Running (2006.5)


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5/1
      1、医療費 正に崩壊していく日本の医療であるが、少ないながらも何かしらの言葉を発することは、日本の医師免許を持つ私の義務ではないかと思う。問題を整理する上でも、今月は続けて医療問題を取り上げていきたい。

 医療費の削減に関しては、私も基本的には賛成ではあるが、質を維持し続けるためには効率化をもっと進めていかなければいけないであろう。
(1)処方・カルテを含めたオンライン化・ネットワーク化 一時の投資額・維持費は増加するが、医療コストの透明化・投薬ミスの防止(殆どの医療ミスはこれ)・地域一丸となった救急患者への対応(患者情報・投薬状況が速やかに確認できる)・Hospital, Clinicとしてのそれぞれの分業化(病院・診療所のネットワーク化)、人件費の削減、につながると思われる。またある特定の担当医ならずとも、平均的な医療を受けられることを保障されるであろう。
(2)EBM Evidnceに基づいた診断・治療マニュアルを全国的に浸透させることにより、不必要な検査の削除、自宅で対応可能である疾患には電話で状態をチェックするシステムを構築する。これにはもはや保険料を払わなくなり、逆に医療を享受するべき年齢になった老人への強い指示が必要となる。
(3)SOP 何事においてもある程度Manualなるものを作成して、それに沿った治療を続けていくことにより、あまり特殊な経験を必要とせず誰にでも治療に参加できる環境を整備する。それに逸脱する病態には、我々医師・看護士がチェック・統括していくべきものである。医療は経験が必要というが、コンピューターの記憶力に人間は勝つことは出来ない。膨大な情報の蓄積が可能となるであろう。
(4)マンパワー 医療でも何でもそうだが、人件費は一番大きな経費の一つである。しかし質を維持したまま、効率化を図って人件費を減らせるだろうか? 私はそうは思わない。現在の人員は不足状態にあると思う。これ以上の人件費の削減は、サービスの低下につながることを頭に入れておかなければいけない。
(5)国民の同意 入院費用を本気で削減しようとするならば、これは例えだが主な手術は術後3日以内に退院出来るシステムを日本全国に構築しなければいけない。しかしまだこういった医療コストの削減に関して、まだ国民の総意は得られていないと思う。

 現在の政府の大きな問題点は、まず削減ありき、という姿勢があることである。医療スタッフのモチベーションの崩壊、地方医療の崩壊、人員不足、医師の労働基準法違反、頻発する医療訴訟、、、問題点を全く解決しないまま、この日本の医療を焼け野原にしてしまうつもりなのであろうか?

 92/92問。
5/2
     

2、医療費財源 保険料・税金・自己負担の医療の財源だが、低所得者は高所得者からの税金を叫ぶし、一方高所得者は自己負担を推進しようとする。私にはこの問題に最終的に結論を出せるくらいの知識は、まだ備えていないように思う。しかし、2点だけは強調しておきたいことがある。
 一つは財源を減らそうとすることは、昨日にも述べたが医療の質を低下することにつながるということ。そして2点目は、各自の健康管理である。私は一応心臓外科医(過去形?)で多くの動脈硬化症の患者さんを診てきたが、その90%以上には喫煙歴があるように思えた。私自身も自分の健康を考えてタバコを辞めた訳だが、タバコをぷかぷか吸って時には周辺の人にも副流煙をまきちらしている人のために、なぜ多額の保険料が支払わなければいけないのだろうか。ここまでタバコと病気との因果関係がはっきりされている以上、こういった自己管理によって避けられるものに対しては、何かしらの格差をつけなければ、納得して保険料を払うことが出来ないのだが、、、。同じようなことは、夜間緊急にもいえるであろう。一般時間帯には仕事や遊びで来れずに、夜間緊急時間帯に病院に来られることは、よくある話であろう。判断は難しいのだが、緊急性の全く無い患者の夜間緊急診療は、ある程度の自己負担が必要ではないだろうか。そしてこの医療費はいわゆる『生保』の方にもあてはまるであろう。私も今まで多くの『生保』の方を治療してきたが、病気に対する各自の姿勢に違和感を感じることが殆どであった。
 現在私は、補助循環装置・人工心臓開発に携わっているのだが、命を永らえさそうと思ったら、いくらでも経費をつぎこめば可能ではある。しかし、地球上の全ての人に人工心臓装着なんて、夢物語ではある。いったいどこまでが保健医療で可能で、どこからが保険診療外なのであるのか、これも我々医師側だけでは決めれない問題である。


