問してみたいと思う。(Googleでサーチしてもほとんどヒットしないので、あのマイナールートは日本人には殆ど登られてはいないのであろう。)

 NYで講習会参加のCを送った後、HinckleyでYと伴走ラン。しばらく家事とYの世話を一人でしなければいけない。キャンプではよく2人で過ごすのだが、一般生活はやや抵抗がある。160/1,382問。

12/18
      医療に携わることの出来る幸せ 収入は低くとも、手に外科医としての職を持ちそれを活かし、かつサイエンスに関われるということは、本当に幸せなことではないだろうかと、最近しみじみと思うようになってきた。『海外逃亡』と言われることもあるが、自分にはチャンスがあり、日本では決して体験できないような医療を体験出来うるならば、少々の困難でも立ち向かえるような気がする。自分の興味のためにつき合わされている家族には、本当に申し訳ないのだが、日本という国を憂うばかりではなく、前向きに医療に向き合っていこうと思う。(そう思わざるをえないのかもしれないし、自分にそう言い聞かせているのかもしれない。)

 少々めまいのするような記事を読んだのだが、これが日本の現実である。



小樽市議会第4回定例会、
その1(ttp://www.webotaru.jp/news/2006/12/1214-2.htm)
その2(ttp://www.webotaru.jp/news/2006/12/1215-3.htm)
その3(ttp://www.webotaru.jp/news/2006/12/1218-2.htm)

 吉川参事は、、、、。さらに、「函館の松前町立病院では、医師を含めた職員100人の給与を4%カットして、1億7,000万円の財政効果を生んでいる。小樽市の医師45人の給与を4%カットするといくらになるのだろうか。4%カットすると辞めてしまうような医師なのだろうか」と質した。

 市立病院は、「医師45人の給与を4%カットすると、1年で約1,880万円になる見込み。しかし、医師の確保が難しい中で、カットしてしまうと、さらに医師の確保が難しくなってしまう」と答えた。


平成会・森井秀明委員は、「なぜ、このタイミングで基本設計費を出してきたのか。基本設計は作ったが、起債が認められないということもあるかもしれない。起債の許可が出てきてから取り組むべきではないのか。市長は病院問題を掲げ2期目に出馬したが、場所の問題や病院の内容も変わってきており、今後も大きな変更があるのかもしれないので、市民に問うべきだ。それが選挙かもしれない」と、新病院問題は次期市長選で市民にその是非を問うべきだと指摘した。

 準備室の吉川勝久参事は、「実際に起債の申請は平成19年度に行う予定だが、北海道に太鼓判を押してもらえるわけではないので、今後、中身を協議して分かってもらう。基本設計を出したのは、今ここで、着手しないでどうなるのかを考えた。これ以上収支が悪化してしまうこともあり、両病院を考えると、今定例会で可決してもらって基本設計を作っていきたい。市民には、広報1月号で公表する予定だったが、原稿の締め切りなどもあったので2月号に細かい部分をお知らせしたい」と、市民にも知らせぬままで、新病院の基本設計費を可決してほしいという、市民不在の新病院計画を自ら露呈することになった


共産党・北野義紀委員は、「どの部門で赤字が出ているのか説明してほしい。今出てる赤字を改善しなければ、収支計画で出している収益がまた崩れることになる。みんなを納得させる計画ではない中で、8,505万円という基本設計費を出して、計画だけ進めて、本当に市民の納得を得ることが出来るのか」と質した。

 小軽米事務局長は、「内科が一番診療報酬を稼いでおり、内科医師がいないことには医業収益が上がらない。医師がいないことで他の医師への負担が重くなっている。もし、内科医師が確保出来れば、収益は上がる」と、赤字の要因を示さず、医師を確保することで医業収益が上がると繰り返すだけの答弁となった。



 共産党・北野義紀委員は、「病院建築前の収支計画には確たるものがない。病院会計44億円の赤字解消がうまくいかなかったら、一般会計が被るかもしれない。北海道の言う通りの5年で解消する計画は不透明だ。病院の独自努力で削減すると言うが、この計画がその通りにいくのかハッキリしない」と、市長の見解を求めた。

