2002 Chicago Marathon



  10/13(Sun) 3日目 Chicago Marathon
 いよいよアメリカでの初めてのマラソンの日がやってきた。日本での大会と比べて、走りこみは十分であるはずだが、やはり緊張はする。Green Lineは早朝は走っていないので、Blue Lineでスタート地点のGrant Parkに向かう。
 会場に着くと同時に凄い熱気、いまだかつて、大会で見たことの無いくらいすごい人を見る。Lincolnの銅像の前が開いていたので、ここで準備体操。スタートを待つ。

 おしっこの列はとんでもなく長い列になっているので、少し離れたところで失礼。ここで2人と別れる。(後から聞いた話だが、スタートしてもトイレの列は続き、しまいには女性もあちこちその辺でしていたそうだ。奥様いわく『牧場のようだった』とのこと。)

 スタート時間になって、音楽は聞こえるのだが、全く動かない。3分くらいして、群集が少しずつ移動を開始して、5分を越える頃、ようやくスタートラインに来た。

『さあ、スタートだ!』

 
スタートラインを越えると同時に、走れるようになる。作戦通り、最初の入り1マイルはペースを抑えて8分でいく。車線は8車線以上あるのだが、抜く場所はそれ程多くない。そうこうするうちに、3時間30分のペースランナーをみつけたので、それに着いていく。今日の風は北風、うまく集団の中でポジショニングを考える。特に運河を渡る橋の上は、風を浴びることが多い。2マイルを過ぎる頃から、集団がややばらけてきたので、追い越しモードに入ることにする。ずっと北を目指すのだが、一番右側の風の少ない所から徐々に順位をあげる。6マイルを過ぎる頃、3時間20分のペースランナー集団を見つける。目標のタイムなので、これに着いていこうかとも考えたが、体はまだまだ軽いので、抜くことにする。
 7マイルからは折り返し、北風を背中に浴びながらひた走る。道路の両脇にはずっと人だかりがあり、ずっと我々を応援してくれる。所々にはロックバンドもあって、楽しませてくれる。また、Chicagoの高層ビル群を眺めながらのランは本当に楽しい。その中でも一番高いSears Towerは、いい目印になる。11マイルの先でコースはSears Towerの横をかすめる。Loop内でもあり、応援もひときわすごい所だ。
 コースはここから西に向かう。Chicagoでも治安の悪いところでもあり、コースの両側の人はぐっと減ってくる。ランナーも相当ばらけてきて、ほぼイーブンペースの集団となる。何とか3時間15分の集団に追いつきたいのだが、全くわからない。Half通過、周辺に高いビルが無くなったこともあり、風に消耗される。18マイル通過、やや抜かれだす。いわゆる30kmの関門だ。ここからが、本当のマラソンだ。

 ここで、写真撮影ポイント。目立とうと思って手を上げたのだが、顔は全く笑っていない。20マイル、ここで、いい走りをしている人に抜かれたなと思ったら、3時間20分のペースランナーであった。しばらく彼に引っ張ってもらうことにするが、21マイル過ぎで徐々に放される。22マイルからは、コースは南進をやめて、ゴールまで北上する。途端にもろに逆風を浴びてペースが落ちる。何とかだましだまし、大きい人を風除けに使うのだが、ペースを維持することが出来ない。
 23マイル、また写真を撮られる。余裕が全く無い。そしてここから、もろに北風を受け続ける。24マイル、コースはトンネルの中を走る。ここの風は少しましだ。25マイル、再度地上に出ると、厳しい逆風だ。徐々に人影が増えて来る頃、遥かかなたにゴールらしきものを発見する。物凄い人だ。がぜんペースもあがってくる。歓声も上がってくる。

『よし、ラストスパートだ!』

 地鳴りのような歓声に押されて、無我夢中でゴールラインを駆け抜ける。

『やった〜!』 、、、立ち止まると同時にATPを失った足は硬直を開始していた。なされるままに、メダルをかけられ、シートをかけられ、水・バナナをほおばった。


 商品のTシャツメダル。立派なものだ。また、後に送られてくるレース結果も大したものだ。

 公式記録は 3時間21分48秒2924位/31106人、1マイルのペースは7分41.7秒であった。公式HPここ公式記録ここ。コースは予想通りの高速コースで、非常に走りやすく、また参加人数は世界最大であるとともに、沿道の応援も90万人以上とされており、お勧めのコースである。

男子:@Khannouchi(2:05:56)、(2)Njineda(2:06:16)、(3)Takaoka(2:06:16)、男子世界記録は出なかったものの、それに匹敵する好タイムでまたもや Khannouchiがゴールラインを駆け抜けた。 日本の高岡は、途中まで独走していたものの、最後に逆転されてしまった。しかし、今後が期待できる逸材であろう。
女子:@Radcliffe(2:17:18WR)、(2)Ndereba(2:19:26)、(3)Shibui(2:21:22)、 何と女子世界記録が出てしまった。私もその中で走れたのは本当に幸せだった。Wifeいわく、彼女の走りを見るだけでも観戦の価値はあるとのことだ。賞金25万ドルをかっさらっていってしまった。日本の渋井も3位と健闘、今後に期待したいものだ。

コース攻略のコツ
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Chicagoは風の町とはよくいったものだが、やはり風との戦いが勝負の明暗を分けそうだ。特に前半のビル地帯は、風の影響が少ないのだが、後半はふきっさらしの道路が多く、かなり消耗させられた。(事実、渋井のコメントもそうであったし、2003年は風の影響の少ないコースに変更された。)
(2) 気温は低く、出だしの温度調整が難しいかもしれない。出発まで、ゴミ袋をかぶって、スタート時に捨てたり、みんなうまく調整していた。

 落ち着いて周囲を見回して見ると、抜けるような青空であった。待ち合わせのシカゴ美術館で家族に合流。
  Yは少し寒かったかな。
 美術館見学の後、世界第二位の高さを誇るSears Towerに登る。テロのためか、securityは厳重だ。見渡す限りの地平線・水平線にびっくり、いやあきれてしまった。夜景は、無茶苦茶綺麗なことだろう。
 高層建築見物の後、足を引きずりながらホテルに帰着。今日はホテルで飲んだくれる。


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