 とうとう Step 2のX dayを決定する。前回のStep 1から2ヶ月だが、いい緊張を保ったまま試験に突入することが出来そうだ。 しかしUWは難しい! 92/184問。惰性になってきた、いかんいかん。我々日本人はavailableな検査が多いので、たった一つの検査を選べ、と問われるとやや弱点を露呈してしまう。

5/3
       Fiber project part 1もいよいよ最後の実験になった。実験はCPBを回す大掛かりなものとなったが、努力の甲斐あって満足のできる結果となった。まだまだ解決しなければいけない問題点も多いのだが、Dr. Mが大喜びだったのが印象的だった。先日あてたGrant(part 2)へ向けて動き出そうと思う。今日は日本からのお客様と、みんなでベトナム料理を食べに行ってしまい、46/230問だけ。
5/4
     

3、医療従事者数 医師数に関しては、厚生省は増やす政策から減らす政策へと、数をコントロールしているようだが、結局は医師にどこまでの仕事を求めているかによって、科によっては多いとも少ないとも言えるであろう。誰にでも出来るデスクワークを他の人に回して、医療にのみ集中できるとすれば医師数は多いともいえるし、現在のような全ての事務作業を求めるのであれば、少ないと言えるであろう。しかし、圧倒的に少ないと思われるのは、パラメディアの数である。アメリカの医療における手厚い看護=人件費、イギリスによるコストの削減=最低の人件費、一方日本は手厚い看護+最低の人件費でこの拡大する医療を乗り越えていこうと考えているのか?
 アメリカは人件費削減のために移民にシフトしているのだが、日本の国民性・言語の難しさを考えれば、日本で移民が増加する可能性は極めて低いであろう。女性の結婚後・産後の働く場をうまく提供するとともに、看護士に関してはもっと階層を増やして、質の高い医療レベルを持続させていく必要があるであろう。

 昨日に続きCPB実験MVR、今日もうまくいってよかった。昨日のレポート・データ整理やら。ちょっと疲れがたまってきた。走って汗を流したいところだ。92/322問。

5/5

      4、地域医療 人口配分・患者人口・医学生の出身地などを考慮すれば、ある程度の偏在化はやむを得ないものがあるのだが、そういったものを超えるファクターが加味されるようになり、現在地方での医療希望者は減少しているようだ。
(1)医療機材費の増加 お金にものを言わせた先端医療を行おうとすれば、小さな中小病院ではもう手を出せない治療が増えてくる。(これが厚生労働省のおもわくなのだが。)
(2)患者意識 地方に出向いた医師の治療に対して、その腕ではなく病院の名前だけで医療レベルを判断する風潮がある。大病院では、腕もおぼろげな研修医が担当になったとしてもだ。意識が中央へ中央へと向かいながら、都合のいい時だけ地方の医師不足に声をあげるのには疑問を感じる。
(3)医療訴訟の増加 正当な医療をしたとしても不幸な転機をとることはある。しかしそれに対しても罪をとがめられるということであれば、疾患によって患者を選択したり、Aggressiveな治療は不可能となるであろう。
 こういった問題に対する具体的な対策であるが、私はある程度避けて通れない問題であると考えている。地方都道府県に一つの病院への集中化は、医療レベルの維持・救急対応などの利点も多いであろう。患者側には通院費用負担ということになるが、これが地方の生き残る道であろう。問題は、その『箱』をどうするかということである。各病院の統廃合は、絡み合った問題があり一筋縄では解決されないものであるが、各病院が荒廃する前に自治体主体で早く構築していかなければならない。

