月日 |
曜日 |
距離 |
内容 |
タイム |
コメント |
10/1 |
月 |
今日からCCFを離れて、外病院のローテーションとなる。まずは#60 CAD(coronary dissection in LCX after PCI), CABGx2(SVG-OM,PL)。 | |||
10/2 |
火 |
#61 CAD,CABGx3(SVG-PD,D1,OM-LAD sequential)、こんな手術はしてはいけません(LADにsequentialって、誰か見たことあります?)。野戦病院に来たことを痛感する。 | |||
10/3 |
水 |
手術が流れて何も無し。現在の病院であるが、Fellowは私だけ。それでも病院はしっかりと回っている、何故ならPA,Secretary,RNがしっかりしているからだ。私はサインをするだけということも多く、USMLEの重みを痛感することが出来る。 | |||
10/4 |
木 |
10.0 |
Jog |
街はお祭り あれは2001年のことだったと思う、Seattle
MarinersをClevelandに迎えてPost-season gameが開かれたのは。あれから6年、いつも最下位の苦杯をなめていた我らCleveland
Indiansは、晴れてAmerican Leagueの最高勝率をあげて、WildcardのNew York Ynakeesを迎えてのPost-season
gameが開かれることになった。 折りしも、いつもは飛行機で手術を受けに来られる人が多いMain campusを離れて、地元の人があふれる市民病院に出向しているので、患者さんをはじめ病院中がお祭り騒ぎである。ダウンタウンには、飛行船も飛来してきていた。 CCFは世界中から患者さんが集まる一大センター、何でもかんでも『わっしょい』で、ややふんぞりかえっている印象があるのだが、現在の病院、そして更にCCF関連の施設への手術のお手伝いにも行っているのだが、普通はCCFには来れない人達の病気・手術を見ることが出来る。当初の目的の一つである、『アメリカの医療システム』を学ぶには、いいローテーションであるようにも思う。 Dr.Aの手術、#62 MR4, MAP(Physio30)、結構やらせてもらえた。手術終了後、CVNPでラン。 |
|
10/5 |
金 |
小さな気配り 今日もFairviewで手術だが、ここのラウンジでびっくり、ラウンジにはDr.用のお弁当・コーヒーメーカー(いろいろなものを自分で選んで飲める、無料)・お鍋一杯の暖かいスープが用意されている。全体の経費としては一日$50程度であろうが、こういった気配りは嬉しいものだ。日本の大学病院でも、コンビニを院内に入店させるという企画があったと思うが、真似をしてもいい企画であるとは思う。ご飯を食べに外に出て行ってたら、いつになったら帰ってくるかわからんアメリカならではのものであるかもしれないが、休み時間の有効利用・ひいては全体の手術終了時間の短縮を考えれば、こちらの方が経済的なのかもしれない。 #63 CAD(LMT),BAV,AS, CABGx2(LAD-LITA,SVG-OM),AVR(M25)、#64 CAD, CABGx3(LITA-LAD,SVG-D1(LITA sequential),SVG-PD)、自分の中で形成されてきた手術方法とは少し異なるのだが、いろいろな術者のやり方を見ながら、一番最適と思われる方法を身につけていかなければいけない。 |
|||
10/6 |
土 |
回診、Main campusに行った後、数年振りのRock Climbing、当然の事ながら上半身の基礎体力が落ちていることに気づかされる。でも5.9くらいならば、まだまだ登れそうだ。 |
|||
10/7 |
日 |
のんびり。 | |||
10/8 |
月 |
#65 CAD, CABGx3(LITA-LAD,SVG-RCA,LCX)、楽勝と思いきや、搬送中にBPが上昇して出血開始、再胸開も覚悟したが、何とか押さえ込み一本勝ち。『油断大敵』、最後まで気を抜くことなかれ。 | |||
10/9 |
火 |
朝のラウンドの後F病院で、#66 CAD, CABGx4(LITA-LAD,SVG-PD,OM,D1)、とんぼ帰り(と言ってもRocky
River Metroparkを紅葉偵察ドライブ)でM病院で、#67 CAD, CABGx4 (LITA-LAD,SVG-PD,OM,D1)。 |
|||
10/10 |
水 |
#68 CAD, CABGx4(LITA-LAD,free-RITA sequential-Cx,SVG-PD,D1)、アメリカで初めて見るRITA、Dr.Aと世間話となったが、やはりLITA-SVG,on-pumpしか無いCCFは、"It's a shame"であった。その後、#69 2日前に押さえ込み一本勝ちと思っていた症例の血腫除去術。このため、午後の症例は免除される。 | |||
10/11 |
木 |
15.0 |
Jog |
