CCF



 私の勤務している病院は、略称をCCF、正式にはThe Cleveland Clinic Foundationといいます。アメリカの中では田舎である、オハイオ州のクリーブランドにあるのですが、全米でも有数のClinicで、心臓外科領域では全米でもいつもNo.1にランクされてます。しかし、国立でも大学でもない私立の病院であるため、運営には経済的な問題がシビアにからんできます。そのため収入の少ない人にとっては、決して行くことの無い、そんなClinicである。

 
病院の歴史はFrank J Weedという外科医が、1887年にBuntsとCrileという若いInternと仕事を始めたことから始まります。Dr. Weedは不幸にして肺炎で亡くなるのですが、まだ20歳台であった若き外科医の2人が、Dr. Weedの遺志を継ぎ、病院を発展させていきました。そして、1921年にCleveland Clinicが開設されました。1950年代になり、F Mason Sones Jr.による冠動脈造影検査の確立を受けて、1967年にはR FavaloroによるCABGが行われ、心臓血管領域でも世界の代表的な施設となりました。

正面玄関 Children's Hospital 外来棟
Downtownを望む Children's Hospital Snowman

  病院は発展の度に増設されていったために、いわゆるタコ足建築で、現在では病院の構造は非常に複雑になっており、病院の中でさえ迷う始末です。
驚くべきことに、病院の敷地のど真ん中に、VIP用のホテルがあります。
 
9年連続No.1 !
Hotel & Conference
Hotel全景

  そんな臨床バリバリの病院ではありますが、組織内には私の勤務しているLerner Research Instituteという研究施設をかかえています。これが、Cleveland Clinicを全米一にしている一つの要因であると思われます。世界の最先端医療施設で、研究と臨床がこのようにがっちり手を組んでいる施設は、少ないのではなかろうか。(2005年現在、11年連続No.1と記録を伸ばしている。)

Sky Way
Lerner全景
手術室

 このLerner Research Instituteには、8つのDepartmentがあります。私の所属する、(1)Biomedical Engineering、そして、(2)Cancer Biology、(3)Cell Biology、(4)Immunology、(5)Molecular Biology、(6)Molecular Cardiology、(7)Neurosciences、(8)Virologyである。このBiomedical Engineeringの中に、Kiyo率いるCardiovascular Dynamics Laboratory(CDL)がある。今までの主な研究としては、Total Artificial Heart(人工心臓)、LVAD(左室補助装置)、Myosplintという心不全治療デバイスの開発、、、、などなど、そして特徴的であることが、McCarthy率いるCardiothoracic Surgeryとの連携も強く、臨床でのresearchにも参加している点であろう。Research部門では、唯一心臓外科医をかかえる研究室であるために、重宝されているようだ。

 このLerner Buildingは新しいビルで、他の臨床棟などとは、Sky Wayで連絡されています。我々のOfiiceおよび実験室はこちらのビル内にありますが、一方動物飼育施設・手術室・CCU(Chronic Care Unit)は、通りを挟んだ古い1階立ての建物内にあります。

私のOffice
私のDesk
2005.8月〜1人部屋に移動

 Officeは、アメリカ的な広いスペースに間仕切りだけがあるというものではなくて、日本的なこじんまりとした部屋に区切られています。私に与えられた部屋は3人座れるスペースがありますが、現在は2人でゆったりと使用しています。→2005.8月から一人部屋に移動しました。おかげで、集中して仕事が出来るようになりました。

BossのKiyo
TechnicianのRay
AnesthesiologistのMike
SurgeonのSoren
SurgeonのKeiji

 Cardiovascular Dynamics Laboratory(CDL)のメンバーは6人。ボスのKiyo(九州大学出身)、TechnicianのRay、Anesthesiologist & ManagerのMike、ドイツからのResearch FellowのSoren、佐賀医大からのResearch FellowのKeiji、そして、私である。現在の私の仕事内容については、別の項で述べたい。

 日本人のボスということで、コミュニケーションには特に困ることは無いが、逆に日本語をしゃべってしまうという欠点もある、、、まあ、幸せな欠点か。今いるポジションは、日本の激務から考えると、比較的自分の時間があるので、今後の我が身の将来についてはいろいろと考えさせられてしまう。私も1年後は、このCDLにいるのであろうか、、、。

Cleveland Clinic......ClinicのHP
CCF-Biomedical Engineering......BMEのHP
Cardiovascular Dynamics Laboratory......CDLのHP。メンバーの紹介、研究内容などがある。



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