 Clinical LVAD implnatationx2で開発中のRVAD fitting study、2つともDr. Mでラッキー。いつも実験の時はDr. Mがお客様状態だが、今日は我々がお客様状態で何だか変な感じだ。臨床を離れて久しい私が忘れれかけている、cardiac surgeonとしてのあるべき姿を見させて頂いた。最近、HeartMateはinfectionが多い(?)ということで、現在はNovacor主体なのだが、1980年代の技術を今でも使用しているこのコントローラーを見ると、この分野の技術開発にはまだまだ改善の余地が多いことを再認識させられる。46/368問。
5/6
6.0
Jog
  5、医療訴訟 現在の医療の変革の中で、医療訴訟は年々大きな問題になっている。しかしそれを避けて責任問題化しないのが厚生労働省の立場である。この構造的な問題を早く解決しないと、日本の医療は崩壊へ突き進むであろう。
(1)責任は誰にあるのか? 明らかに医師法に違反した、Standardな医療からは大きく逸脱した医療を行い患者側に不利益があった場合は、医師に責任はあるであろう。しかし、医師免許を与えている厚生省の責任は無いのであろうか? Standardは毎年変革していくものであり、それに医師国家試験は追随しているのであろうか? 医師免許取得後も、日進月歩で改善されていく医療に対して、最新の情報をどのように入手していくのか? 誰がチャックするのか? (実際は学会レベルが行っているが、厚生労働省は?) 医療ミスが残念ながら起こってしまった場合、その背景にある過剰労働に対しては、正当に評価されているのか?(今のところ、裁判所も過剰労働とは考えていない、労働基準法には違反しているとはしていない。) 結局勤務医には支払い能力が無いために、病院が訴えられることになるのだが、決して厚生省が訴えられることはない。医師に全てを負わせるのではなく、もう少し責任の所在をはっきりさせなければ、改善案もその場限りのものとなり、いつまでたってもこういった訴訟は続くであろう。
(2)医療訴訟対策費 リスクの高い治療を行う以上は、訴訟のリスクも避けられないであろう。これを市場論理に照らし合わせれば、コストの増加ということになるのだが、今の日本ではそれが認められない。訴訟による支払金・マンパワーの減少は、今後の医療を圧迫していくものと思われる。
(3)民事か刑事か? ハイリスクの医療行為には、瞬時に判断を委ねられる場合も多く、変動する病態から的確に治療を行っていくのは、診断も不確定な状態であれば非常に難しいものである。その医療行為に対して、後に刑事として医師を裁くというのは、医療を理解していないものに判断権を委ねることである。検察がこういった立場をとるということであれば、ハイリスク患者の治療自体にも影響を与えかねないし、医師側の士気にも影響は大きいであろう。これを扱う特別機関、また医療ミスの届出をオンライン化して、発生を最小限に抑えるシステムを構築する必要がある。
(4)救済機関 最近その組織が構築されているようだが、今後の活動に注目したい。

 昼過ぎまで勉強してNCでYとラン。筋トレがこたえた。300/668問。

5/7

(6.0)
Bike
   今日は夜更かし勉強がこたえて、あまり問題数をこなせなかった。100/768問。
5/8
      6、診療科偏在化 アメリカと異なり、特にレジデント枠に制限が在る訳でもないので、日本の場合、今に始まったことではないのだが、随分診療科に所属する医師数に格差がある。私みたいに(?)思い込みの激しいタイプは、忙しい科を選択したりするが、一般的には同じ仕事量であれば楽な方に流れるのが常である。
(1)診療報酬の大幅な改訂 これも一つの手ではあるが、限られた枠内で牌の取り合いをするのは不毛な話ではある。しかし、これで開業医の数のコントロールはしやすいであろう。
(2)勤務医師の診療科による給料格差 9時17時の医師と、残業150時間の医師とが、同じ給料体系であるのはなかなか納得しにくい状況ではある。しかしこれも限られた枠内で牌の取り合いをするのであれば不毛な話であろう。(実際は、給料よりも労働環境の問題の方を解決してほしいのだが、、、。)
(3)開業医となる者にへき地医療・救急・産科医療の義務化 厚生省が出していた案であるが、これも論外。やる気の無い者に来られて、それでもものになる頃に立ち去るのであれば、非常に迷惑な話である。
(4)労働環境の改善 一番の問題でありながら、アンタッチャブルの領域である。もしこれが解決されないのであれば、また、もし解決されないとしても全くこれを問題だという認識がされないのであれば、偏在化は決して是正されないであろう。
(5)女性医師の働く環境 私立大学はさておき、公立大学では国や県の税金を投入して医師を教育しているのであるから、優秀な女性医師が増えている現在、培った知識・技術を社会に償還させるためにも、退職・休職してしまわない環境を整備しなければいけないであろう。
(6)診療科枠 医療は専門化が進んでいるが、それと同時にそれを分類していく医師が必要になってくる(特に救急医の養成)。医学全般に対する知識を増やしていこうというのが、現在の研修制度だと認識しているが、大学の教育から変革していくとともに、診療科枠を超えた研修制度が必要になってくる。