回診の後、F病院で#70 AR, AVR(SJ21),Asc(H26)、AVR+Ascを随分見たが、手が変わると良い面・悪い面がいろいろと見えてくる。助手に左右されない視野出しをしなければいけない。 いろいろと真似出来ない点も多かったが、順手・逆手の針の角度まで指定してくるDr.Sの手術は私の手術のバックボーンとなろうかと思う。 病院に帰ってラウンドした後、近所のMetroparkでラン。 |
|
10/12 |
金 |
7.0 |
Jog |
#71 CAD, CABGx3(LITA-D1,SVG-LAD,OM)、大きなD1にLITAを持ってくるという変則パターン、日本ならばRITA-LADとくるか。まだIMAに時間がかかる。 昨日とは違うコースで帰宅ラン、だらだら走りとなっているので、どこかでトラック練習をする必要がありそうだ。 |
|
10/13 |
土 |
13.0 |
Jog |
回診、その後CVNPで練習。入りは7:00/mileでぶっつぶれ。かなり力が落ちていることを痛感する。買い物、帰宅。 | |
10/14 |
日 |
17.0 |
PR |
回診、CVNP練習。8:00/mileのペーラン、上がりは7:10。現在の力は3:30ぐらいの走力か。その後ダウンタウンで飲茶、その後紅葉を見にHinckely Reservationへ。紅葉はあと少しといった感じ。のんびりカヤックで揺られる。その後買い物、その途中で緊急の召集令状。#72 CAD,AMI, CABGx4(LITA-LAD,SVG-D1,Cx,OM)、午前様となる。 |
|
10/15 |
月 |
10.0 |
Int |
昨日はF病院で緊急だったのだが、M病院でも同時に緊急CABGがあって、2人のPAも呼び出されていたらしくて、みんなお疲れ気味。今日は手術も無いので、データ整理などの後、CCFに事務処理に行く。 今日は久しぶりに、Shakerのグラウンドでトラック練習。400x8とするが、85-87sといったところ。好調時は80s未満で十分回れるはずなので、もっと走り込みをしなければいけないのであろう。一週間に一回は取り入れていきたいものだ。 帰宅してからIndians vs. Red Soxの試合を観戦、松坂投手にはすまないが、やはり地元の応援をしてしまった。さすがAmerican leagueの最高勝率を勝ち取っただけはある。数年前はどうしようもないチームだったが、いいチームにまとまったものだ。娯楽の少ないClevelandだが、お祭りに集まった観衆の熱気の凄さは、TVにも十分伝わってくる。あと2つ、一気にClevelandで決めてほしいものだ。 |
|
10/16 |
火 |
#73 MR4, MVP(posteior+Cosgrove31)→MVR(31)、しっかりとしたMVRを見たい。 雨でランはお休み、今日も野球。かなり盛り上がっている様子だ。 |
|||
10/17 |
水 |
5.0 |
Jog |
Mazeのはずが、LADに病変が見つかり手術は中止。ムンテラとか。 | |
10/18 |
木 |
#74 MR4, MVR(CE31)、81歳なので当然ながら弁置換。#75
CAD(LMT), CABGx2(LITA-LAD,SVG-CX)、LITAと中枢。みんなを空港に迎えに行く。 ―――――――――――――――――――――――――――――― ☆ドクター桜井の日本診療☆ 〜512号〜 07.10.18 ―――――――――――――――――――――――――――――― ◇危険な時代 三日間の参議院予算委員会が終了した。筆頭理事として、初日に質問に立たせていただいた。今回は、国民の皆さんからの反響は一番で、質問しているときから電話やファックスを頂いたのだが、ある新聞には、論戦には見るべき点が無かったと書かれていた。 現在はインターネット上でかなり情報が得られるのだが、事実とメディアの報道の間に多くの相違点があることに気がつかされる。それが政治であるともいえるのだが、本当にその政策が国益にかなっているかというと、かなり疑問も感じることも多い。そして大きな問題は、各個人が疑うことなくメディアの言いなりになることである。 国会でいろいろと医療問題が『審議』されているようであるが、それを殆ど報じない、国民の間で論議を起こさせないとするこの姿勢に、危機感を感じる。 |
|||
10/19 |
金 |
#76 ASR,s/p MVR, AVR(SJ21)。時差ぼけの娘に苦しめられる。 | |||
10/20 |
土 |
6.0 |
Jog |
回診、CCFで学会(Heart Failure Summit)。病院に寄ってから、ランニング、買い物。 Impella, Cancion, CorAide, Dura Heart(33), Ventrassist(139), HeartWare(20), Jarvik(102+), Incor(378), Levacor, HM-II(919), Centrimag, DeBakey(437) 最近Pumpの勢力地図が様変わりしてきているのが良くわかるであろう。Incorが意外、興味深いポンプ構造だ。久しぶりに日本語をしゃべれるかな、と思ったが、お会いできた日本人の先生は、TerumonoのN先生だけであった。残念だな。みんな忙しいのかな? |
