Running (2008.3)


月日
曜日
距離
内容
タイム
コメント
3/1
       回診、風邪気味であるので、一週間の疲れをとる。
3/2
       朝からスキーのために、隣の州まで出撃する。わが娘のスキーの上達には、驚くべきものがあった。大人でも躊躇する中級斜面を、ノンストップで平然と降りて来る6歳児って、、、。
3/3
       #176 TAAA, H-20、非常にいい勉強になった。そのまま当直、Bleeder times two...
3/4
      30分...orz ストーリーとしては、交通外傷で翌朝に心タンポが見つかったパターンっぽい。患者が落ち着いていれば、内科サイドでエコー下で対応できようが、ショックがらみとなれば、心臓外科という選択肢も考えられよう。いずれにしろ、これを30分以内で処置できる体制は、現在の日本には存在しないように思えるのだがいかがであろうか。多くのトンデモ判決を導き出している裁判官であるようだが、こういった判決を出させない体制を立てなければ、世界でも格安の医療を提供できるはずも無い。こういったトンデモ判決に規制をかけ、質の高い格安医療を可能にするのが、政治というものと私は認識している。

事故負傷男性死亡、病院に1100万円賠償命令
 交通事故で負傷した京都市の男性(当時57歳)が搬送先の京都医療センター(京都市伏見区)で死亡したのはセンターが適切な処置を怠ったためとして、妻ら遺族3人が、センターを運営する国立病院機構(東京都)に約7600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、京都地裁であった。井戸謙一裁判長は「手術が遅れていなければ、生存できる可能性があった」として同機構に1100万円の支払いを命じた。


 判決によると、男性は2005年2月21日、上り坂でトラックと別の車に挟まれ、同センターに搬送された。翌日朝、外傷による心臓の異常が見つかり、手術を受けたが、10日後に死亡した。

 井戸裁判長は判決で、異常が判明した約1時間後に男性がショック状態になったのに、人工呼吸などに手間取って手術開始まで約30分かかったと指摘し、「ショック状態になった際、何よりも優先して手術するべきだった」と述べた。

 同センターの村田庄司事務部長は「判決内容を確認し、今後の対応を決めたい」としている。

(2008年3月1日 読売新聞
 当直明けでゆっくり休養、これが出来るからなかなか日本には帰れない。

3/5

       ボスもいないし、Meetingも無いし、患者は少ないしで、のんびり過ごす。
3/6
5.0
Jog
  腎移植の値段 愚の極み。長期的には、透析に比べて医療資源の節約にもなる移植医療を、真っ向から否定する政策である。また、専門技能を有する我々外科医への一種の冒涜でもあろう。極端な話、もうこんな国で高度先端外科系医療なんて、出来るはずも無い。

 ちなみに以下のサイトで、アメリカ外での格安外科治療の値段がリストアップされている。保険加入者であれば3割負担で済むし、高額医療の上限制度もある。いかに日本では格安の治療が受けられる、ということがわかるであろう。
http://www.medicaldiscounts.com/2007_price_list.htm

東京新聞:生体腎移植 報酬4割下げ 厚労省通知 『死体腎』推進へ
2008年3月6日 朝刊

 厚生労働省は五日、新年度から生体腎移植の手術の診療報酬を四割以上引き下げると通知した。同省は「死体腎移植をより推進するため」とするが、死体腎移植が増えない現状で、さらに生体腎移植にもブレーキがかかることになりかねず、現場の医師から反発の声が上がっている。

 診療報酬は、公的医療保険を使って医者にかかった場合に適用される医療行為の「公定価格」。 今回の改定で大きく変わったのは、移植手術分の診療報酬で、改定前は生体腎移植も死体腎も同じ七十四万八千円だったが、四月からは生体腎は約三十五万円減の四十万円となる。

 一方、「臓器提供者(ドナー)への負担が少ない」として腹腔(ふくくう)鏡下で摘出手術をした場合は新たに三十八万六千円が加算される。臓器提供者の安全管理にかかる費用として五万円も加算される。

 摘出と移植を合わせた全体分では、死体腎移植は脳死の場合は百十九万円、脳死以外は約百四十五万円と変更はなかった。生体では、全体の診療報酬は、腹腔鏡手術をしない場合は約三十万円(三割)下がり、した場合でも十四万円下がる。