 アメリカから日本を見ていて、現在ひしひしと伝わってくるのが、日本の慢性的な閉塞感である。勝ち組・負け組、格差社会、金利0%、ニートの問題、超高齢化社会、少子化、年金問題、国民保険問題、経済問題、、、現在の少子化への流れを是正するために一番大切なことは、『魅力ある』社会を構築することであるように思う。
 しかし、こうやって私がいろいろとアメリカから見た日本の現状について述べているが、所詮は机上の空論のような気もする。次回日本に帰る時には、地方を含めてとにかく多くの人に接していろいろな意見を聞いてみたいと思う。

 月曜日はmeetingの嵐、ECGx4、reviseの仕上げ。100/868問。Step 2で6,364問となった。5月は昨年もそうだったが、仕事の嵐である。一つ一つ片つけていこうか。
5/9
       朝からDr.Mとmeeting、CCFの心臓外科医にありがちな鼻高々胸張り状態では無いので、話していて気持ちがいい。ということで、頼まれ仕事がpriority#1の仕事になってしまい、一気に片つける。Scientific interestはイマイチだが、CCFの名前でacceptされることを祈ろう。しかし一日の時間の経つのは早い。一日36時間あったら仕事も進むのにな、、、とにかく時間が欲しい。100/968問。
5/10
      Bridge to Recovery?? 今日は日本の医療問題から離れて、イギリスから拾ってきたニュース。LVADでのBrdige to recoveryというのは、私の興味あるテーマの一つだが、LVADではなくて、Transplantされた心臓によるBridgeという話。
ttp://www.msnbc.msn.com/id/12301117/wid/11915773/
一般向けのニュースなので、眉唾物であることは確かなのだが、一つの興味あるアプローチであるように思う。現在のLVADには、まだ解決しなければいけない問題が多いが、rejectionを別にすれば生体適合性の高いDonor HeartによるBridge to Recoveryは、異種心臓でのBrdidgeの可能性を示唆するものであると思う。 

 今日は朝から大御所であるDepartment HeadになったDr.Lとのmeeting。けれど約束時間から70分も待たされて、『所詮reserachのことはこれほどにしか思っていないのか、、、』、といった感じ。アインシュタイン似の、何だか味のある『おじさん』だった。いろいろな心臓外科医がいるものだ。いろいろなDr.と関係を作ることは、アメリカでは必要なことであるようだ。その後実験お手伝い、明日のMVRの用意、グラント書き。50/1,018問。
5/11
      ギャップ 医療問題についていろいろと考えている最近であるが、我々医師の思考回路と、一般市民の方の思考回路には、大きな隔たりがあることを意識することが多くなった。
(1)給料 一般の方の一番の大きな不満の一つが、医師の給料の高さであるようだ。ここには、開業医と勤務医、レジデントと指導医、いろいろな医師社会の給料形態の複雑さが、理解しにくいのかもしれない。正確な平均値は私もデータとして持っていないが、開業医2,000万、勤務医(10年以上)1,000万、レジデント250万、指導医(教授)1,000万というのが大方の数字ではないだろうか。ただし、ここで考慮しなければいけないのは、医師の場合、病院を点々とすることが多いため、退職金は微々たるもの、年金をもらえる可能性は少ないなどの欠点がある。受験戦争をくぐりぬけ、身を粉にして世の中に『奉仕』する医師が、世間からすれば『もらいすぎ』として評価される社会は、努力したものが認められないこの社会は、非常に魅力の無い社会であると思うのだが、、、。
(2)勤務時間 忙しい科の勤務医は、労働基準法で定められている48時間/週の2〜3倍は働いている可能性が高い。夜間の当直なども、労働時間としてカウントされないことが殆どである。病欠することも許されない、土日もオンコールがあれば、働かざるをえない場合が多い。時間数だけ見ると、これくらい働かれている一般の方もおられると思うが、全くミスを許されない状況下でこれだけの時間を働くことは、非常にリスクがあることが認識されていない。(医療ミスと勤務時間数には明らかな相関がある。)飛行機のパイロットなど、飛行時間の制限があるのだが、医師にも早く労働時間の上限を作るべきだと思う。
(3)リスク 我々医師が最近問題視している根底には、この労働環境であれば医療ミスがいつ起こってもおかしくない状況であるとの悲鳴を上げているにも関わらず、全くその対策がなされないことである。誰も医療ミスはしたくはない、しかしその危険はいつも背中合わせのものである。
(4)意識 一般の方が医師に求めるものは、いつでも受けることの出来る素晴らしい治療である。そのため、休日でも時間外であれ、『担当医』として治療に参加することが当然のように認識されている。逆にそれに意義を唱えるものは、サボタージュ扱いされることもある。私も日本で一番感じていたことの一つが、この意識の差である。
 2年前も同じような危機感を持ったことがある。後期研修制度が始まるこの4月までに、的確な手を打たなければ、大変なことになると漠然と感じていたが、さて、この2年で政治・世論にどんな変化があったのであろうか?