|
10/21 |
日 |
現在24h7days on-callなので、何かとポケベルが鳴って寝不足気味。ポケベルが鳴るということは、指示出しが完璧では無い(コミュニケーションが取れていない)ことにも起因しているのだが、これもある意味胃の痛いローテーションである。 回診、2人帰す。土日はPAがいないので、全て自分で事務作業をしなければいけないので、大変だ。 まだまだ高い気温の続くClevelandだが、残念ながらIndiansのWorld Series進出が消え去ってしまった。野球一色だった昨今だったが、いよいよ冬に備えなければいけないのであろう。何だか妙に寂しい気持ちになった、、、。 |
|||
10/22 |
月 |
3.0 |
Jog |
昨日診た交通外傷・Aorta損傷(distal arch)の患者の悪夢に、昨晩は悩まされてしまった。#77
CAD,Af, CABGX5(LITA-LAD,SVG-PD,CX,OM,D1),Maze、ひどいLADであった。OMのいい勉強になった。 |
|
10/23 |
火 |
今日の手術は、中止。昨日あまりのriskの高さに、CCFに送ってしまったのだ。案の定、CCFでCode blueになったとか。内科も含めて、どこかで手放す判断が必要である。 | |||
10/24 |
水 |
10.0 |
PR |
厚生労働省の考え 巷で話題になっている奈良県の『たらいまわし事件』の後の、奈良県の対応(議事録)が発表されている。知事レベルでも、医療に対する理解度はこんなもんだと落胆するとともに、厚生労働省のこの発言に対しては、『、、、』。こんな連中に医療を任せてもいいのだろうか? 奈良県には74人(56人)の産婦人科医しかいないのに、、、。(ちなみにうちの病院のOBGYNのStaffだけでも73人いる。これにFellow入れれば、、、。) 予定のAVRが吹っ飛んで、CABGが入ってきた。#78 CAD, CABGx3(LITA-LAD,SVG-OM,PD)。レントゲンやらの合間に、最近発見した最上階のトレーニング施設で、トレッドミル。案の定、シャワーを浴びていたら、他のConsultationで呼ばれた。これから寒い季節だが、これはいい時間の使い方が出来そうだ。 |
|
10/25 |
木 |
County Hospital vs. Private
Hospital アメリカで臨床を再開してから、現在までに3施設のシステムを経験している。一つは全国(全世界)から患者さんが集まってくるCleveland
Clinic Main Hoapital、一つは地元住民向けの病院ながらPrivate HospitalであるCleveland Clinic
Fairview Hospital、そして誰でも受診可能なLevel 1 Trauma Centerを持つCounty HospitalであるMetro
Hospitalだ。 院内で多くのConsultationを引き受けているので(院内にただ一人のCT fellowのため)、poorな患者さんも見る機会が多いのだが、そういった人に手術が必要な場合、経費の何割かはStateから補助されるということだ。一方Private Hospitalの場合は、個人および保険会社がその経費を払うことになる。Drug abuserのIEなんかは、あまり受け入れたくない手術だが(手術して治してもまた再発する)、例え支払能力が無くても手術をしなければいけない時はある。そしてその経費は、我々の支払っている税金から捻出される。 このCounty Hospitalのシステムは、日本の公立病院に似ているともいえるのだが、大きな違いは、日本の場合は公立病院でも最高の医療が要求されているのに対して、アメリカの場合は最高の医療を受けたいならば、Private Hospitalへ行かなければいけないということ。技術もそうなのだが、システムをもう少し学んでいきたい。 #79 AS, AVR(CE21)。#80 AS,CAD, AVR(CE21),CABGx1(SVG-RCA)。 |
|||
10/26 |
金 |
胸部外科領域で尊敬する先生が枕元に立ってびっくりした(リアルに説教された)。体力的忙しさもあって、最近、学術執筆活動が滞りがちだが、宿題をしっかりと片つけること! 年末までに2つ。 回診の後、Fairviewへ。Mini-Mazeだったが、予想外の癒着で中止へ。帰った後、書きかけの論文を進める。今日はその後、うちでBBQ、おいしかった。 |
|||
10/27 |
土 |