 山田市長は、「とにかく病院には相当がんばってもらって、100%ではないかもしれないが、勝手ですけれど、決意を新たにやっていきます」と答えた。


 一昔前までは、アメリカにいるような私には、地方議会の討論なんか聞く術も無かったのだが、情報社会の現在、一議員の発言までもを手に取るようにわかる時代となった。恐らく他の都市から人口13万人の小樽市に赴任したであろう市立小樽病院の勤務医は、この議会の発言を聞いた時、どんな気持ちであったであろうか? 市民不在(と議員は思っている)の議会だが、今後の行く末を追っていきたい。

 72/1,454問。KAPLAN, IMを終了して、今日からUWに突入。その難しさ・問題の不適切さからか、アメリカの学生達には不人気のQ-bankだったが、UWは良心的な難度であった。Q-bankの難しさにプシってしまいそうだったが、UWの回答率も合格レベルに達していることが判明し一安心。いよいよ最後のUSMLEの試験だが、楽しみながら勉強していこう。

12/19
     

Insulin Pump, EPIPEN 日米の医療の相違、時代の変遷、そして心臓外科医である私の勉強不足であるのだが、試験勉強をしていると、知らなかった治療法に遭遇することが多々ある。


 アメリカは人口の5%が糖尿病であり、計1,500万人の患者数である。その中で24万人の患者さんが、このInsulin Pumpを使用しているという。非常に正確な量のInsulinを、持続して皮下注射できるため、不規則な食事の方や、運動をされる方など、血糖値のばらつきが少なくなるのが特色だ。ちなみに日本では2,000人。私の学生の頃は、習わなかったはずだ。


 こちらは、ハチ刺されなどのアナフィラキシーショックに対して、自分で用いることの出来るEpinephrine注射キット、これも日本ではあまり普及していない。

 現在Biomedical Engineeringという、医学と工学の狭間にいるのだが、心臓外科領域でもこのような簡単なアイデアを実用化して、うまく貢献できればいいと感じている。
 96/1,550問。正解率に波がある。今日はDepartment of General SurgeryのProgram ManagerにInterviewのconfirmationのために突撃をかける。Last Nameを言っただけで、『○月×日よね』、VISAについての質問を一つだけしたが、『もうMs.XX (CCFのVISA関係specialist)に問い合わせてるけど、大丈夫よ』、っていい感じでした。Interviewの練習をしましょう。

12/20
       48/1,598問。PCの調子が悪くて、再インストールとなる。重症かな?
12/21
       96/1,694問、集中力で明らかに得点に開きがある。試験は月曜日と火曜日に入れるべきであろう。RVADが中止となり、のんびり過ごす。Department ChairmanのDr.CがGC計画とRP計画のrecommendation letterを送ってくれた。感謝。旅行の用意やら。
12/22
       Meeting。Dr.Jにわらすが攻撃、電話してくれるかな? 昨年8月から登り始めたこの登山だが、いったい今は何合目にいるのであろうか。Step 1 = 8,435問、Step 2(CK) = 7,585問、Step 2(CS)、Step 3 = 3,703問 / 19,723問。たかが2万問、されど2万問。
12/23
       Crystal Riverへ。
12/24
       Crystal River。
12/25
       移動日のはずだったが、Tornadoのtouch downがあるほどの悪天候のため、もう一日宿泊順延。
12/26
       Oscar Schener SPへ。
12/27
15.0
Jog
   Oscar Schener。ジョグ15.0km。
12/28
       Oscar Schener。
12/29
       海岸・水族館で遊んだ後、北を目指す。
12/30
      何歳まで生きるか? 日本の平均寿命は、男性79歳・女性86歳、平均82歳。75歳以上の医療費は、全体の28%。



http://www.asahi.com/health/news/TKY200612280381.html

75歳以上の外来医療、「定額制」を導入へ 厚労省


 厚生労働省は28日、75歳以上のお年寄りの外来診療について、医師の治療を1カ月に何回受けても医療機関に支払われる診療報酬を一定にする「定額制」を導入する方針を固めた。寝たきりの在宅患
者への往診など、高齢者向け医療の一部ではすでに定額制が導入されている。厚労省はこれを外来医療へと拡大して医療費の抑制を図る考えだ。高齢者に対して、必要度の高くない医療が過剰に行われているとされる現状を改善する狙いだが、患者の受診機会の制限につながる可能性や、医療機関がコストを下げようと必要な医療まで行わなくなる危険もあり、今後、適用する疾病の範囲や条件を慎重に検討する。