 MVR、特に問題なし。現在書いているGrantネタだが、うまくいくといいのだが。手術が終わってから、血管外科の大御所Dr.SのStent graftの実験のお手伝い。超真面目なおじいちゃんといった雰囲気で、全くJokeを許さない雰囲気でOp室が凍りついてしまった。いやいやこんな人の前立ちしたら、呼吸困難になるに違いない。100/1,118問。最後は気力で問題を解いて撃沈。
5/12
      7、医師側の問題 医療問題を語る上で、決して忘れてはいけないのが我々医師側の問題であろう。不透明な人事、不透明な治療・手術成績、不透明な診療記録、自己浄化機能の欠如、医療経済を含めた政治への働きかけ、古典化した医師教育システム、ネットワーク化の遅れ、、、それら問題があったからこそ、日本での医師への風当たりは強いものがあると感じている。これは先代の責任であると共に、自戒にもなるのだが医療にばかり目がいき、社会としての医療の位置づけとしての声を発さなかった(余裕は無いのであろうが)ことに起因すると思う。
 早急に医師の声を集めるとともに、学会レベルでの問題提起・解決策を示し、行政側との協力の下、建設的解決法を示していかなければいけない。退散型荒廃もいいのだが、小さいながらもしっかりと声を出していく必要があると思っている。(といっても、現在の政府の対応を見ていると、無気力になるのだが、、、。)

 Grantのdraft。そしてAHAが返ってきた。残念ながらno fund、しかし非常に良く評価してくれるコメントであって嬉しかった。問題点は明らかなので、練り直した上で再度提出しようと思う。お昼はともかづ君とご飯、また皆で遊びたいものだ。AHAへ向けてdata整理。92/1,210問、いよいよ最後の仕上げとなってきた。今さら問題をやっても点数は変わらないので、疲れを残さないようにしていかなければいけない。
5/13
(10.0)
Jog
   みんなでCVNPへ遊びに行く。天気はイマイチだが、気持ちよかった。 

 138/1,348問。
5/14
     

8、国民の意識 自分が若い時は、そして馬車馬のように働いていた時は、日本の医療問題については目にくれる暇も無かった。しかし、こうして外から日本を眺めるに、日本は一体どこに行くのであろうかと、思いをめぐらせてしまう。
(1)健康の値段 国民全てが均一な医療を受けられるというシステムは、世界でも類の無い素晴らしいものであるが、日々進化する医療の中で医療に安心しきっている国民は、医療変革の中で取り残されていっているように感じる。世界の長寿国、優れた周産期医療を持つこの国で、そろそろ医療の値段についても議論される日が来るべきだと思う。
(2)医療に対して何を求めるか 多くの国民が『安心』と『信頼』を求めていると私は思っているが、その実現のためにどんな議論がなされているのであろうか? 政府が進める『削減』一本やりの中で、どのようにして『安心』と『信頼』を確保していくのであろうか?
(3)医療はサービス業か ある程度は経済性を導入しなければいけないのは私も同感だが、『安心』には利便性だけでは解決出来ない問題がある。社会性も必要な業種であると、私は認識しているが、、、。
(4)医療過誤問題 町で人が倒れていても、アメリカでは決して触らずに、下手すると無視されてしまう。医師だからといって、救命処置を施すなんてもってのほかである。それは、ある裁判事例があるからなのだ。福島産婦人科医逮捕のニュースが話題になっているが、リスクある患者さんには触るなという教訓を残したような気がしてならない。

 日本は民主主義国家である。しかし、国民の意思表示という点では、民主主義後進国であると言えよう。そして
もちろん、マスメディアの姿勢も問われよう。今後国民の総意の上で、医療改革が進められるのであれば、一医師として日本国民のためにも貢献していこうと思うが、そうでないのであれば、私も含めて多くの医師の心は離れていくような気がしてならない。