 二〇〇六年に国内で行われた腎移植手術は千百三十六例で、うち八割を生体が占めている。

 移植は人工透析に比べて生存率が高いとされ、厚労省も移植を推進する路線を取ってきただけに、大きな方向転換となった。

 日本移植学会の寺岡慧理事長は「移植医療機関には大きな痛手。移植を増やしていこうとする流れに逆行することで、到底受け入れられない。腹腔鏡手術を評価するのはいいが、腹腔鏡をしない施設は致命的な打撃を受ける。早急に見直してほしい」と話した。
 #177 CAD, CABGx5(LITA-LADp-LADd,SVG-D1,SVG-Cx-PDA)、速くは無いのだが、丁寧に縫い上げるDr.Rの手術。しかしこれくらいは、日本の出来る先生は、OPCABGでもっと正確に縫い上げることであろう。
3/7
     

これって夜勤? 最近日本でも、医療の仕事の大変さを報ずるニュースが見られるようになってきたが、こういったニュースを見てしまったら、もうここで働こうと思う人はいなくなるのではないだろうか、、、。日本での就職先を考えた場合、こういった労働環境は、よくありがちなのであるが、あいも変わらない日本の問題先送り体質には、本当に嫌気がさす。
http://203.139.202.230/08doctor/08doctorfr.htm

 今日は朝からAnnual Report。Main clinicでの手術件数が、明らかに減少している。今後も我々Clinical Fellowの奴隷市場は盛況であろうが、今後のStaff市場においては、就職活動も非常に大変となろう。

3/8
      後期高齢者医療制度 激変する医療制度であるが、いったいどれ程の人がこの4月から実施される本制度について理解があるのであろうか? 『おばすて山制度』、『75歳以上医療切捨て制度』、これほどまでに巧みに医療費を減額できる制度を、本来ならば多くの批判を浴びるべきものを、殆ど議論することなく法案を考案し通した人達に、賞賛の声をかけたいくらいだ。

 この法案を通す国会議員を当選させたのも我々、その新しい制度を甘受するのも我々である。 産科に続き、救急医療・外科系疾患の崩壊が現実のものとなっているが、4月からは終末期医療において大混乱が予想されるであろう。最初は恐らく、医療サイドにその不満をぶつける報道がなされるであろうが、誤解してはならない。この『おばすて山制度』は、国策であるのだ。

 Severe Snow Stormの中、On callのため出撃する。積雪量自体はそれほどでもないのだが、普通のタイヤしか履いていない車が多いので、影響は絶大だ。そんなアメリカで、ここClevelandの除雪体制はがんばっている方だと思う。
3/9
       On callの中、2時が突然3時となる。今日からDay light saving timeの始まりなのだ。しかし、"夏時間"と呼ぶには少し違和感のある積雪量である。帰宅後睡眠をとり、かまくらを作る。
3/10
       今日から一週間はDay call、その後当直が続いて、待望の春休みへ。ストレスも多いが、日本と比べればたぶん楽な仕事なのであろう。
3/11
     

厚生労働省梯子はずし〜在宅編〜 医療の高度専門化が進んでいる現在、医療の値段というものは、国が目標とする医療レベルや患者サイドの要求する医療レベル・採算性などによって決定されるべきものであろうが、日本の医療費の特殊な点は、その医療の値段を全て『診療報酬』というもので厚生省が牛耳っているということであろう。

 2年ごとに改定されているこの診療報酬であるが、2000年の+0.2%を無いものとすれば、98、00、02、04、06、08、実に6回連続、12年の長期間、診療報酬は減額され続けていることになる。さらにたちの悪いことに、減額という方針先にありきで、一貫した方向性があるわけでもない。その最たるものが、療養型病床であり、7対1看護であり、そして在宅医療であるのだ。

 06年の改定で、在宅支援診療所という概念を持ち出し、24時間サービスの在宅医療を厚生省が推進してきた。しかし今回の改定では、在宅時医学総合管理料が、在宅支援診療所で\42,000から\30,000に、一般診療所で\21,000から\15,000にそれぞれ減額されるというのだ。商売というものは数パーセントの差で利益を生み出していくものと、私は認識しているが、それにいきなり3割引を持ち出してくるこのやり方は、医療の質・量を度外視した、極めて幼稚なただの数合わせ理論でしか無いことを示しているであろう。


