1997年 冬山 奥三 計画書



1997 Winter ice climbing plan ar Nameri river,
Okusannnosawa


山域:中央アルプス三ノ沢岳滑川奥三ノ沢左俣

メンバー:P.L. YO(29)  SK

行程:
12/27 (Sat) 神戸=(車)=木曽福島= 敬神ノ小屋−滑川出合−奥三ノ沢出合−二股BP

12/28 (Sun) BP−三ノ沢岳−宝剣岳−木曽駒−木曽前岳BP

12/29 (Mon) BP−敬神ノ小屋下山

・Sub 0 最終下山連絡時間 21:00
・天候不順の場合一般道より頂上往復

団体装備:ツエルト(1) ポール(1) EPI(1) EPIカートリッジ(1.5) コッヘル(1) ローソク(1) 天気図 ラジオ 食料2日分 9mm50m(2) ビナシュ(10,5) アイスハーケン(5) ロックハーケン(3)

個人装備:ザック シュラフ マット 雨具 防寒具 ヘッドランプ 予備電池
     非常食 救急セット 地図 コンパス ナイフ ヘルメット ハーネス



1997年 冬山 奥三 報告書



1997 Winter ice climbing report ar Nameri river , Okusannnosawa

山域:中央アルプス三ノ沢岳滑川奥三ノ沢左俣

メンバー:P.L. YO  SK

行程:
12.27 (Sat.)
 神戸=(福井numberのSILVIA)=上松=二合目 ●◎○ 8:00二合目−11:30奥三の沢出会い−16:30雌滝横BP
  地球温暖化の影響が毎年進行しているのか、例年になく今年は雪が少ないとの情報を聞きながら雨の降る神戸を出発する。二年ぶりのice climbingということだが、今回のpartnerは現役同様に山行を続けている木南君です。体力には十分期待できるとあって、頼もしい限りです。名神高速道路をぶっ飛ばし、中津川経由で上松に到着した。登山口近くでは雨もみぞれに変わり、最後はchainを装着した。しかし、みぞれも降ることがやまず、8時頃まで車の中で時間待ちをする。

 8時頃、雨も小降りとなったため、気合いを入れて出発する。しかし、今年はロープェーが運休しているためか、登山者は我々だけだ。敬神ノ滝小屋で上松道と別れ、さらに林道を滑川沿いに辿っていく。林道は谷が左に屈曲して500m程度まで作られている。ここから滑川を辿っていく。スヤマ尾根への取り付き過ぎ、A1沢に出会う。氷結は甘そうだ。さらにすぐにA2沢だ。500m進めば、奥三の沢だ。

 出会いからはF1がそそり立っている。しかしやや中央部は氷結が甘い。左端より直上した後、右にトラバースした後、凹角を直上して50mで潅木でビレーする。氷結は甘いため、アイスハーケンの効きが甘い。次は今回の最大の滝F2だ。やや右よりに登り、30mで潅木でビレーした後、中央部を直登する。50mで潅木でビレー、結構氷結は良好だ。高度感はあるものの、傾斜も緩く快適なclimbingだ。ここから谷は左に向きを変えて、滑滝を越えれば、二股だ。雌滝の右側に良好なビバークサイトがある。好天を約束する美しい夕焼けを見ながら、持ってきたバーボンを食らう。

12.28 (Sun.) ○○◎ 7:10雄滝−12:00岳沢越−12:30岳沢−16:30F2横BP
 放射冷却現象のために、なかなか冷え込む夜であった。まず、雄滝は右よりに越えていく。40mで潅木でビレイできる。ゴルジュを進んでいくと滑滝の後、20mの氷結の悪い滝が落ちる。左草付きの部分を40m登る。さらに30mの滝だ。III+位か、落ちれば滝壷だが、氷結は良好だ。後はひたすら沢を詰めるだけだ。左から二股が入ってきており、稜線に早く上がるのであれば、左だ。ひたすら雪壁を詰めて、樹林帯をひたすら登れば、三の沢と四の沢を分ける稜線に出る。これを登れば稜線だ。

 しんどいので、三の沢岳頂上は断念し、宝剣岳に向かう。しかし、湿雪の重いラッセルが我々を苦しめる。浄土乗越に着いたのは、15:00であり、本日中の下山は断念し、ここでビバークとする。しばらくはガスの中であったが、夕方にはガスも晴れ素晴らしい景観を見ることができた。

12.29 (Mon.) ○○ 7:00BP−木曽駒ヶ岳−11:30二合目
 稜線ということでなかなか寒い夜であった。やはり、社会人になってからのビバークは体にこたえる。4:45起床で6:30に出発する。快晴無風ということで、特に困難ということもなく、宝剣岳頂上に到着、頂上に着くと同時に富士山の頂上から上がる日の出を拝むことができた。360度見渡すことができ、素晴らしい夜明けであった。

 慎重に宝剣山荘も超え、中岳は左側の巻き道を通過し、今回の山行の最高点、木曽駒ヶ岳に到着する。遠く槍穂まで望むことができた。登山具を整理した後、下山を開始する。木曽前岳へは巻き道にしっかりしたトレースがあったため、こちらを辿る。ひたすら高度を下げ、最後は秋山のような雪のない道を下れば二合目だ。

 氷漠自体の困難度は少ないが、ルート自体が長く、標高差があるため、総合力が要求されるルートだ。内容は三峰川岳沢には及ばないものの、なかなか充実感のある、また総合力の要求されるルートでした。



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