 『サイクリング!』、と叫ぶYを連れて行きたかったのであるが、天候不良のため断念。今日は試験会場の下見に行く。138/1,486問。
 本格的に走り始めて9ヶ月、もっと楽な生き方もあるのだろうが、自ら好んでいばらの道を進むことになってしまった。一度きりの人生、後悔の無いようにEnjoyしたいと思う。

5/15
     

移民問題 現在アメリカには、対テロ戦争・医療問題(Medicaid)・エネルギー問題・南北格差・移民など、多種民族が共存する国家であるがゆえに、多種多様の問題が未解決のままである。そんな中で、今日は大統領の国民向け演説が、テレビ・ラジオを通じて流されていた。その政策に関しては、もちろん議論のあるところであるのだが、国民に問題提起するこの姿勢、解決策を見出していこうというこの姿勢には、感心させられてしまった。こういったスピーチが行われる背景には、大統領は国民が選ぶというシステム(厳密にいうと違うのだが)をとっているためでもあろう。
 一般教書演説・大統領選挙・スペースシャトル墜落・対イラク戦争などなどでライブでこういったスピーチを見聞きしたことがあるが、国益・国民のPatriotismにも通じるこういったスピーチは、日本でももっと行われるべきであると思う。

 Meeting、ECGx5、Meerting、Fitting study、data整理、reviewing。今日は疲れて復習だけ。

5/16
      Oral cleaner 今日は12月のこたつに続き、なかなか重宝するものを紹介したい。普段は電動歯ブラシ(超高速)を使用しているのだが、やはり歯ブラシだけでは磨ききれる範囲は限られており、Dental Flossは必需品であった。最近歯肉炎を患っていることもあり、そこで水流式のOral cleanerを購入してみることとした。【感想】びっくりするぐらいに、歯間を綺麗にすることが出来る。最大の水流にすると、少し歯ぐきに痛いのだが、慣れてくれば逆に心地よくなってくる。eCOSTで購入したのだが、これで送料込みで$50は安いと思いません?


 AHA abstract#1を仕上げる。この業界では面白いネタだと思うのだが、一般受けするかどうかは不明。92/1,578問。ちょっとペースを落として、早寝早起きにしなければ。
5/17
5.0
Jog
  HONDA 今日の注目のアメリカのニュースは、HONDAの新工場建設の話題であった。HONDAとOhio州は、アメリカ第一工場がColumbusに進出したこともあり、密接なつながりがある。業績の悪化しているGM, Fordとは対象に、好調な日本企業をねたむ批判的な論調かと思いきや、全くそうではないようだ。現在のHONDAは非常にアメリカに溶け込んでおり、逆に雇用促進という意味でpositiveな意見が多いのが印象的であった。ここまで来るのには、たゆまない企業努力の賜物であろうが、ますますの発展を期待したいものだ。

 実験お手伝い、AHA abstract#2にとりかかる。夕方天気がいいので、YとNCで伴走ラン。アメリカ北東部を襲っている『梅雨』だが、久々の太陽がまぶしく気持ちよかった。ついでに庭で夕食。今日は疲れたので、無理せず就寝、0問。
5/18
     

焼け野原か団結か? 日本の医療問題の解決を突き進めて考えていくに、政府の立場に変化が見られない以上、我々世間ではマイナーな医師サイドから出来ることは、非常に限られてくると思う。
 一つの道は、傍観者に徹すること。これは生きていくために通常の医療を続けながらも、リスクの高い医療を敬遠し、無理をせず自分の範囲内で診療を続けるということだ。それは言葉を変えれば、10人見れていた状態から8人しか見ないという状態になってくることである。特に医師不足に危機感を抱いていない公立病院の場合、診療報酬の引き下げだけでなく、知らず知らずのうちにこういったことも一つの要因として赤字に転落していくことであろう。病院の経営事態、こういったちょっとしたパーセンテージの部分で利益を生み出していると私は理解しているがいかがであろうか? そして残されるのはイギリスのような、『焼け野原』である。
 もう一つの可能性は、医師によるストライキである。そこまでするのはいきすぎにしても、マイナーである以上何かしらの団結をして自分達の立場を守ることは、必要なことであるように思う。具体的には、『異常死』の届出が無かったことに対して違法だと判断されるのであれば、我々が『異常死』とは今まで考えられなかった症例に対しても、医療界全体で積極的に報告することである。異常との判断を、警察にしてもらおうではないか(実際には、司法解剖が増加して、大変なことになることであろうが)。また製薬会社を巻き込んで、マスコミとの関係を構築するためにも、医師のネットワーク、インターネットを用いた包括的医師会が非常に大切になってくるであろう。
 今年に入り、ドイツでは一部医師のストライキが行われたそうだが、結果がどうなっているのか、友人に聞いてみようと思う。