マヨネーズ アメリカに来て驚いたことの一つが、マヨネーズの味である。キューピーマヨネーズに慣れてしまっている我々日本人であるが、しかしあのマヨネーズの味は実は日本限定のマヨネーズ味なのである。(アメリカのマヨネーズは何とも単純な味なのであるが、これに酢を混ぜると、日本風身となるそうだ。)渡米当初は、日本製のマヨネーズは高いし、しょうがなくアメリカ製のマヨネーズを使用してきたのだが、しかし最近はこの混じり気の無いアメリカのマヨネーズが、非常においしく感じるようになってきた。 |
|||
10/28 |
日 |
11.0 |
Jog |
回診、プールに行くCをおいて、お昼からYと紅葉見物、更にラン。自転車とはいえ、11km走った娘の方を褒めたい。 | |
10/29 |
月 |
11.0 |
PR |
#83 CAD, CABGx5(LITA-LAD,SVG-RCA,Cx,OM,D1)。皮下脂肪が10cmもあると、IMA
retractorで胸骨を挙上しても、IMAが見えない。アメリカで巨体のIMAをとっておられる先生、何かTipsはありませんか? 手術後、CVNPでラン。7'05''/mile、上がりは6'45''。馬体を減らすのが現在の目標だが、61.2kgまで減ってきた。体脂肪率は9.2%、17歳レベルだって。毎日手術ということで、一日消費カロリーが増加しているのであろう。11/18のHalfに出走するか? |
|
10/30 |
火 |
7.0 |
Jog |
Travelin' Soldier この国は現在も交戦中である。そんな中、通勤中のラジオで聞いたこの一曲。日本では馴染みの薄いカントリーミュージックで、元々はVietnamを歌ったものであるが、現在の泥沼化するイラク駐屯をダブらせて聞こえてくる。事実、イラク開戦時にもひと悶着あったそうです。 #84 AS(BAV), AVR(CE21)、ここに来てから一ヶ月、信用されてきたのか、AVRもおりて来るようになってきた。 帰宅前に公園で走る。明日はいよいよHalloweenだ。Yはコスチュームのチェックに余念が無い。何になるかは、、、こうご期待。 |
|
10/31 |
水 |
規定路線に変更の余地無し 史上最大の下げ幅となった平成18年の診療報酬改定から2年目となる来年度だが、公立病院の多くが赤字を増加しており、更に休診・廃院にまで追い込まれている現在、ここまで医療情勢が悪化しているのにも関わらず、政府の規定路線の変更の可能性は、全く無いということなのか。 時はまだ昭和19年、まだまだ血を見なければ方針転換はあり得ないのであろう。そして気がついた時には、医学を教えるべき教育体制までもが崩壊して、一面焼け野原になっていることであろう。志のある医学生は、どんどん海外に逃亡すればいいだろう。モチベーションと教育をおろそかにしたツケは、数倍となって返ってくるであろう。職業としてだけではなく、医学の学問としての魅力に欠ける国になってきたように思える。 診療報酬引き下げへ=来年度予算で財務省方針 10月31日3時0分配信 時事通信 財務省は30日、2008年度の予算編成で、医師の給与などとして医療機関に支払う診療報酬を削減する方針を固めた。医療機関側は厳しい現場の実態を挙げて増額を求めているが、同省は「医師の給与は依然高く、業務の合理化余地はある」と判断した。薬価部分を含め3.16%となった前回並みの削減幅を念頭に、厚生労働省や与党と調整に入る。 財務省によると、06年度の医療費は33兆円。このうち国・地方の公費負担は11.2兆円と、3分の1を占める。制度改正を行わなければ、高齢化に伴い医療費は毎年3〜4%増え続け、25年度には56兆円に膨らむ見込みだ。 <診療報酬改定>軽度のやけど処置など加算せず 厚労省方針 10月31日18時47分配信 毎日新聞 厚生労働省は31日、中央社会保険医療協議会の小委員会で、軽度のやけど処置や、洗眼、湿布を張ることなど、患者本人や家族でもできる治療を医師がしても、従来のような加算はしないという08年度診療報酬改定方針を示した。現行報酬(1点10円)は、医師が軽度のやけど処置をすれば135点、湿布を張れば24点−−などの点数が定められている。 #85 CAD, CABGx5(LITA-LAD,SVG-PD,RV branch,Cx,D1)、ボスがどんどんweaningをかけてくる。 |
|||
125.0 |
10月に入り、とうとう2人してのアメリカでの臨床が始まってしまった。技術的には日本の方が高かったりもするのだが、その医療システム・そしてモチベーション・卒後教育教育にかける時間はアメリカに大きく分があるように思う。『質・コスト・アクセスともに世界最高の医療』、と評価される日本の医療であるが、『国の舵取り』に大きな不安がある現在、ここまで教育に力を入れなくなった日本は、その座から転落するのも時間の問題であるように思う。 26例/月とアメリカにしては少ない症例数であったが、ボスと2人きりの心臓外科なので、私なりには多くの事を学ぶことが出来たと思う。もっと手のトレーニングをすること。学術系はやや停滞。年末に向けてムチを入れること。一ヶ月に125kmは2年ぶり、仕事一辺倒では無いバランスのとれた生活を心がけたい。 |