 今日もDay call、それ程荒れずにすんだ。
3/12
      Baxter Heparin Shock ここCleveland Clinicでは他社製品を使用しているので、全く影響は無かったのだが、アメリカ全土・そして日本・ドイツでは、Baxterのヘパリン製品のリコール問題が広がっているようだ。このヘパリンは、心臓外科領域や透析療法には欠かせない薬物で、豚の小腸から作られる。1mL=\50ちょっとの安い薬だが、中国産原料に不順物混入の疑いがもたれている。毒餃子の時もうやむやにされてしまったが、この中国産製品に疑いが持たれているのは、今に始まったことでは無い。昨年は、猫の餌による大量死亡事件も発生している。今後は世界から中国の食の安全性について、目が注がれることであろう。

 たまっていた論文を仕上げる。Day call。
3/13
       Day call、疲れてきた。
3/14
       最後のDay call、そのままon callへ。荒れずにすんだ。
3/15
       当直明けで眠りの少ないまま、日本人学校のガードマン、そして帰宅。
3/16
5.0
Jog
   患者も少なく今週は本来Offなので、今日はゆっくり過ごす。午後から去年に続くオープンハウス巡りを楽しむ。価格はかなり下落しているようだ。
3/17
       #178 CAD, OPCABGx3(LIMA-LAD,SVG-D1,OM)、#179 IE,MR,AR,CAD, MVRepair(pericardial patch),CABGx3(LIMA-LAD,SVG-PD-Cx vein to vein)、そのまま当直、最近はRe-Opなどの重症例も多く、シフトの変わる19時にはまだ手術が終了していない部屋が多い。夜になってからも重症例がUnitに帰ってくるので、気が休まらない。
3/18
       Reseasrch meetingをした後、帰宅。惰眠をむさぼり、Yのお迎えをした後、買い物、夕食を作る。
3/19
       #180 CAD,AS, AVR(CE21),CABGx4(LIMA-LAD,SVG-D1Cx,PD)、#181 CAD,MR4(rupture of PPM),s/p CABG, MVR(Bio31),CABGx1(SVG-PD)、休み前の最後の当直。
3/20
       当直明けで、なんやかんやと仕事を片つけた後、旅行の用意。このために一年がんばってきたと言っても過言ではなかろう。Cの帰宅後、論文の校正に付き合わされて殆ど夜更かし。
3/21
       お気に入りのAkronの飛行場へ、9時過ぎに出発。直行便で一路Las Vegasへ。ここからMotorhomeを走らせて、Grand Canyonに到着する。
3/22
       South Kaupai trailからPhantom Ranchへ下る。
3/23
       Phantom RanchからBright Angelへ。夕方にWest Rim見学。
3/24
       East Rimを見学した後、Glen Canyonへ。
3/25
       Goose Neckを見学した後、Antelopeへ。その後Zionへ。
3/26
       朝一にWatchmanまで走った後、みんなでOverlook trailへ。その後、Emerald Poolへ。
3/27
       朝一からAngel Landingへ。ZionからDeath Valleyに移動する。
3/28
       Dune Climb, Mable Canyon, Salt Creek, Natural Bridgeで遊ぶ。
3/29
       Death ValleyからLas Vegasへ。空路Akronへ移動。
3/30
       ゆっくりと疲れをとる。やはり我が家はいいものだ。
3/31
       Dr.Nチームのlast dayだが、ACCに行っており不在。これだけ長期間手術が無いのも寂しいものだ。
 
 
10.0
     6例/月と、ボスの休暇と私の休暇が重なり少なかったが、めったに見れない症例を見ることが出来た。

1、Surgery ここまで181例/9ヶ月、日本の現在の状況を知らないが、いい経験が出来ているように思う。技術的には困難は感じないので、メンタルトレーニングの重要性を感じる。

2、学術活動 遣り残しのもう一つを片つける。更に臨床に来てからの宿題を片つけること。

3、Running かなり停滞中だが、春休みの山登りランでは、思い通りのランをすることが出来た。しっかりと体重管理を行っていくこと。

4、Private 長年の夢だった、家族でPhantom Ranchへ行くことが出来た。Yもかなり楽しかったようだが、定期的にこういった休みをとっていきたい。


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