 今日は朝からぶっ飛ばしでデータ解析、抄録書き。一気に仕上げることが出来た。このネタは通る気がしないのだが、こうでもしなければ先には進まないだろう。Cに書いてもらおうか。75/1,653問、本日UWを終了。Step 1 8,085問、Step 2 7,139問。ここまでの苦労は、今までのどんな受験よりも大変だったと思う。胸を張って試験に臨もうと思う。

5/19
       実験お手伝い。残業のため、Yをピックしてクリニックで仕事、帰宅してからみんなの料理を作って、、、。
5/20
10.0
Jog
   Yにとっては待ちに待った機関車Thomas、CVNPへ出撃、のんびりと過ごす。帰宅してから、2006 Yasai Projectをスタートさせる。今年は気合を入れて、芝生をひっぺがして、畑を造成しています。収穫期が楽しみだ。そして庭でビール飲んで、ゆっくりと就寝する。
5/21
       今日もまったりと過ごす。最後に本番のペースを思い出すために、46/1,699問。楽しかった勉強も、これで一段落だという充実感もあるのだが、それにも増して、最近の巨大掲示板を賑わしているメディアによる医療報道を聞くと、ますます暗くなってくる。日本は、、、もう駄目だよ、、、。10月に帰国した際に、実際に自分の目と耳で確かめてみたいと思う。
5/22
       決戦当日、400/2,099問。前回のStep 1の経験からすれば、恐らく大丈夫でしょう。Strongsvilleからの帰りに、Jon Denverを聞きながらOhioの大きな空を眺めて運転していたら、また一つ、あの世界に再び舞い戻るステップを踏みしめたということで、ブルーになってしまった。また、明日から新たなステップに向かってがんばっていこう。
5/23
       たまったメール・仕事を片つける。ECGx4、今日から配属の学生さんの指導。昨年の子はイマイチだったが、今年の子はやる気はありそうだ。いいTrainingになればいいが。AHA-1のsubmission。
5/24
       AHA-2のsubmission、明日のRVADの用意。昨日は休んだが、今日からCSに突入することとする。まずはFAから入って、アウトラインをつかんでいく。6月学会明けには、本格的な会話の実践練習に入っていこうか。
5/25
       RVAD implantation、手術・術後も問題無し。帰れる状態だが、ドレーンもあるのでクリニックに宿泊する。
5/26
     

 いろいろと仕事をした後、待ちに待ったキャンプに出撃するべく帰宅する。しかし、天気もやや不良であるため、Y先生ご夫妻をお迎えしての大宴会となる。25時過ぎまで話し込んでしまった。

5/27
       朝からキャンプに出撃。原発1、灯台2、よく歩いた。
5/28
       朝はクリニックの往復、朝食の後、ワイナリー3、カヤッキング、カバードブリッジ2、ハードな一日であった。
5/29
       キャンプから帰還。庭掃除などでゆっくりと過ごす。
5/30
       連休明けの仕事はきつい。朝からブタと格闘してデータをとった後、イヌx4、最後にウシx1、面白いデータだ。来週のポスターの用意、雑用多し。
5/31
       実は5月が一番忙しい季節なのだが、ようやく5月を乗り切ることが出来た。明日はようやくNIH Submission deadline。ポスターも中身が無いので、仕上がってしまった。このポスターの論文、積み残しのrevisionを仕上げれば、少し楽になれるか。ちょっとイマイチのポンプデータだったが、何故か今日になって改善してきており、ちょっと嬉しい。このまま大人しくしていてくれよ。

 5/22がもう一ヶ月も昔の事の様に思える。ちょっととっつきが無くてイマイチCSの勉強も進まないのだが、継続は力なり、毎日少しずつでもいいので、進んでいこうと思う。
 
 
37.0
 
 
 2,099問、37.0km。8月からStep 1=8,085+350問、Step 2 =7,185+400問、16,020問。この年でここまで勉強するのは体に悪いのだが、きっと自分のためになることを信じながら、6月もがんばっていこうと思う。


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