 06年の医療改革で、75歳以上を対象にした新しい保険制度を08年に創設することが決まっている。厚労省は来年3月までに、ここに盛り込む独自の診療報酬体系の基本方針を出す予定で、外来診療の定額制導入は、その柱となる。

 社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の特別部会で1月から本格的に検討を始める。患者は、高血圧や心臓病、関節障害など、特定の慢性疾患の医療機関をあらかじめ選ぶ。そこで一定回数以上受診すると、それ以上は何回受診して投薬や検査を受けても医療機関が健保組合から受け取る報酬は定額とする方法などが検討される見込みだ。

 現在の診療報酬は、個別の診察や検査、投薬について細かく料金が設定され、それを積み上げて治療費が決まる「出来高払い」が基本。患者に多くの治療を行うほど医療機関の収入が上がる仕組みで、高齢者の外来医療では「過剰な診療で、医療費の増加や病院・診療所のサロン化を招いている」との指摘もある。

 75歳以上の医療費(04年度)は9兆214億円で、医療費全体の28%を占める。患部を温める簡単な治療を受けるため患者が1カ月に20回以上診療所に通うなどのケースもある。

 厚労省は、医療の質を保ちつつ定額制を導入することは可能とみるが、患者は選んだ医療機関に一定期間は通い続けることが求められ、いつでもどの医療機関でも受診できる自由が一部制限される。受けられる治療の回数が減ったりすることも考えられ、反発が予想される。

 また、同じ病気について患者が同時期に複数の医療機関を受診すれば、逆に医療費がふくらむ恐れもあり、重複受診を防ぐ仕組みも必要となりそうだ。 (asahi.com)


 以前にも述べたことで繰り返しになるが、質の高い医療を行うためにはコストがかかる、ならばそれを誰が負担するのか? どういった医療システムを構築していくのか、国民の間に、そして媒体であるべきマスコミでそういった議論が行われていないように思う。
12/31
      今年一年を振り返り

1. 仕事 Supervisorという微妙な立場になったこともあり、うまく仕事が出来たのかとの評価は難しいように思う。しかしグラントがとれて、担当のプロジェクトがしっかりと回っているのだから、それなりに貢献できたのではないかと思う。論文はFirstで34、全部含めて74となった。IFも50(125)を超え、ここから先はcoresponding authorとして後進の指導に当たっていこうと思う。

2. USMLE 正にこの一年はこれにつきたと言っても過言ではなかろうと思う。3つの試験を終えて、最後の一つに向かって精進していこうと思う。

3. Clinical work 来年からの臨床に向けて就職活動を展開中。ECFMGとしての厳しさを痛感はしてはいるが、自分を評価してくれる施設で、思いっきり医療活動を行っていきたい。

4. Green card 多くの先生に推薦状を書いて頂いたが、もう少し必要であるようだ。世界的に著名な先生に自分を評価して頂いて、あと2通を用意した上でSubmissionする予定。

5. Runnnig 体重がやや増加中であるので、サブスリーとは言わないまでも、健康管理程度に精進していこうと思う。

6. 日本の医療 産婦人科に代表されるような、様々な『事件』が起こった一年であった。1980年台後半からの長いスパンで見れば、こういったことは予想されたのであろうが、こういった職業を選んでしまった自分を卑下することなく、自分の中での理想の医療(サイエンス)を展開出来る場所を、日本に限らず世界で見つけていこうと思う。何年後になるかわからないが、その時が来れば、全力をあげて日本の医療のために尽くしていこうと思う。
 
39.0
     これで5回目のアメリカで迎える年末となった。反省することも多々あるのだが、たった一度の人生、悔いの無いように楽しんでいきたいと思う。


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